第21話 パーティー会場

〜帝都・宮殿・中層大広間〜


「...さて、まず私から話そう」



そう切り出したのはハニーマルト公爵。この三人の中で一番ガタイがよく、威圧感が凄い。



「要件は3つ、技術の譲渡と軍の配備と兵器についてだ。技術はこちらの受け入れ準備は完了しているからそちら待ちだ」


「こちらも受け渡しの準備は完了しておりますので明日にでも受け渡しは可能です」



これは簡単ね、こっちはただ物の受け渡しをすればいいだけだもの。



「そうか、では明日人と輸送艦を送ろう。次に軍の配備だが、そちらの領都星系に常時4艦隊を滞在させ、基地の建設をしようと考えている」


「常時4艦隊に基地ですか...基地というのは軍事ステーションということでよろしいですか?」



多くない?ヒビキ調べでは大体領都星系に1、2艦隊で偶に軍事ステーションがあるくらいなんだけど?そこでも多くて3艦隊よ?



「ああ、そちらの銀河の総司令部にしようと考えている。もちろん建設費や実際の建設は軍で受け持とう」


「承知いたしました」



なるほどねー銀河が違うから総司令部作りたかったのか。それなら4艦隊も理解できる。なんならもっといてもおかしくないわね。



「よし、それで最後に兵器についてなんだが、子爵殿の持つ船や兵器はとても高性能だと聞いている。良ければ売ってはくれないかね」


「申し訳ございませんが我が家の船や兵器をお売りすることはできません」



これは無理ねー船は私の眷属(機械生命体)が1人でコントロールすることを前提に作ったものだし、兵器も相当人を選ぶことになりそう。エネルギー消費量もとんでもないから帝国での運用は難しそう。



「なぜだ?言い値で買おう」


「我が家の船や兵器はコストが高く扱いも難しいので軍には向かないかと存じます」



嘘は言ってない。今の所大量生産にはあんまり向かないし、魔力があること前提に作ってあるから扱いが難しいのよね。だから機械生命体を作って使ってるのだけど。あとそもそも船は複数人での運用を想定してないし兵器はコアを使っていないものもあるけど今のロットは魔力が前提になってるからね。



「どうしてもか?」


「はい、どうしてもお売りすることはできません」


「なら共同開発ならどうだ?」


「申し訳ございませんがそちらもお断りさせていただきたく...」



食い下がるなぁーそんなに家の船や兵器の技術が欲しいの?

まぁそのへんは頑張って研究してくれたまえ。解析できるのかは知らないけどね。多分無理そうだけども。



「公爵閣下。代わりにと言ってはなんですが、我が家の広域探査装置を軍に差し上げます」


「広域探査装置か、範囲と正確さはどのくらいなのだ?」


「範囲は銀河全域はカバーできると思われます。正確さはそこまでではありますが大体どこにどの惑星・恒星・小惑星があることや宙域のエネルギー量を測ることが可能です」


「なにっ!?」



ハニーマルト公爵が驚いた少し大きな声を上げた。


これなら上げても良さそうで役立ちそうなやつを選んだのだけど3人とも驚いてるのはなんで?でも表情ほぼ変わってないのは凄いわね。いや、必須スキルかしら?


最初は信じられてなかったけどハーバル銀河のそれでスキャンしたマップを表示させたら信じてくれた。


そのあとにハニーマルト公爵が話してくれた。今の所広域探査装置では範囲が銀河全域だとしても大まかな惑星と恒星の位置しかわからないのが普通らしい。


そんなところに私が惑星・恒星・小惑星に宙域のエネルギー量とかまで調べられるって言ってるからねーそりゃ驚くわ。



「今後ともよろしく頼むぞ子爵殿」


「はい、よろしくお願いいたしますわ公爵閣下」



「次は私かね、まぁ私が言いたいのはこれから親しくしていこうということだけなのだがね。ああそうだ、これを渡しておくよ、是非とも参加してくれると嬉しい」



そういって渡されたのはグレーベルト侯爵家の印が入った1枚の手紙。


多分パーティーの招待状か何かかな?



「ありがとうございます、これからよろしくお願いいたしますわ」



その手紙を魔法でしまい、また少し驚かれたところで、えーっと...ラン...ランタール侯爵!が話し始めた。



「次は私か、子爵殿業務提携をしないか?」



業務提携...色々支援するから色々と優先しろってことでいいよね?これ。まぁここで縁を作っておいたほうがいいかな?

...そもそも私会社持ってないわね。あとで総合商社でも作っておきましょう。



「是非お願いいたしますわ」


「それは良かった。詳細は後日詰めるとしよう」



このあとしばらく雑談をしたりして公爵達が周りにいてくれたおかげで変なのに絡まれずにパーティーを過ごしていた。



「うまく打ち解けれたようでなによりだ」



わー皇帝陛下の乱入だー



「子爵殿とは皆有意義な話しができました。皇帝陛下のご配慮感謝いたします」


「うむ。そういえば子爵、銀河間ワープゲートはいつ頃開けるのかね?」



それここで聞くの?まぁいいか、最短4日くらいで設置調整は終わるだろうけど諸々を考えて1週間くらいあればいいか。



「はい、1週間ほど頂ければ開通可能であります」



公爵らは表情は全く変わらないが、ほんの少し動揺したような感じを感じる。


ま、そうよねー銀河間ワープゲートなんてこんな軽くできるようなものじゃ普通ないからね。まぁそれができるのが家なんですけど。



「結構短いのだな」



皇帝が聞いてくる。


動揺はほぼ無いみたい。伝えてないはずなんだけど?



「今回天空城がこちらに来るタイミングで設置開通させる予定でおりましたのでこちらの準備は整っております」



まぁいいや、想定されてたってことでしょ。多分ね。


あと設置する宙域確保は任せたわよ?私は伝も何もないしね。



「そうか、なら設置を始めてくれ。場所はあとで座標を送っておく」


「承知いたしました」



すでに準備していたようで。あとは設置して開通させるだけね、領都のゲートの準備は終わっているからこっちもさっさと作っちゃいましょうか。


そのあとは特に何もなくパーティーを終えることができた。あるとすれば宰相とかの何人かを紹介されたくらいかな?



◇◇◇◇◇


遅くなりました申し訳ない!

言い訳するとですね?暑くてぐったりしちゃうのと続きが上手いこと書けなくて止まってたといいますか...あはは...


ちなみにリアのご褒美は帝都での1日デートでした。存分に満喫したよう。


あ、あとルーが軍に渡した探査装置のスペックじゃ帝都からハーバル銀河の反対側の端っこまでは調べられません。範囲が足りない。

それと異空間の探知はできないのでワームゲート内とかはエネルギー反応が消失します。

エネルギー反応は船の特定はできません。ただこの辺りにこのくらいのエネルギーがあるよーってことを教えてくれるだけです。


読んでいただきありがとうございます!

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