5話:蛇

どれくらい歩いたんだろう。一本道だから迷うことはないけど、かれこれ20分は歩いてる気がする、、、。


「もうこれが試練なんじゃねーの、、、」

そうだったら良いな〜なんて思いつつ顔を上げると、目の前に大きな門が見えた。ついさっきまではなかったはずなのに。

不思議に思いながらも、目的地が近いことを知って、少しだけ元気が出る。


どんどん近づくと、門の右手に誰かがもたれかかっているのが見える。

あれが試練の案内人なんだろうか。


「や!僕が嫉妬の案内人の蛇です〜!」

到着するなり、爽やかにそう声をかけられる。

「あ、え、、、どうも」

蛇と名乗るその人?は、180cmくらいの爽やかイケメンだった。

黒くて長いウェーブのかかった髪の毛と、蛇の模様みたいな頬が目立つ。足の間からは、深緑色の細い尻尾がチラついて、蛇らしさが出ている。


「颯人くんだね〜聞いてるよ」

歩きながら説明しようか、と付け足して、蛇は歩き出した。

先ほどとは打って変わって遊園地のような景色に目を奪われつつも、蛇が試練について話だす。


「君の試練はね、僕の嫉妬を解決することだよ」

「、、、はい?」

「鍵を得るには2つ。1つ、僕がなにに嫉妬しているのか当てること。2つ、どうしたら嫉妬せずに済むのか、解決案を出すこと」

その2つがわかったら、僕に教えにきて。

そう言って、蛇がにこりと笑う。


「いや、え、、、全然意味がわからないんだけど、、」

「鍵を得るには〜」

「それはいい!言葉はわかるよ!」言っている意味がわからないだけで。

「ん〜難しいよね。でも嫉妬って人によってそれぞれじゃん。他人から見たら嫉妬するほどでもないのに、本人は気にしてたりさ。」

それで困ったことになったり。


ちらりと俺を見て、蛇がそう言う。

「試練はね、君の写しなんだよ。君が抱えている深い問題と、試練が強く結びついてる。だから僕が案内人なんだよ」

「どういうこと、、?」

「僕はね、蛇。嫉妬を司る案内人だよ。君の問題は嫉妬からきてるでしょ」

そうだよね?と言いたげに顔を覗き込む。


思わず固まってしまった俺を見て、申し訳なさそうな顔をして、蛇はどこかへ消えてしまった。

答えが見つかったら呼んでよ。

そんな言葉を残して。

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