第6話 ひと狩り行こうぜ!

頭文字イニシャルGが出てきますので、閲覧えつらん注意ちゅうい


心の準備は、よろしいでしょうか? いきますよ?


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「そろそろ、狩りに行ってくるニャー」


「いってらっしゃいニャ」


「シロちゃん、良い子で待ってるニャー」


「ミャ」


 サバトラは、ぼくの頭をひとでした後、森の中へけて行った。


 本来ほんらい、猫は狩りをする生き物。


 野生の猫は、小動物しょうどうぶつ爬虫類はちゅうるいなどを狩って食べるらしい。


 サバトラを見送った後、シロブチがぼくの頭を撫で撫でしながら言う。


「シロちゃんも、そろそろ狩りを教えないとニャ」


「ミャ」


 猫は、本能的ほんのうてきに狩りをするけど、生まれつき上手な訳ではない。


 仔猫は、親猫から狩りを教わるそうだ。


「私達も、何か狩りましょうニャ」


「ミャ」


 ぼくは、森の中へ入って行くシロブチの後をついて行った。


 初めての狩りで、ドキドキワクワクしている。


 しばらく歩いていると、近くのしげみが大きく揺れて、何かが飛び出してきた。


 を見た瞬間、恐怖のあまり、大きく飛びのいた。


 の詳しい描写びょうしゃは、精神衛生上せいしんえいせいじょうよろしくないから、避けよう。


 みなまで言わなくても、みんな知っている。


 その名を、口にするのもおぞましい、頭文字イニシャルG!


「ミャァァァアアアアァァーッ!」


「シロちゃん、こうやって狩るニャ! 良く見ておくニャッ!」


 ぼくが絶叫ぜっきょうした直後、シロブチが素早く頭文字イニシャルGに飛びかかり、するどい猫パンチをり出した。


 とどめとばかりに、頭文字イニシャルGにらいついた。


 シロブチは得意げな顔で、頭文字イニシャルGをくわえて、こっちへ近付いて来る。


 ひぃぃ……を、こっちに持ってこないでくれ……。


 シロブチは、頭文字イニシャルGを自分の足元に落とし、前足でぼくの前にし出してくる。


 そして、シロブチは優しい笑顔でこう言った。


「シロちゃん、食べるニャ」


 いやいや、無理無理無理無理っ!


 猫が頭文字イニシャルGを食べることは、知っていたけど!


 元人間のぼくには、絶対食べられないっ!


 しかも、まだ息があるらしく、小刻こきざみにピクピク動いているし……。


 何度も首を横に振ると、シロブチは不思議そうに首をかしげる。


「どうしたニャ? 食べないと、大きくなれないニャ」


 頭文字イニシャルGを食べるくらいなら、一生大きくなれなくて良いっ!

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