第八幕

 クソッ、ルーグスタがどこかへいっちまった……俺とユリバーだけでどうにかなるか?

 ……いや、やるしかない。俺達はこの世界を背負ってここにいる。多分俺達があの洞窟に行った頃からそれは決まっていた事なんだ。


 「よし、やるぞ!」

 「ああ!」


 俺は『ウェザー』を発動する。

 いきなり雲が立ち込めたと思うと、雨が降ってきた。しかも雷付きだ。

 もちろんそうしたのには理由がある。


 「全員痺れな! 『サンダー』!」


 視界一面に閃光、直後に地面を揺らすほどの轟音。それらはまだまだ続く。

 そう。雷雨の時、『サンダー』は真価を発揮する。晴れの時とは比べ物にならないほど威力と効率が上がるのだ。

 ……でも、やっぱりそこで問題が現れる。


 「……だろうな。思った通り耐性持ちもいるみてぇだ」


 雷が直撃してもなお怯む様子もなくこちらへ向かってくる『エネミー』がいる。しかも、逆に雷から力を得ているように見える。


 一旦『サンダー』を止め、別の攻撃魔法を行使する。


 「『ヴェリヴルム』!」


 地面から全てを飲み込む怪物が現れる。

 それはその『エネミー』を喰らおうとした……

が、『エネミー』は前足をもたげたと思うと、怪物を爪で両断した。


 「ウソだろ……これでダメかよ……」


 アイツには魔法を無効化、もしくは吸収する結界でも張られてるってのかよ……

 チッ、物理技しか効かねぇってわけか……

 こんな時にルーグスタがいれば…

 ……いや、ダメだ。いつまでもアイツに頼っていてはいけない。自分達だけでも戦えるようにしないと……


 「っ!? 『リフレクト』!」


 ユリバーが何かを察したように魔法を発動する。

 すると、いきなりビームが横にいた『エネミー』から発射された。そのビームはユリバーによって反射され、ビームを放った『エネミー』は自らの魔法によって貫かれた。


 「危なかったぜ。サンキュー」

 「いいや。役に立てて良かったよ」


 俺としたことが、うっかり正面の『エネミー』にしか意識がいってなかったぜ……


 「オレは周りの『エネミー』をどうにかする! お前はアイツを頼む!」

 「オーケー。任せとけ!」


 よし、これで守りが固まった。あとはアイツをどうにかするだけだ。

 アイツには魔法は効かない。ならば!


 「『クリエイト』」


 物理で叩ける武器を作ばいいのだ!


 俺は万物を砕く大槌をイメージして巨大ハンマーを創った。自分の身長よりも長いハンマーができた。

 俺はそれを掴む。


 「って、重っ!?」


 案の定、持ち上がらなかった。うーん、どうすれば……

 そこで俺はある一つの考えに思い立った。

 今地面に着いているところを爆発させれば動く!

 よーし、思い立ったが吉日! 早速実行だ!


 「『エクスプロード』!」


 俺は柄を握ったまま爆発魔法を発動した。思った通り、ハンマーは持ち上がった! …が、


 「うわぁぁぁ!?」


 そのままハンマーは柄を掴んだままの俺ごと吹っ飛んでいった。

 ハンマーは放物線を描いて落下し……なんと、あの『エネミー』にピンポイントに直撃した。轟音と共に地面が窪み、亀裂が入る。

 こうなったら流石にタダじゃ済まないだろ!


 「……は?」


 確実に押し潰したはずの『エネミー』がハンマーを持ち上げる。

 怒りが頂点まで達したのか、目が前と比べものにならないくらい獰猛になっている。

 『エネミー』はハンマーを無理やりどかすと、俺に向かって爪の攻撃を炸裂させる。

 間一髪でそれを避け、距離を取る。

 まずい…これはかなりまずい……魔法耐性だけでなく物理耐性もあるってもう詰みじゃねぇか……

 一旦下がって作戦を考え直すしか……!


