第2話 脳内でふざけて他人に迷惑を掛ける事はないと思っていました。ええ猛省してます。
電車を降りた所で、メールが来た。
あ、平井さんだ
『お疲れ様です。
今日はありがとね。期限はまだ先だからとりあえず明日は大丈夫だよ。ゆっくり休んでね!
また来週乁( ˙ ω˙乁)』
そかそかっ。返信しておこう
『承知しました。
また来週( ຶཽ ˙̫̮ ຶཽ )✧︎』
ってか、期限まだ先やったんかーーーい!とは送らんでやろう。大人なんでなぁ!
階段に近付いた所で、発車を知らせるメロディが鳴った。立ち止まってスマホのアナログ時計を確認。
48秒遅れてますぞ。と
昔バスに乗っていた頃、何度となく苦汁を舐めさせられた経験から変な習慣で出発時刻を秒単位で確認して揚げ足を取る
バスめ。覚えていろ。お前は俺を怒らせた。
脳内でふざけながらよそ見をしていたら階段を駆け上がって来たスーツの人の鞄が私の鞄とぶつかった。
鞄が手から滑り落ちた拍子に中身をぶちまけた。
「わっ!!すみません!!大丈夫ですか!」
「あ、いえ!こちらこそ!大丈夫です!電車乗って下さい!」
派手にぶちまけたお菓子達や細々した物を拾おうとしゃがみ込むと、一緒に拾い集めてくれていた。
えーーーーめっちゃいい人ぉ!
恥ずかしいホント…。
今日に限ってお菓子めっちゃ入ってるしホントすみません‼︎すみません‼︎すみません‼︎すみません‼︎どんだけお菓子食ってんだよ、だから太ってるんだよ!って思われてる絶対‼︎
「あの!大丈夫ですから!電車に乗っ…」
プシューーー。。。。ガタン、、ガタン、、ゴトン、、
あー;`;:゛;・(;゜;Д ゜;)アバババババ
この人は…私がボケーっと突っ立っていたせいで連休前日の最終電車に乗り遅れた…と。。
な、な、な、なんて事…。
「終電だったのにホントに…申し訳ないです…。」
「いえ俺こそぶつかってしまってすみませんでした。お怪我はないですか?」
「はい!大丈夫ですよ」
「よかったです」
ふっ。と笑った顔がカッコ良過ぎて大きく息を吸いながら高速でまばたきした。
えーーーー!
髪の毛サラサラだしカッコイイってかキレイな顔ぉ!ひゃー!まつ毛長ーい!顎ちっちゃーい!え?お人形?お人形なのかな?お肌白くてスベスベじゃーん!
はい平常心平常心。
うーん。何かお詫びがしたい(いや超絶イケメンと接点を持ちたい)けど迷惑かなぁ。
ここは聞いてみて拒否されたら引き下がろう。行けーーー!とちゅげき〜!
お菓子様やボールペン、ハンドクリーム、常備薬ケース等を受取った。立ち上がろうとすると手を差し出された。
(けーーーーーーーっ!)
裏返った手が口から出そうなくらい心臓がバクバクしてるけど、全身の神経を集中して裏返ってない方の手を彼の手にそっと乗せて立ち上がらせてもらった。
キラキラエフェクトが出ている。
なんだ王子様か
「ありがとうございます。あの…。つかぬ事をお伺いしますが、今からどうされるのですか?」
見上げる格好になる。
背高い。180…くらい?かな
「んー。そうですねぇ。お腹すきましたし、何か食べてから考えます。」
あっ!私もめっちゃお腹空いてる!
「それならお詫びにご馳走させて下さい!」
「え…いやぁ…。それは…」
ひゃー!きゃーきゃーきゃー!おぇ。。しくしく。。
やっぱり。。
そりゃそーだよね…こんな小太りに言われても嬉しくないよね…。恥ずかしい。
「あっ!そーですよね!ホントすみません!迷惑ですよね!何の罰ゲームだよって感じですね!気にしないで下さい!変な事言ってすみません!」
ぐふぅ…はは。ライフが0になったぜ。
「えっ⁉︎いやいや!違いますよ!迷惑とか罰ゲームだなんて思わないですよ!ただ、俺の不注意でぶつかって迷惑掛けたのにご馳走になるのはどうかなぁ。と思って躊躇しただけです!」
…気を遣わせたな。ごめんねイケメソ。帰りはタクシー代も渡そう。そんなに遠くじゃありませんよーに。
「迷惑じゃないならよかった!
それじゃあご飯食べに行きましょう!」
それに誠に残念ですが迷惑を掛けたのは私の方です。
「分かりました!あ、申し遅れました。須藤真人です。」
すどうまなと_φ(・_・
ん?すどうまなとさん…なんか覚えのある…?んー。気のせいか?な。
「あ、私は楠木詩杏です。よろしくお願いします。どんなのが食べたいですか?居酒屋さんとかなら開いてると思いますが、どこか良いお店開いてますかねぇ」
「…クスノキ シアン。あなたにぴったりの可愛らしいお名前ですね!」とニコニコしながら言い放った。
なんだジゴロか
イケメンはさーっと私の足元周辺を見渡して「行きましょうか」と言って階段に向かい2段程降りた所で振り返りながら「足元気を付けて下さいね」と、言ってふわりと微笑んだ。
わぁ。この人凄いなぁ。拾い忘れがないか確認して階段でズッコケないように気遣ってくれたんだ…。
気配り星から来たんだな。
先の全力疾走が原因のガクガクする足で、イケメンに促されながらズッコケないように全集中の呼吸で階段を降りた。
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