かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第107話 おっぱいの神様VSおっぱいの神様
第107話 おっぱいの神様VSおっぱいの神様
水着姿の無未ちゃんは、途中で黒い手から飛び降りて俺の側へ駆けて来る。
「うおお……」
走るとでっかいおっぱいがばるんばるん揺れる。
またしてもおっぱいの神様が降臨されるとは。
俺は両手を合わせて、神へ祈りを捧げた。
「す、素晴らしき神おっぱ……うぷっ」
走り寄って来た無未ちゃんは俺の頭を掴んで胸に抱く。
うほぉ……。
素肌のきょっぱいに抱かれる感触。
この柔らかみと温かさに包まれる安心感は男が感じる幸福の極致だと思う。
「うへへ……私はおっぱいの神様にすべてを捧げます」
頭の中はおっぱいでいっぱいで、今がどんな状況がすべて失念していた。
「小太郎おにいちゃんったら、わたしに内緒でこんなところへ来て……。仕事以外で私に黙って出掛けちゃダメだよ。わかった?」
「わかりましたおっぱいの神様……」
「ふふふ、よろしい。おっぱいの神様じゃないけどね」
ますます深く胸に抱かれて俺は骨抜きにされた。
「ちょっとなんであんたがここにいるのさっ!」
明らかに怒っているアカネちゃんの声が耳に響く。
「雪華ちゃんから聞いたの。動画の配信でここにいるって」
「あっそ。それよりもコタローを離しなさい。それとあんたは帰っていいから」
「いいけど小太郎おにいちゃんも連れてくから」
「ダメに決まってるでしょ。帰るのはあんただけ。というか、コタローに触らないで。あんたの悪臭がついちゃうでしょ」
「相変わらず生意気……っ。小太郎おにいちゃんはね、わたしの婚約者なの。勝手に連れ回さないでくれるかな? せめてわたしの許可をとりなさい。絶対に許可したりしないけどね」
「はあ? あんたの許可なんていらないし、婚約者とか笑うんだけど。もしかしてストーカー? だったらわたしのコタローに関わらないでくれる? きもいから」
「ストーカーはあなたでしょ? ほんと迷惑だから小太郎おにいちゃんとは金輪際、会わないでくれるかな? 護衛ならコタツ君だけで十分でしょ?」
「今はもう護衛なんてついでだから。わたしとコタローは愛し合ってるから一緒にいるの。あんたこそコタローには会わないでよ。てか早くコタローを離せってっ」
身体をグイとうしろへ引かれる。
「ちょっとっ! わたしの小太郎おにいちゃんに触らないでよっ!」
「あんたのじゃないしっ! 早く離してどっか行けってのっ!」
上半身と下半身をものすごくグイグイ引っ張られてる。
2人は大喧嘩をしているけれど、俺は巨乳の柔らかさと温かさと女の子の良い匂いで夢心地だ。もうこのまま死んでもいいくらい気持ちが良かった。
「コタローっ!」
「いたぁいっ!」
パァンという乾いた音とともに背中へ感じる鋭い痛み。
夢心地から一気に覚醒させられる。
「なにおとなしく抱かれてんのさっ! 早く離れなさいっ!」
「あ、あい。すいません……」
「ダメっ! 小太郎おにいちゃんはこのままわたしと一緒に帰るのっ! そうでしょっ? そうだって言うのっ!」
「そ、そうです。はいそうですおっぱいの神様」
これでもかというほど、おっぱいに頭を挟まれた俺の思考はもうぐにゃぐにゃで自分でもなにを考えてなにを言っているのかわからなかった。
「違うでしょっ! もうほんとおっぱいに弱いんだからっ! 胸に抱いてほしいならわたしがいくらでも抱いてあげるからそこを離れなさいっ!」
「ア、アカネちゃんのおっぱい……」
「もうわたしのおっぱいに抱かれてるから必要無いでしょっ! 今日はもうずっとこうやって抱いててあげるんだからっ!」
「こ、こんな幸福が今日ずっと……いたぁっ!」
背中をバシンバシン叩かれる。
「離れなさいってのっ!」
「わたしの小太郎おにいちゃんをバシバシ叩かないでよっ! この淫売小娘っ!」
「誰が淫売小娘だっ! この垂れ乳の年増女っ!」
「むきーっ! 垂れてなんかないわーっ!」
わわわ……。収拾がつかないくらいに喧嘩が大きくなっていく。
こ、これは早く止めないと……。
「ふ、2人ともとりあえず落ち着いてっ! まず落ち着こうっ! ねっ」
「コタローがはっきりしないからこういうことになるんでしょっ!」
それはそう。
ぐうの音も出ない正論であった。
「小太郎おにいちゃんは悪くないのっ。悪いのは小太郎おにいちゃんを惑わす悪い女のほうなんだからねっ」
「い、いやそんなこともないと思うけど……」
全面的に俺が悪い。
それはもう痛いほどにわかっていた。
「惑わしてるのはあんたでしょっ! このババアっ!」
「ああっ!? いいかげん消すぞこの小娘っ!」
「はっ、やってみたらっ? あんたなんかこれっぽっちも怖くないしっ!」
やばいやばい。
本格的に危険な空気が漂ってきた。
先ほどまで喚き合っていた2人が一転して黙る。
まさに一触即発。
さすがにもうおっぱいおっぱい言っていられる状況ではない。
2人を止めなければ。
名残惜しみつつ、俺は無未ちゃんのおっぱいから頭を離そうとする。……と、
「う、うわーっ!」
どこからか悲鳴が聞こえてきた。
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