第5話 店内で召し上がられますか?いえ。お持ち帰りで
えー…どーしよ。
んーーーーーーーーーー。
…しゃーない。寝落ちした私が悪いし連れて帰るか。
サラサラのマナトくんの髪に手を差し込んで少し頭を撫でさせて頂いた。
「マナトくんちょっとお会計してくるから、いい子にしててね?」
「すみませぇんお会計お願いしまーす」
お会計が終わって、お店の人に1階のコンビニで買いたい物があるので少しだけ連れをお願いします。と伝える。
「マナトくん少しだけ待っててね!すぐに戻って来るからね!知らない人に付いてっちゃダメだからね!」
「ん…。」
ん。。だって。ちょっとぉー!可愛いが過ぎるっ!
男性用のボクサーパンツ、靴下と黒いTシャツ、肌着と歯磨きセットを買って急いで居酒屋さんに戻った。
「ただいま戻りましたぁ!店員さんありがとうございました!」
愛想の良い店員さんが、いえいえ〜と会釈してくれる。
笑顔も愛想も良い人だなぁ〜心が浄化される〜。ん?マナトくん体勢が変わってる。ぷぷ可愛いなぁもぉ。
「マナトくんお待たせぇ。オウチ帰ろー?ちょっとだけ頑張って起きて歩いてぇ〜」
「………うーーー、、ん」
片膝をマナトくんの椅子に乗り上げ脇の下から手を入れて立たせようとした。
「ほら大丈夫!私が支えるからね!
せーの!…んーーーー、んーーーー、、
ぐへぇ。おっも。。人ってこんなに重いの?ムリか…諦める…?いや。。でもな。。」
何か良い案を考えようと身体を離した時だった。
「シア…ンどこ行くの?…行かないで?」
「わっ!」
マナトくんは放って帰られると思ったのか、私の腰を引き寄せて抱きついて来た。顔は丁度胸の所でイヤイヤしてる。
膝を椅子に乗り上げたままだったので、とんでもない密着度だ。
わわわわわわわわわ!これは恥ずかしいよぉ!店員さんに見られたら憤死する!出禁になる!あんな良い人に怒られたり嫌われたくない!早く解放してもらわないと!
「あー大丈夫だよ。置いてかないよ?一緒に行こう?ね?今日は私のオウチに一緒に帰ろうね?」
背中をポンポンしたり、頭を撫でたり腕や肩をさすって落ち着かせる。(撫で回すとも言う)
わー。髪の毛サラサラぁ。ってか、意外と背中にもしっかり筋肉様が。
「ん。。ずーっと一緒?」
とろんとした目で見上げ、こてんと首をかしげてくる。
ちゅドーン
庇護欲が爆撃された
マジシコい
ちんちんないけどシコい
シコティッシュの山が出来上がった
「そそそそーだよずーっと一緒だよ?だからちょっとだけ頑張って歩ける?」
思わず額にチュっと口付けた。
マナトが照れくさそうに目を泳がせる。
ティッシュがなくなるのでマジでやめて欲しい。
「ん。歩く。ずーっと一緒だったら頑張って歩く。」
可愛いなぁ。。よしよし。帰ってシャワー浴びて煩悩を洗い流したい。青年よ頑張って歩いてくれ。
ふあ〜ん。。マナトくんめっちゃいい匂いがする。世界一いい匂い。なんの香水使ってるんだろ。今のうちいっぱいスンスンしとこー。
はわわわわぁ。幸せぇ〜。
マナトくんに肩を貸しながらなんとか立ち上がらせて、出口付近で愛想の良い店員さんに心配されながら店を出て歩き出した。
店員さんにさっきの見られてなくて良かったぁ。
夜の風が冷たい。
また一緒に今日の居酒屋さんにも行けたらなぁ。どこかにお出掛けもしたいなぁとマナトくんを見上げた。
「風が冷たいねシアン寒くない?」と言ってフワッと抱きしめられた。
「ままままままままビックリした!だ大丈夫!マナトくんがあったかいから平気!寒い時は言うから暖めてね?さぁ行こう?ね?オウチまで後もう少しだよ?頑張って!」
ドキドキし過ぎてちょっと噛んだ。ビックリして酔いが覚めてきた。
こんな事、誰にでもしてるんだろーか。
…ヤダな。そう言えば、酔っ払ってからは甘えたさんになったなぁ。
おい!勘違いするじゃないか!コノヤロー!イケメンめ!はぁ。。ホント何やってもカッコイイし可愛いなぁ。。彼女いるんだろーなぁ。怖くて聞けなかったや。
さっきも…行かないで?だって!さっきは出禁回避で必死だったからスルーしたけど、聞き取れないフリして何回も言ってもらえば良かった。ちぇーっ。録音も出来なかったし勿体なかったな
「俺の…い…あたため…」
なんかボソボソ言ってんなー。酔っ払っちゃってからに。可愛いヤツめ。
ようやくマンションにたどり着いた。
「マナトくん鍵出すからちょっとだけココにもたれかかってて1人で立ってられる?」
「…ん。」
「そーそー上手だねー」
急いで鍵を取り出してオートロックを解除する。
「お待たせー。ほらおいで?歩ける?マナトんぷっ…!」
と、マナトくんに手を伸ばすとキュッと抱きしめられた。
「シアン寂しかったー。1人ヤダ。」
きょえ〜!めっちゃ可愛いやないか!ヤバイ!…心臓がキュンキュンして死にそう。おぉこれがキュン死か!
「そーだねぇ。ごめんごめん。ここ寒いから早くお部屋行こうね」
部屋に入って電気を付けたら、マナトくんをソファに座らせてお水を用意する。
「お水飲んでゆっくりしててね?ささっとシャワーしてくるよ」
シャワーを浴びて適当に化粧水を塗った。
あ、化粧水もうほとんどない。あ、乳液はもうなくなったんだった。こないだ買ったの出さなきゃだ。新しい子達取り行こ。
歯ブラシを口に突っ込んで、髪をしゃかしゃか乾かしながら
ぐわ!お客さん居たんだった!
真っ赤になって両手で顔を覆い隠すマナトくんがソファに居た。
「ぐうっ…ごごごごごごこめんなさーい!忘れてた!ちょっと待っててね」
「いえ…おかまいなく…」蚊の鳴くような小さい声だった。
バスタオルを巻き付けて更に頭からバスタオルをかぶる。
歯磨きを終わらせてリビングへ戻る。
「えっとえっと…。マナトくんシャワーする?それか、着替えだけして寝る?
お兄ちゃんが置いてった部屋着渡すからちょっと待ってて」
「…シャワー借りてもいいかな」
「うん下着とか歯ブラシはさっきコンビニで買って来たから良かったら使ってね。はいこれ…」
「いつの間に…ホントありがとう」
「どーいたしましてぇ…えへへへへ」
恥ずかしい…考え事してたらマナト君いるの頭から抜け落ちてた。サイアクだ。
痴女じゃないか。で、なに考えてたんだっけ。
あ。化粧水の移住だ。
「上着貸してー。ハンガーに掛けるよ」
「あ、うん。ありがとね。お願いします」
マナトくんがシャワーを浴び始めたのを見計らって化粧水と乳液を洗面台に置き、歯磨きの続きを済ませた。
喉が渇いたな
着替えは後回しにしてソファに座ってお水を飲んだ。ホッとしたら途端に酔いが復活した。
座っていられなくなってソファに横になった。
うわぁ〜〜〜天井がめっちゃまわるぅ…
ぎゃーーーーー!体がソファに沈み込むー。埋まるー!落ちるぅ!
ソファに掴まろうとするけど、上も下も分からなくなった。
しかし電気眩しいな。
そこで私の記憶は途絶えた。
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次回!ヒーロー目線!
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