第6話 マナト side 出会い
彼女との出会いは大学生の頃、友人達と来た旅行先だった。
その日は1日、各々別行動を取っていた。俺は前日来ていたテーマパークの入口付近にあるお店をゆっくり見たくてブラブラしていた。
お腹も空いたしどこかの駅で合流するか確認しようと携帯を取り出すと本体が熱くなっていた。
どうしたのかと思ったら地図アプリが起動したままになっていてバッテリーが残り1%だった。
え!ケータイ使えないと困るんだけど!
と、思った途端に画面がブラックアウトした。
あー。充電器買うかー。
コンビニへ向かって使い捨ての充電器を買う為にレジに並んだ。
財布を用意しておこうと鞄の中をさぐるが手に財布が当たらない。
充電器を元の場所に戻して店の隅に寄った。
鞄の中を探しまくったがどう探してもない、ポケットにも入ってない。携帯電話の充電も出来ない。友達に連絡も取れない電車も乗れない。
詰んだ
コンビニの店員さんに事情を話してみたけど、「ご事情はお察ししますが…お客様の携帯電話を預かって充電する事は出来ないです。すみません」と申し訳なさそうに断られた。
「分かりました。大丈夫です。ムリを言いました。」と言いながらうなだれた。
「あの。お困りですか?」
と声を掛けられた。
振り返ると、青いチューブトップに黒いミニスカート、腰に白いパーカーを巻き、肩と右脚太ももにホルスターをした超絶美少女が首を傾げて心配そうにこちらを見ている。
ジ◯だ。バイオ○ザードの◯ルだよね。
俺は旅行に来いて携帯の充電がなくなって充電器を買おうとしたら財布がなかった事を話すと
「ありゃー。それは大変でしたね。」
相槌を打つ声も存在も全部が優しくて泣きそうになった。
儚げで清楚な佇まいに(巨乳だが)
困った顔で俺の話しを聞いていた彼女だったが、急にその大きな胸を張って
「もう大丈夫だ少年‼︎私が来た‼︎」
とドヤ顔で言った後、上目遣いでくすくすと笑った。
キャラが大渋滞だ。
また小声で
「何故ならぁ…私が来た‼︎」と言ってクスっと笑った。
え…めちゃくちゃ可愛いんだけど…。
「ありがとう…。オールマイ○」
蚊の鳴く様な声でお礼を言った。
何故か分からないんだけど、安心したのか目頭が熱くなって目に水の膜が張った。
顔が真っ赤になっていくのが分かった。
さっきまで不安で泣きそうだったのにぽやぽやして胸がいっぱいだった。
充電も財布もなくてよかったと思った。
心配そうな顔も笑顔も声も性格も可愛い!胸が大きい。ウエストが細い。
スカートから伸びる太ももは少しむちっとしてて…最高。神が創り上げた理想の体型だ。
欲しい。
「ここじゃなんですし、とりあえず出ましょう。満タンのモバイルバッテリーも持ってますよ!」
彼女の後に着いてコンビニを出た。ふわっと彼女の匂いがした。
とんでもなくいい匂い
「あの〜お腹は空いていませんか?
もし良ければ一緒にご飯食べに行きませんか?」
「ありがとうございます。実は凄くお腹空いてます。僕は須藤真人と言います」
「私は楠木です。…んー…ちょっと待って下さいね?えーっと何階だったかな?」
と言ってレストランをMAPで探しだした。
え!嫌だ!下の名前も教えて欲しい全部知りたい!携帯番号も生年月日も住所も教えて欲しい!
「下の名前はジルさんですか?なんとお礼を言ったらいいんだろう」
「ふふふ下の名前は
はっ?シアン…名前も可愛い
シアンシアンシアンシアンシアンシアンシアンシアン…
「…あー。そうなんですね。いやでも、1品1品のお値段が…」
「大丈夫ですよ!お姉さんは社会人ですから!どーんと奢られて下さい!」
こんな絵に描いたような美少女巨乳ロリが社会人?まさか合法だと…。
色んな話しをした。
信じられないくらい楽しい。
人と話すのは苦手なのに。
結構前から携帯の充電が100%になっていたがもっとずっと一緒に居たいと思って黙っていた。
連絡先を交換したい!ずっと繋がっていたい。付き合いたい。結婚したい!でも断られるかな。
そうだ!お礼をしたいって言って連絡先を交換しよう!
「あの!旅行から帰ったら楠木さんにお礼がしたいので連絡先教えて下さい!」
「いやいやホント気にしないで?」
嫌だっ…断らないで!
「それに楠木さんと連絡先交換したいです!」
「ん?ホント大丈夫だよ?困った時はお互い様なんだって少年!ね!だから大丈夫」
少年って…あー。ダメだ俺が眼中になさすぎるんだ!
もっと魅力的にならなきゃだ!
自分を磨かないと!
よし!絶対ふり向かせてみせる!
ねぇお願い2年待ってて…
あなたの隣に立てるように頑張るから
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます