第6話 まだちょっと続くよ説明回 文章書くのは難しい
なにも考えずに所持金全部使ってケーキをお代わりしたせいで素寒貧になっちゃったけれども、中央公園から見えたビルに到着した。
周囲の建物と比べて頭一つ高い六階建てのビル。一階から三階はデパートになっており、
そんなNPC達をしり目に店内奥の
「ええ……こわ」
おそらく階段で向かった方が早く着いたのでは?と思えるほどの時間を使い、無事受付のあるエントランスに到着した。
エントランスにはプレイヤーやNPCを含めていろいろな人がいる。偏屈を絵に描いたような職人のようなおじさんやら、山のように重なった書類を目にクマをこさえて処理する身なりのいい青年。頭にバケツ兜を被って上裸でジャンプしている集団。
他にもいろいろといる通路を直進して、肩に公営組合の章を刺繍した制服を着た女性が笑顔で座っている受付に向かう。
「こちら公営組合総合受付です。本日はどのようなご用件でお越しです……か?」
眼鏡を付けた真面目そうな男性がこちらをみて不思議そうな顔をした。
「あーえっと、
》へのこの国の説明をするための場所ですよ。昇降機にのって間違えてきてしまったのかな?」
少し困った顔で先ほど私が乗ってきた昇降機へ促す受付の男性。
「あら、ここのギルド員は人を見た目で判断するのかしら?私、これでもあなたたちの言う旅人なのですけれど」
今回はちょっとうまく令嬢RPできたのではなかろうか。
男性は意外そうな顔を一瞬してから、納得するように頷いた。
「これは失礼いたしました、お嬢さん。キミたち旅人が言うところのチュートリアルというのを受けに来たということでよろしいかな?」
「ええ!そのチュートリアルを受けに来たの。それで、どちらの部屋に向かえばいいのかしら?」
「それでしたら、あちらの十番の扉の奥へお進みください。奥に
紅茶ちょっと気になる……。
十番の扉を潜ると、幾本もの管の繋がったマネキンを思わせる細身の球体関節が艶めかしい真鍮製の金属人形が立っていた。
「これが、チュートリアル用の自律人形ね。話しかければ動くのかs『ようこソおいでクダサイました旅人。ワタクシは、旅人用チュートリアル人形NO.10‐CBデス。』急に起動しないで!びっくりしたじゃない!」
貴族もびっくりのカーテシー——服は着てないけど、を披露する金属マネキン。まるで本物の人間のように滑らかな関節の稼働具合。年季を感じる摩耗加減が球の部分にみえるのに、あと数百年は余裕で動きそうな雰囲気さえ漂い、本当に人が作ったのかという疑問が沸き起こるほどに、どこか神秘さを携えたそれ。とてもいい。
「まあいいわ。チュートリアルを始めてちょうだいな」
『招致したしまシタ。本機体が行うのは、この国の成り立ちと、身分証となる
かなりの長い話がマネキンから発音されていく。体感で五分くらい。最初の二分で飽きてしまい、途中から話半分でしか聞いてなかった。これよくプレイヤー耐えられたなって思う。運動会の来賓の言葉よりはまだ有意義だけど。
どうやらこの国は百数年前にチャールズとかいうえらい方が石炭となんかいい感じに結合するエーテルとかいうのを発見し急速に蒸気機関が発展した世界という事らしい。
で、打刻板は国民に与えられる身分証で、エーテルと金属が合わさった特別製のB8サイズの板で、NPC用のフレーバーアイテム的なモノらしい。
『さて最後にクラスの説明ですが、こちらは各工房や武術ギルドなどに登録することで得られる職業となります。これら以外に、貴族に従事することで得られるクラスなども存在します』
「へえ、このゲーム特有のクラスはあるのかしら?」
『はい。この国特有のクラスには、エーテル
聞けば6色あるエーテル
赤専用のガジェットには火炎放射器を思わせるモノや、ランタンの光を何倍も明るくできるようになったりが出来、それ以外の色もいろいろ応用が利くらしい。
話を聞いていくと黒色の炭術が妨害に特化した性質のようで、興味を持ってどこで習得できるか聞いてみれば、『それはご自分でお探しを』と言われてしまった。ゲームだものね、探すのも醍醐味だよねそりゃ。ただ、ヒントはくれるらしくそれを教えてくれる場所は公営組合に所属していない個人工房ということだけは答えてくれた。
観光も兼ねてちょっと探してみますかね。
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