 「グルアアア!」


 退却しようとしたところで、すぐ後ろで『エネミー』の声がして、俺は察した。

 あ、終わった……


 「クラム!」


 ユリバーが俺の名前を呼ぶ。でも遠すぎる。もう間に合わないだろう。

 『エネミー』が腕を振り上げる。俺は思わず目を瞑った……

 ……何も起こらない。

 俺、もう死んだのか?

 恐る恐る目を開ける。すると、『エネミー』の爪が俺を両断する寸前で止まっていた。

 それだけじゃない。その『エネミー』も、それ以外の『エネミー』も全て動きを止めていた。

これは……


 「ゴメン、遅れた」

 「レミ!」


 危なかったぜ……レミがいなけりゃ大変なことになってた……

 ユリバーが走ってくる。


 「お前、もう大丈夫なのか?」

 「うん……二人とも、ありがとう。もう大丈夫」


 なんとか立ち直ったみたいだ。


 「それと……さっきのことも、ごめんなさい」


 さっきのこと。ラストのことか。


 俺達と共に行動する事でラストに情報を流し、更には俺達を殺そうとした。

 レミを許してやりたい気持ちもあるが、なんとも言えない怒りも確かにあった。俺が返答に困っていると、


 「確かに、ラストはオレ達の親を殺したし、ラストの仲間であるレミもオレ達を裏切った。でも、レミは大事な人を守るためにそれをやったんだろ?まあ、ラストの行いは許せないけど、大事な人を思って取った行動を非難したり、責める訳にはいかないよな」


 確かに。大事な人を守るために俺達と戦った。ラストはともかく、レミに罪はないはずだ。


 「ユリバー……ありがとう…」


 レミの目から涙がこぼれ落ちる。


 「……よし! これで3人。絶対にコイツらを止めるぞ!」


 「「おお!」」


 おそらくウリエースが倒されるまで『エネミー』はいなくならない。ウリエースはルーグスタがなんとかしてくれるだろう。それまでに俺達がコイツらをなんとかしないと。


 「あとどれくらい持ちそうなんだ?」

 「結構たくさん止めているから、あまり長くは続かないかも……」

 「わかった。キツかったら言ってくれ。お前が休んでいる間に俺達が戦う」

 「うん、わかった……きゃあっ!」

 「レミっ!」


 いきなり『エネミー』がレミを襲った。『敵』共がまた動き出す。

 どうしてだ!? 今はレミが時間を止めているはずじゃ!?

そこで俺は気づいた。

 まさか…さっきの!?

 やっぱりアイツだった。アイツ、時間停止にも耐性があるのかよ…時間停止も魔法だから当たり前か……

 とにかく、アイツをどうにかできないのか?


 「!? このっ」


 いきなり飛びかかってきた別の『エネミー』に『バレット』を撃ち込む。

 ああ、時間がまた動き出したのを忘れてた……敵はアイツだけじゃない。ここにいる全ての『エネミー』をどうにかしなければ。

 そこで、


 「じゃあ、あの『エネミー』は私がどうにかする。二人は他をお願い」


 と、レミがそう俺達に言った。


 「それでいいのか?」


 『エネミー』の攻撃を止めながらユリバーがレミに問う。


 「うん。こうなったのは私の責任でもあるから。私もこの世界を守りたい。『スワップ』」


 ん?レミの魔力の性質が変わったような……


 「あなたを永遠に隔離する。『イゾレート』」


 そうレミが言うと、透明な膜のようなものがその『エネミー』をドーム状に包み、『エネミー』は消えた。


 「なっ……いま、何を?」

 「『エネミー』を空間ごと遠くへ飛ばした。多分もう帰ってくることはないと思う」

 「一体何が起こったっていうんだよ……」


 もうわけがわからない。情報量が多すぎて頭の処理が追いついていない。


 「私は『時』と『空』の魔法を使うことができる。でも、同時には使えないからわざわざ使い分ける必要があるんだけど…『空』の方は消費魔力が多いからいつもは『時』を使ってる」


