第6話 美少女の正体。
少しの沈黙が流れた後、橘さんが口を開いた。
「あ、あなたはもしかして中山くん?」
彼女は僕に聞いてきた。名前を名乗った覚えがないので驚いた。
「あれれー?2人とも知り合いだったのかなー?♡」
部長さんがニヤニヤしながら聞いてきた。
ちょっとうっとしいと思った。
「いえ、オンラインでランクマしている時に橘さんみたいな強い人と対戦した事があったので、もしかしたらと思って。」
「そういえばみくちゃん最近家でも始めたって言ってたもんね! でもみくちゃんはなんで分かったの?名前まではわかんないでしょ?」
「いや、それが…」
何やら言いずらそうな表情をしている。
「印象的なプレイヤーでしたので、覚えてました。それにプレイヤーネームが…その…」
「nakayama yuuだったので…」
「ふっ… あははは! 新入生くん本名プレイヤーネームにしてるの! あはは!」
部長さんは腹を抱えながら笑った。本名でやる人あんまり居ないものなのか。
それにしてもこの人笑いすぎだろ…
「あはは、いやごめんね 本名でやる人聞いた事なくてつい笑」
まだ笑っている。やはりこの人は少し苦手だ。
「でもそっかそっか! 対戦した事あったんだね!やっぱり強いでしょ!うちのみくちゃん♡」
「はい。今までほとんど負け越した事はなかったので凄く悔しくて夜も眠れませんでした。」
「あはは!どんだけ悔しかったのよ!あはは!」
冗談で言ってないんだけどなぁ
「でもそれだけ悔しかったら入部するしかないねー?♡」
確かに悔しい。この部活に入れば橘さんともっと対戦できる。そしてあ̀い̀つ̀を超えれるかもしれない。
「みくちゃんはどう思う?♡」
「私は、入ってくれれば嬉しいです…」
橘さんは照れながら答えた。新入部員が増えるのが嬉しいのだろう。
「まぁ、僕も入る部活はどこでも良かったですし、ここの部活に興味があるので入部させて貰いたいです。」
「やったぁー! みくちゃん良かったね!♡」
部長さんは橘さんに抱きつきながら喜んでいた。
橘さんは照れながらも少し微笑んでいた。
「じゃあ改めて自己紹介するね!私は部長の西蓮 佳奈! やってるゲームは主にFPSだけど、格ゲーも同じくらいやってるかな!
2年生だから中山君の先輩になるね! かな先輩でいいよ♡」
「よろしくお願いします。西蓮先輩。」
(中々ガードが硬い子だなぁ…)
「じゃあみくちゃんも自己紹介して♡」
「あ、はい… えーっと この部活の副部長の
橘 未来です。私も2年生で、基本的に格闘ゲームをやってますけどたまに、かなちゃんに
誘われてFPSもやる事はあります… よろしくお願いします。」
(FPSもやってるのか…格ゲーだけじゃないのにあんなに強いのか…)
「じゃあ中山君も自己紹介して♡」
「あ、はい。新入生の中山 優です。小さい頃から格ゲーしかやってません。これからも
格ゲーしかやるつもりはありません。よろしくお願いします。」
「へー!じゃあ結構格ゲー歴長いんだ!
良かったねみくちゃん! やっとあ̀れ̀に出れるね!」
「そうですね…嬉しいです。」
2人は凄く喜んでいた。なにかに出れるらしいのだが興味があまりないので聞かなかった。
「じゃあこれからよろしくね! ここにある
機材とか本は好きに使っていいからね!」
「ありがとうございます。でもよく、こんなに揃えましたね。PCもモニターも結構スペック高いやつなのに。」
「まぁこの学校お金持ってるし、ちょっとしたコ̀ネ̀もあるからね♪ 気にせず使ってくれたまえよ中山君!」
「ありがとうございます。橘さんもよろしくお願いします。」
「…こちらこそ。」
橘さんは人付き合いが苦手っぽいな。
何はともあれ、これから家でも学校でも格ゲーが出来る。
正直結構嬉しい。学校生活は退屈だと思っていたけど楽しみが出来た。
(部活用のアケコン買わなきゃなぁ…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます