第19話 皇帝とお話会


「ここは本来人工生命体は立ち入れない筈なんだが?」


ああ、そういうことね。なんでだろ?...高天原のせいじゃない?それかここのファンタジー方面の防御が手薄なせいじゃ?


「んーここのファンタジー方面の防御が手薄だからじゃないの?」

「ファンタジー方面の防御って手薄なのかここ?宮殿だぞ?」

「うん、驚くほど雑魚ね。この部屋は今私が結界を貼ってるから問題ないけど」



純科学で作られた宮殿だからかファンタジー方面の防御がほぼ出来ていないみたい。流石に不味い気がしたのでこの部屋は一時的に結界を貼ったけどね。


「そうか...」


皇帝はなにやら考え込んでいるようで、数分間部屋に沈黙が流れた。

宮殿の改造うちが請け負ってもいいけど手続きとかそれなりに大変そうだしすぐは無理ね。そもそも他の人たちの信用も足らないだろうしね。...いや、改造じゃなくて機械の売買ならできるかも?


「簡易的な結界発生装置でも売る?」

「どういった効果のものだ?」


やっぱり食いついてきたわね。まぁ今のままじゃ呪いとか魔力を使った攻撃やバフに対して物理的防御しかできないからね


「なんでもいいわよ?魔封じでも音遮断でも聖域化でも」

「んーどこまで効果がある?」

「それなりに高性能だと思ってくれていいわよ」

「そうか...なら、魔封じを城全体に、音遮断をいくつかの小部屋に、魔法防御を城全体にだとどんなもんだ?」


んーっとねぇ〜、概算なら1億くらいあればいいかな?


「そうねぇ、ざっと1億ってところかしら?」

「高っ、もうちょい安くならねぇか?」

「初期型ロットで生産数も殆ど無いのよ?難しいわねぇ」


まぁ別に安く売ってもいいんだけど、それはそれで安売りすることになっちゃうしね


「むう、なら何かあったときに1度助けに入ろう」


しばらく考え込んでいたと思えばそんな提案をしてきた。


「いいの?それ」

「大丈夫だ、1度くらいならなんとでもなる」


なら結構安心して良さそうね、どのくらい安くしてあげようかしら?


「んーじゃそれと5000万でどう?」

「よし、それで頼む。どのくらいで出来そうか?」

「早ければ数日で届けられるわよ」


物自体は既にあるのよねー、だからあとは範囲の調整とかするくらいなのよ。やろうと思えば今日にも納品できるけど流石にそれはやめたわ。


「ほう、結構早く届くんだな」


皇帝が少し驚いている。


「まぁ今回は運が良かったわね、時間かかるときは結構かかるわ」

「そりゃ良かった」

「あ、契約書の用意はよろしくね」


今は口約束状態だからね、万全にするためにも契約書は欲しいところ。


「ああ、それはわかっている。あとで用意させよう」


さて、紅茶を飲んで話題をリセットしよう。

あ、美味しいこの紅茶。どこの茶葉だろう?あとでヒビキに調達してもらおっと。


「話を変えるが、俺が調べた限りこの世界は乙女ゲームの世界だ。【スペースエンジェルルーベルト】って乙女ゲーは知ってるか?」


うっそでしょ?いや目が本気だ。まじかーそうかー


「まじで?乙女ゲーなんて殆どやったことなかったからわからないわ」

「同じく」

「わからないわね」

「わ、私もです」


こっち側みんな乙女ゲームやったことないのね、それもそうか、誰も興味なかったし。でも乙女ゲー世界かぁ...


「ターゲットは?」

「皇太子と第二皇子と侯爵家嫡男二人に公爵家嫡男一人、あとは伯爵家嫡男一人だな」

「6人もなのね...」

「まぁな、だが皇太子と侯爵家嫡男の一人は心配しなくていい。あっちも同郷だしゲームを知ってる」


それは大きな安心要素ね、これで6人から4人か。だとしても面倒よね...あれ、そういば私達は?


「私達はそのゲームにいたの?」

「いや、イレギュラーだ」


なるほどねーにしてもイレギュラーか、私達が来たことでどんな影響があるのかしらねぇ?


「と、言う訳で協力を頼みたいんだが」

「内容を詳しく聞いても?」


こういうのは内容を聞かないとなにもわからないからね〜


「そうだなぁ、簡単に言えば主人公の敵役その二をするか、主人公を見定めて更生させるかのどっちかじゃねぇかなぁ」

「いいわよ、まぁその代わり対価を求めるけどね」


これくらいなら受けても良さそうだし皇太子や皇帝陛下と直接パイプが出来るのはいいわね。てかこの世界転生者・転移者どのくらいいるのよ...


「受けてくれるか!助かるぜ。対価はしっかり用意させよう。何がいいとかあるか?」

「そうねぇ.. とりあえず今は貸しにしておいてもらえる?」


この貸しは結構高くつきそうだし、何に使うかは慎重に決めましょうか。


「快談中失礼いたします。そろそろ叙爵の儀の時間となりますのでご準備を」

「そうか、わかった。ではまた後でな」

「はい、それではまた」


後ろの護衛が話に割って入ったときにそろそろ終わりかと思って部屋の結界を解除した。そのあとすぐ準備のために皇帝陛下が退室した。私達もそれから少しした後に退室し、儀式の準備を始めた。


◇◇◇◇◇


遅くなりました...あつすぎてダウンしてました.......夏苦手....



Twitter

@rumina_haku



24,2,29修正

人口生命体→人工生命体

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る