第18話 帝都へ


〜シーロン星系・天空城・最上階〜


「ルー、準備完了だ。いつでも転移できるぞ」


叙爵とパーティーの日程が決まってから約半年、本番まであと1週間。今日は転移装置を使いルーベルト帝国首都シャータ星系にある帝都アークフィヨルドの周辺宙域に転移する。

ついでに大公殿下の探査艦隊もこれに便乗して帰還することになっており、向こうは既に天空城が転移できるだけの宙域を臨時侵入禁止宙域に設定してこちらを待っているとのこと。

んで、ちょうど今、リアムが報告してくれたようにすべての準備が整ってアクエリアスとしても初の超長距離転移が私の一声で始まろうとしている。


「じゃ、行きましょうか。転移装置起動。目標、帝都アークフィヨルド」


わくわくが抑えきれてない声で言う。

初めて行く場所ってわくわくするでしょ?


「転移命令受諾。転移開始」


ヒビキがその言葉を言い終わるとともに音も振動も無く結界の外側の景色が一変した。


〜帝都アークフィヨルド周辺宙域・天空城・最上階〜


「転移完了。マップを更新します」


人口建造物が一切無かった景色から一変、巨大なステーションや大量の軍民の船に都市惑星の帝都。

とっても楽しみね!


「ヒビキ、隠蔽結界を解除して他の結界に色を付けて。終わったら閣下の艦隊を外に出してあげてね」

「了解です。マスターお母様


衝突事故とか起きたら不味いからね。

探査艦隊を外に出し終わると、ステーションから連絡が来た。内容は入都のための審査を受けてほしいそう。了承し、第一艦隊の旗艦敷島に乗り換えて審査を受けてから大気圏突入をして帝都の空港に着陸した。

タラップを下ろし、船から降りる。そしたらすぐ黒塗りのリムジンが護衛付きでやってきた。


「ショール様御一行でしょうか?」

「ええ」


護衛の一人が前に出て確認してきた。それに短く答えると、リムジンに乗るように誘導される。特に逆らう理由もないためそのままリムジンに全員で乗り込む。

今日の服装は4人は白を基調とした礼服を、ヒビキだけメイド服を着ている。このあとの予定は宮殿に入って皇帝陛下と私的なお話会をしたあとで叙爵の儀、夜はパーティーをなんと宮殿の一番大きな舞踏会場でやる予定だそう。緊張もするけどすっごく楽しみね!


〜帝都・宮殿・皇帝の間〜


リムジンで1時間ほどすると宮殿に到着した。そして案内役のメイドについていくがまま宮殿の奥の方へと進んでいく。

こういう宮殿とか貴族の家とかって奥の方ほど私的な部屋だったりするはずなんだけど?


「こちらで皇帝陛下がお待ちです」


心の中で困惑していると、目的の部屋に到着したようでメイドさんが扉をノックしてから開けてくれる。


「お初にお目にかかりますわ、皇帝陛下。アクアス総帥のルミナ・エコー・ショールと申します。こちらはリアム・エコー・サンチェス。こちらはルーリー・エコー・レッドブリッジ。こちらはリア・エコー・カーマインですわ」

「よく来た、座ってくれ」


1回お辞儀をして皇帝の座っているソファーの反対側にあるソファーにヒビキ以外が座る。今回ヒビキは使用人枠だからね。相手側は皇帝陛下とその後ろに護衛二人が付いている。

…転生話ここでしていいの?と疑問に思っていたら、


「自己紹介はいらないかもしれないが一応しておこう。私はルーベルト銀河帝国皇帝ベルラ・フェル・ハーロン・ルーベルトだ。よろしくな同郷の友よ。ああ、後ろの二人は気にしなくていい、私が昔を話した数人のうちの二人だ」


どうやら大丈夫らしいわね。あと同郷の友ってなによ。たしかに同郷だけど友かと言われたら違うでしょうよ。


「そうですか、ではここに呼ばれた理由を聞いてもよろしいでしょうか?」


なーんでほぼ最奥の皇帝の間と呼ばれるこの応接間に知り合って間もない私達を通すのかなぁ?


「言葉遣いは公式の場でければ適当でかまわん」


皇帝が少し不機嫌そうに言った。

それでいいのか皇帝、まぁそっちのほうが楽だし私的には助かるけどね。


「わかったわ、で、こんな最奥まで私達を通した理由と呼ばれた理由聞かせてもらえる?」


皇帝は満足そうにしていて、護衛二人はなんか諦めてる?前にもこんなことがあったのかな。


「いいとも、まぁ簡単なことだがな。転生者どうしの話し合いに手前を使うのは不味いだろ?」

「あーね」


手前の方だとこんな話はできないわよね。盗聴とかなんやら無いとは言えないし。奥ならそんなことはあり得ないからね。


「じゃ、まず改めて自己紹介するか。ルーベルト帝国皇帝こと木村両だ、前世日本人の東京民だな」

「私はアクアス総帥こと中川正博よ。元男ね」

「元男?TSしたってことか」

「そういうこと、まぁ今はもうほぼ性自認は女だけどね」

「ほう、で、他は?」

「アクアス副総帥こと村野李歩夢だ」

「その嫁の赤橋瑠璃よ」

「わ、私は橘亜香里です。えっと、ルーちゃんの嫁です」


少し頬を赤く染めながら言った突然の瑠璃と亜香里それぞれの嫁宣言に私と李歩夢は硬直した。

え、まって。嬉しいけどまだ結婚してないんだけど。...あっ牽制?なら納得かな?


「あ、ハーレムじゃないのか」

「なわけねぇだろ」


両が李歩夢がハーレムしてないのを少し残念そうに言って李歩夢が即否定した。けどねぇ


「多分だけどもうすぐ李歩夢はハーレムになると思うわよ?だって私達が転移した惑星の2つの国の王女から好かれてるじゃない、あと大樹海のほうにも好かれてる子いなかった?」

「うぐっ、いやでも瑠璃がゆるさ「あの子達なら私は別にいいわよ?」え?」


あらら、逃げ道も封じられたからもう4人のハーレム決定かな?あとであの子達にも伝えとかないとね。


「まぁその話は置いといて、ヒビキの紹介してなかったわね」

「後ろのメイドか」

「そ、ヒビキ、自己紹介を」

「はい、お母様。私はヒビキ、お母様に作られた機械生命体です」


お母様じゃなくてマスターでしょって言おうと思ったけどやめておく。諦めたとも言う。

それより前の3人がびっくりしてるのがわかるんだけどどうして?やっぱ人工生命体は不味かったかな?



◇◇◇◇◇


1200PV・SF週間54位

ありがとうございます...!!!

今月半分くらいなのに800PVも行っていて正直ビビってますw

でも嬉しいので今後もよろしくお願いします!


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