 マジか……レミにそんな力があったのか、知らなかった。まあ、今まで使ってこなかったのなら仕方がないけれど。


 「……よし、問題のやつはいなくなったことだし、あとはあいつらをどうにかするだけだ!」


 俺達の視界には溢れんばかりの『エネミー』がいる。そう、俺達の戦いはこれからだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 僕とウリエースは広大な平原でこれまでにない壮絶な戦闘を繰り広げていた。

 地上から空中、空中から地上と状況が目まぐるしく変わる。

 ウリエース…ラストとは比べ物にならない力を持っている。剣達と完全に繋がった今でも未だに勝ち筋が見えていない。


 「さあ、レベル2。お前は対処し切れるか?」


 『エネミー』が大量に呼び出される。

 まずい…そっちの対応をするために戦力が削がれてしまう…ただでさえウリエースが相当強力なのに……

 右からくる『エネミー』を弾き飛ばし、その勢いで数体の『エネミー』を巻き込む。そのまま『フェレント』で飛び上がり、翼持ちの『エネミー』が来ているのを視界の端で確認してウリエースに斬り込む。攻撃を防がれたところで翼持ちをルミネオルで串刺しにし、それを踏み台にしてさらに加速する。


  「ハハハ、面白いな。ただの人間がここまでするなんて、やはり戦いとは飽きないものだな」


 ウリエースが心底楽しいように言う。僕は何も言わずにウリエースと周りの『エネミー』に集中した。




 しばらくして、『エネミー』ラッシュが落ち着いた。

 1つ気になることがある。今しか聞くタイミングは無いだろう。


 「ねえ、なんで君はそんなに人間を滅ぼそうとするんだ?」

 「フン、戦いの最中に仲良くおしゃべりか? ……まあいいだろう。どうせお前は死ぬ運命なのだ。冥土の土産にでも教えてやらなくともない」


 一旦僕とウリエースは戦いをやめ、ウリエースが話始めた。




 ---ウリエースは元々、力のないただの小動物だった。

 今から500年前、人間の文明が発展してくると、人間はさらなる土地を求めて自然を破壊し始めたのだ。

 もちろん人間達の手は彼らの住処にも伸び、彼らはだんだんと追いやられていった。

 このままでは住む場所がなくなってしまう。このままではいけないとウリエースは立ち上がったのだ。だが、今のままでは人間に対して勝つ術がない。

 そこでウリエースは力を求めた。

 ある日、ふと洞窟へ向かうと、何やら光る石があったのだ。触ってみると、『何か』が体の中に巡っていくのがわかった。

 いくつか拾いつつ、さらに奥へと進んでいくと、巨大な虫のような生き物が立ち塞がった。

 これはまずい……と思う間もなく、巨大な虫は彼に飛びかかった。咄嗟に手を前に突き出すと、なんと虫が吹っ飛ばされたのだ。この力は使える、と虫達を吹き飛ばしながら先へと進む。

