かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第56話 おっぱいに抱かれたまま始まる口論
第56話 おっぱいに抱かれたまま始まる口論
絶句。
まさにコメ欄はそんな様子だった。
「我は白面の君を愛している。この配信という場を借りて宣言しておこう」
その宣言の直後、堰を切ったようにコメントが流れる。
めたどん:女王様の告白キター!
ぬまっきー:まじかー
セバス:あばばhfgdfgdgffdk
ペン:いやああああああああ
ランラン:女王様ファン壊れてて草
マンダ:そらそうなるわ
タイガー:草草
しんし:ぐうううう(血尿)
ナイトマン:漏らしてて草
adaman:ちょっと横になるわ
……もうどうしていいかわからない。
離れることもできず、俺はただそのまま無未ちゃんの巨乳に抱かれ続けた。
「白面の君は我にとって大切な殿方だ。だからこうして抱いている。貴様こそ、我の男に抱きつくな。汚らわしい」
その一言でコメントの流れがさらに加速する。
おやつ:うお、なんかカメラが白面さんに近いと思ってたけど抱きついてたんか
ぬまっきー:ア、アカツキちゃんが白面さんに抱きついて……いや抱きついてる のは中の人だから正確には違う? いかん混乱してきた
ナイトマン:俺のアカツキちゃんが……
ランラン:でも白面さんならしゃーない気もするわ
マンダ:アカツキちゃんも白面さんも好きだから複雑な気持ちや……
そらー:俺は応援するぜ(血涙)
タイガー:いや落ちそうだから白面さんにしがみついてただけだろ(正論)
「ちょっとなんてこと言うのっ! これ配信なんだから変なこと言わないでよっ! てか汚らわしいってなにっ!」
「言葉通りの意味だ。我の男に他の女の悪臭などつけられては迷惑だ」
「誰の匂いが悪臭だーっ! この加齢臭ババアっ!」
「なんだとこのクソガキっ!」
2人ともキャラを忘れてぎゃんぎゃん喚き合う。
マンダ:正妻戦争はじまた
そらー:どっちもがんばえー
しんし:もうそこの仮面男を殺せばいいんじゃないかな
タイガー:あーもうめちゃくちゃだよ
ナイトマン:うらやましいようでうらやましくもない状況
めたどん:強い男はやっぱりモテるんだなー
セバス:俺も今から修行するわ
コメ欄は盛り上がっているが、このままにしておくわけにもいかない。
2人を止めなければ。しかしなんと言って止めたらいいか……。
やめて! おじさんを取り合って喧嘩しないで! ……と、ふざけた感じで言えば場が和んで喧嘩をやめてくれるかな?
よしそれでいこう。
俺は息を吸い……むはっ! 周囲に漂う巨乳美女の香りに肺が満たされてたまらんっ! ……いや、それは我慢して喧嘩を止めないと。
「我は物心ついたときから白面の君とは仲睦まじいのだ。つい最近に白面の君と会った貴様とは仲良し度が違う」
ランラン:まさかの幼馴染
ぬまっきー:もともと知り合いだったんか
しんし:女王様と幼馴染になれるなんて前世にどんな善行を積んだんだよ……
「17年も会ってなかったくせに仲良しとか笑うんだけど。てか白面さんはあんたのことなんかほとんど忘れてたじゃん」
そらー:17年も会ってなかったのか
セバス:女王様と幼馴染になれて17年も会わないとか人生無駄にしてるわ
ペン:俺なら毎日拝謁して跪くのに
めたどん:それは幼馴染じゃなくて従者では?
「むきーっ! でも思い出してくれたしっ! お前なんか乳がでかいだけでおにいちゃんに好かれてるくせにっ!」
「さ、最初はそうだったかもだけど今は違うからっ! あんたこそ乳だけでコタ……は、白面さんと仲良くしてもらってるんじゃないのっ!」
ナイトマン:アカツキちゃんの中の人もおっぱい大きいのか
おやつ:新事実に驚愕(困惑)
タイガー:そういやダンジョンでアカツキちゃんらしき配信者を見かけた人が小 柄だったとかおっぱい大きいとか言ってるのネットで見たわ。あれマ ジだったんだな
ペン:おにいちゃんってことは兄妹? これはセーフか?
マンダ:なら愛してるとか大切な殿方とか言わんし、17年も会ってないとか忘 れてたとかにならんだろ
ペン:なんでそんなこと言うの?(泣)
セバス:おにいちゃんって……女王様は妹キャラであらせられたか
adaman:女王様ってこんなにかわいい感じの人だったんだ
ぬまっきー:白面さんは女王様より年上なんか
ヒートアップした2人はどんどん言わなくていいことを暴露していく。
このままではいずれ俺の名前が出てしまう。早く止めなければ。
慌てた俺が2人を止めようとしたとき、
イグナス:前方に誰か倒れてない?
「えっ?」
そのコメントを目にした俺は、
「ちょ、ちょっと止まってっ! 無未ちゃんこれ止めてっ!」
「えっ? あ、うんっ!」
黒い手が急ブレーキをかけたように止まる。
グランと大きく揺れるも、俺は無未ちゃんに抱かれ、アカネちゃんは俺にしっかり抱きついていたので誰かが落っこちることなく無事に停止した。
「なに? どうしたの? あっ」
前方に目をやったアカネちゃんが声を上げる。
俺たちが乗る黒い手の進行方向には、人が倒れていた。
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