かつて異世界で最強の魔王をやってた平社員のおっさん ダンジョンで助けた巨乳女子高生VTuberの護衛をすることになったけど、今の俺はクソザコなんで期待しないでね
第40話 大きくなりたいと思えば大きくなる
第40話 大きくなりたいと思えば大きくなる
無未と一緒に繁華街を歩く。
腕を巨乳の谷間に捕らえられた俺は、夢心地でぼんやりである。
「うわ、すっげー美人」
「なになにグラビアアイドルさん?」
すれ違う人がこっちを見ながらそんなことを言ってくる。
無未は美人だ。あとおっぱいが大きい(重要)。
小さいころからかわいい子だったけど、まさかここまで綺麗になるなんて……。
「一緒にいるのは冴えないおっさんだな」
「なんであんなダサいおっさんがあんなすげー美人と付き合えるんだよ」
「美女とおっさん」
「パパ活」
「なんらかの犯罪」
一緒に歩いている俺はひどい言われようである。
「な、無未ちゃん、こんなにくっついて歩いてたらその……こ、恋人同士だと思われちゃうよ?」
「わたしと恋人同士に見られたら……いや?」
「えっ? その、お、俺は構わないけど、無未ちゃんはほら、すごい美人だし、俺みたいな普通のおっさんなんかと恋人同士だと思われた嫌かなって」
「そんなことないよ」
無未はますます俺の腕を強く胸に抱く。
「おほぉぉ……」
腕が2つの柔らかいお乳様に埋め込まれていく。
俺は冴えない普通のサラリーマンだが、この瞬間だけは世界で一番に幸福な男なんじゃないかと思う。
「わたしずっと小太郎おにいちゃんに会いたかったんだよ?」
「そ、そうなの?」
「うん。小太郎おにいちゃんはきっとダンジョンで行方不明になったんじゃないかなって思ってたんだけど……」
「う、うん」
俺が生まれた世界にはダンジョンなどなかったから、少年だった俺がダンジョンで行方不明になったなどと聞くと不思議な気持ちになる。
「だからわたし小学生のころからダンジョンに潜ってたの」
「しょ、小学生のときから?」
俺の記憶にある無未は普通の女の子で戦いなんてできる感じではなかったが、ダンジョンのある世界ではなにか違ったのだろうか?
「うん。亡くなったおじいちゃんが探索者だったから、なにか装備とか残ってないかなと思っておじいちゃんちの蔵を探したらスキル付きの装備が出てきて、それで子供のころはなんとか戦えてたの」
「そうなんだ」
「うん。それで、ダンジョンで行方不明になった小太郎おにいちゃんを助けようと思ってたんだけど……本当は違うの」
「違うって……?」
「ダンジョンで危ない目に遭っていたら、小太郎おにいちゃんが助けに来てくれるんじゃないかなって、そんな気がしてダンジョンに潜ってたの」
「そ、それは……」
「わかってる。ダンジョンで行方不明になったかどうかもわからないのに、小太郎おにいちゃんが来てくれるわけないって。けど、小太郎おにいちゃんはわたしの王子様だから、いつか、もしかしたらって……」
王子様。
そんな風に思われていたとは、なんともむず痒い気持ちだ。
「だからこのあいだ小太郎おにいちゃんが助けに来てくれて本当に嬉しかったの。わたしの王子様が助けに来てくれたって」
「た、たまたまだよ。たまたまあの場に通りかかって無未ちゃんを助けることができただけで、王子様だなんて俺はそんな大層な存在じゃないって」
「そうだね。小太郎おにいちゃんは王子様じゃなくて魔王様だもんね」
「はは……元ね」
「ふふ、それじゃあ魔王様、行きましょうか」
グイと腕を引かれて繁華街を進む。
それからいくつか服屋を回り、気に入った服があったようで無未がそれを持って試着室に入ったので俺は出てくるのを待っていた。
俺はスマホをタップして、アカネの番号を見つめる。
謝って仲直りをしたいけど、電話には出てくれない。何度も電話をかけるのもストーカーみたいで気が引けた。
こうして無未と一緒にいるあいだもアカネのことが頭から離れない。
常にアカネのことが頭のどこかにあった。
やがて試着室のカーテンが開き、
「ど、どうかな?」
中から出てきた無未が恥ずかしそうに聞いてくる。
「い、良い……」
服のことはぜんぜんわからないが、無未によく似合っていると思う。
特に巨乳の谷間が強調されているのが素晴らしい。
「もー小太郎おにいちゃんたらわたしの胸ばっか見てる」
「そ、そんなことないよっ」
胸を見ながら俺は言う。
「小太郎おにいちゃん、本当におっぱい好きだね。昔から」
「む、昔からって……」
「わたしと遊んでるときも、おっぱいの大きい女の人が近くを通るとそっちをじーっと眺めてたもんね」
「そう……だったかな?」
あんまり覚えてないけどそうだったのだろう。
中学生くらいの俺など、おっぱいのことだけ考えて生きてた気がする。
しかしそんなスケベ中坊であった俺も今は大人だ。おっぱいのことだけでなく、人生のことや仕事とか社会情勢なんかを……。
「小太郎おにいちゃん」
「えっ? うふぁあっ!?」
不意に腕を引かれて試着室へ連れ込まれた俺は、無未にぎゅっと抱きつかれる。
柔らかな大きな双乳をこれでもかというほど身体に押し付けられ、頭の中までおっぱいの感触に埋め尽くされてしまう。
人生とはおっぱいであり、仕事よりおっぱいであり、社会情勢とかよくわからないけど、たぶんおっぱいだ。
あの頃おっぱいのことばかり考えていたスケベ中坊だった俺、今もおっぱいのことばかり考えているスケベ中年だったようです。
「な、無未ちゃん……うふぁ……こ、これその……」
「わたしすごく嫉妬したんだよ。小太郎おにいちゃんが他の女の人を見てたから」
「そ、そうだったの?」
「うん。だからおっぱい大きくなりたいって思ったの。おっぱいが大きくなれば、小太郎おにいちゃんはわたしだけを見てくれるからって」
おっぱいって大きくなりたいって思えば大きくなるのか? 人体ってすごい。おっぱいってすごい。
「ねえ……小太郎おにいちゃん」
潤んだ瞳がじっと俺を見上げる。
「今のわたしなら、ずっと見ていてくれるかな?」
「そ、それって……」
まさか無未ちゃんは俺のこと……。
なんと答えるべきか?
迷う俺の耳にこちらへ近づく足音が聞こえる。
「コタロー」
「えっ?」
声のしたほうへ目をやると、そこにはアカネちゃんが立っていた。
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