 ふと、大きな扉があった。中がとても気になる、が、こんな大きな扉、自分の力で開くわけがない……

 と諦めかけた時、突如持っていた石がさらに光り輝いた。なんだ、と思ってかざしてみると、その扉は勝手に開いたのだ。

 中に入って少し進むと、彼が今持っている石をさらに大きくしたような、美しく光り輝く石があったのだ。少し近づくと、頭の中に声が響いてきた。


 〈ようこそ、廃道最深部へ〉


 ウリエースは思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。


 「だ…誰だ……?」


 ウリエースは石に尋ねる。


 〈申し遅れました、私は魔法石でございます〉


 「まほうせきって、これのことか?」


 〈はい、そうでございます。今貴方が見ているものです〉


 そういうことか。『まほうせき』と言うのだな、これは。




 ---と、そこまで聞いて僕はあれ、と思った。

 ……これ、僕達が魔法石と出会うまでの流れと一致するじゃないか。

 まあ、洞窟に行くきっかけとかそう言うのは違うけど、偶然にしては流石に合いすぎる。

 ウリエースは話を続ける。




 ---魔法石は話を続ける。


 〈貴方は、どのような目的でここへとやってきたのですか?〉


 ウリエースは拳を握り込むと、ゆっくりと言った。


 「俺は……力が欲しい。俺の…俺達の住処を……自然を破壊した人間共が許せないのだ!」


〈なるほど……ところで、貴方は魔法石との相性がいいようですね〉


 俺の言葉を聞いておいて、いきなり何を言い出すんだ、とウリエースは思った。


 〈貴方、今喋れているでしょう? 本来貴方は話せないはずです。貴方は魔法石によって言語を発するための声帯と知能を得ることができたのです〉


 言われてみてはっとした。確かに、自分は喋れている。こんなことを一瞬でできる、この石は、一体……


 〈魔法石は文字通り、魔法を扱うことのできるようになる石。魔法を使えば、本来できないことをできるようになるのです〉


 魔法、か……できないことをすることができる、と言うことは…?


 「まさか……人間に復讐することもできるのか!?」


 ウリエースに一筋の希望が現れた。が、


〈はい…可能ですが……〉


 と、魔法石はあまり乗り気ではないようだ。


 「どうした? 何か問題でもあるのか?」

 〈はい……その力を用いれば、人間を絶滅させることも可能になるでしょう。ただし、貴方の様な種族の生物が多大な魔力を得るには、相当なリスクが生まれるのです。そして、いつか貴方に対抗する者が現れるかもしれません……それでも、良いのですか?〉


 相当なリスク、か……

 関係ない。自分がどうなろうと、自分の仲間達が助かれば安いものだ。対抗する者が現れれば自らの手で始末してやれば良い。俺達の未来のためにも、自分の身を捧げよう。


 「良いだろう。そのリスクとやらも乗り越えてやるさ」

 〈……わかりました。では私に触れてください〉


 ウリエースは魔法石に触れた。『何か』が体を満たしていく……

 異変が起きたのはそこからだった。


 「ぬっ……!? ぐうううっ!!」


 身体中が、痛い。流れ込んできた『何か』が自らの体を侵食しようとしている。


 〈本当に……いいのですか?このままでは貴方は危ないかも知れません〉


 ウリエースは痛みに顔を顰めながらもふっ、と笑った。


 「こんなところで辞めるのなら最初からこんな選択などしていないさ。何があってもやってやる!」


 しばらくすると、身体の痛みが消えた。

 ようやく終わったのか。ちょっと何の魔法を使えるか試してみようか、と、手を前にかざしたウリエースはありえないものを見た。

 自分の腕が真っ黒だったのだ。いや、腕が真っ黒な何かに覆われていた。

 身体中を見てみる。やはり真っ黒だった。手足も伸びており、身長が高くなった様に思える。この姿は形だけを見るとまるで人間だった。


 「これは、一体どういうことだ!?」


 〈……恐らく、貴方は魔法への適性が高かったのでしょう。そのせいで、過剰な魔力を取り込んだ結果、余った分の魔力が外へ放出されたものだと思われます〉


 なるほど……多分、体の痛みは膨大な魔力が身体を侵食し、食い破ったことが原因の一つとも考えられるな。まあ、魔力という体に慣れていないものを無理やり注入したこともあるだろうが。

 ひとまず、そんなことはどうでも良い。これで力を手に入れることができた。




 ウリエースは得た強大な力を振るい、人間に制裁を加えた。

 元々森林だった所の建物を焼き払い、そこに自分の眷属を配置した。

 さらに、眷属がいつでも出入りできる異世界--俺は『ネクスト•ディメンション』と呼んでいる--を創り、それに準ずる『ネクスト•ディメンションゲート』も設置しておいた。

 その後も、次々と自然を破壊する人間共を裁き続けた。

 それからしばらくしたある日、彼らの住処である自然をほぼ取り戻そうとしていた時、なんと人間がウリエースに挑んだのだ。

 力を持たない矮小で愚弄な動物だ、そう思って勝負を受けた結果……

 ウリエースは負けた。

 どうして、どうしてだ!? 身体中から力が抜けていくのを感じながら俺は考える。答えは意外とすぐに知ることができた。


 「俺達は魔法石によって力を得ることができた。だから俺達は勝つことができたのだ!」


 魔法石……ウリエースに心当たりがないわけがなかった。

 どうして、魔法石は人間に力を与えた!? なぜ、人間共は俺をも超える力を手に入れたのだ!?


 「お前は……何者だ?」


 聞いても意味がないのに何故か自然と口から出てきた。


 「俺はただの鍛冶屋……いや、違うな、今は『エネミー』から世界を守る『戦士バトラー』だ」


 と、無慈悲にもその男はウリエースに剣を振り下ろした。

 世界を守るだと? ふざけるな。

 この瞬間だけ遅くなった世界の中でウリエースが心の中で叫ぶ。

 お前達人間共がこの世界を壊したのだろうが。俺はその壊れた世界を元通りにしようと、自分の姿さえ捨てて力を得、仲間達を救うため努力したのだ。

 今目の前にいる男がしているのは世界を守る正義のヒーローを演じたただの逆ギレだ。全くの悪行だ。これはあまりにも理不尽だ。

 ……いや、元々理不尽だったな、この世界は。おそらく、この結論に辿り着いている者は少なくないだろう。

 もし、この世に異世界があれば、そこに住む者もそう思っているに違いない。

 俺は産まれた頃からこの理不尽な世界に飲み込まれて死ぬ運命だったのか……

 ……いや、俺は諦めない。俺にとっての理不尽…人間を、俺達の平和を壊した人間を、俺は許さない。何度死のうと、必ず蘇っていつか人間共を滅ぼしてやる……

 そのために、俺は種を蒔いておいたのだ。

 いざとなった時自分が復活できるように、自分の四分の一の力を持った分身を用意しておき、自分の意思が『続く』という意味を込めて『ラスト』という名前をつけてあった。

 俺はそいつに「魔法を使う者が現れたら、その親と、できれば本人を殺し、魔法石を破壊する」という命令も組み込んであった。

 これでもう思い残すことはない。あとはラストに任せよう……

 ウリエースの意識はそこで途絶えた。




 ---「そして500年後、こうして俺は復活を果たした。俺はラストの四分の一の力を取り込むことで、完全に力を取り戻したのだ」


 そうか…ウリエースに、そんな過去が……

 何も言えない僕と同じように、剣達も押し黙っている。

 この話を聞くと、ウリエースも全くの悪人ではないことがわかる。

 自分達の住処を失っていくのに合わせて、仲間達もいくつか死んだだろう。罪もない生き物達の命を無惨に奪った人間達…そっちの方がよほど悪いように思える。

 それもそうだけど、ウリエースを倒したのは鍛冶屋って言っていたな…確か、魔法石はルミネオルを打ったのは数百年前と言っていた。

 その鍛冶屋が五百年前ウリエースを倒した人と同じなら…

 僕が考えに耽っている間もウリエースの話は続く。


 「だが何だ、今のこの有様は! お前達の仲間が今俺の眷属と戦っているであろうあの場所もかつては俺達の住処だったのだ。俺が復活するまでの長い間でこうなったのも、全て人間共の仕業だろう! 俺は人間共が許せない……お前達もだ! このまま全てを滅ぼしてやる! もうレベルなどどうでもいい! お前には死んでもらう!」


 なんか…今の話を聞いたのは失敗だったらしい。ウリエースは僕から一瞬で距離を取り、力を溜め始めた。どこからともなく地響きが起こる。


 〈な…何だ……?〉


 〈なんか…とても嫌な予感が…っ!〉


 いきなり、ウリエースの周りの地面から三本の光の柱が伸びた。『エネミー』達が光に吸い込まれ、呑み込まれていく。

 何が……何が起こっているんだ!?

 突如、眩しいほどの光の柱が砕け散る。その中から出てきたのは……

 3体の、ドラゴンだった。

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