第14話 大公殿下と交渉


〜フェルーン星系・第二艦隊旗艦スノー・応接間〜


送られてきた帝国についてのデータをその場で確認して抱いた感想は星間国家に貴族制と民主制が入り混じった純科学の巨大国家ってところかな。ついでに向こうにバレないようにハッキング仕掛けて機密データとか色々とコピーして脳内で確認する。ハッキングはヒビキが仕掛けてて、データを脳内で確認できてるのは高天原と私は一心同体のようなものだから可能なのよね。


「情報提供ありがとうございましたわ。では改めて、条件は10個あります。

1つ、私に最低男爵か子爵を叙爵すること。

2つ、こちらの銀河の帝国領は私の領地とすること。

3つ、税金を収めるのは何年か待っていただきたいこと。

4つ、こちらの船の一部は取引しないこと。

5つ、そちらからの技術提供や資金提供、移民をこちらが受けること。

6つ、領内でのこちらのやり方に口を挟まないこと。

7つ、帝都の貴族学院に私達を入学させること。

8つ、皇帝陛下にあってみたいわ。

9つ、こちらの中枢から人を引き抜かないこと。

10つ、アクアスは私直属とすること。以上ですわ。受け入れていただけるならそれ相応のリターンをお約束します」


笑みを崩さず言い切り、ヒビキがさっき持ってきた紅茶を飲む。これくらい要求しておけばいいだろう。あとは交渉して妥協点を探らないとね。


「...まず、3つ目・7つ目・9つ目・10つ目は受け入れよう。2つ目と6つ目、5つ目は1つ目が本国に承認されれば領地を貰えるだろうからその後だ。8つ目は兄上に確認を取らなければならないからすぐの返答は無理だ。4つ目の一部とはどの範囲の話になる?」

「船については我がコアの利用を前提にしたもののみですわ」

「ふむ、それも持ち帰って検討することとしよう。そしてリターンとはなにが出てくるのかな?」


結構そのまま受け入れてくれるのね、吹っかけたかなって思ったけど。リターンは今の私達の技術でも色々とできるから助かったわ、食いつきそうなのが色々とあるから。


「リターンについては6つ程ら考えておりまして、

1つ目に銀河間ワープゲート

2つ目に新しいワープ・ワームゲートの建造

3つ目に大量の資源

4つ目に量子通信装置

5つ目に異次元を利用した超高速通信技術

6つ目に強大な戦力といったところを考えております」


笑顔で言い切ったら相手側全員固まった。そんなに驚くことなのかな?まぁ帝国が持ってないものもあるからね。向こうだとワープ・ワームゲートは古代遺物の組み合わせみたいだし。少し待っていると大公が我にかえって質問してきた。


「そ、それは本当なのか?」


怪しんでるー。そりゃそうだろうけどね、信頼も信用も置けるかわからない人に帝国が持ってない技術を持ってるって言ってて、それをリターンとして提示してるんだし。


「はい、ワープゲートに関しては近くに1つありますのであとでご確認を。資源に関しては言う必要は無いでしょう?通信に関しては...どう証明いたしましょうか?」

「...なら後でそのワープゲートを潜らせて貰えないか?その他は...潜ったあとに本国への報告に借りても良いかの」

「ええ、それくらいならば構いませんよ」


それくらいならばお安い御用であるのであっさり許可を出す。また少し相手側は驚いてるね。なんで?


「ありがとう。後は戦力だが...どう測ろうか...」


ここでヒビキがこそっと耳打ちしてきた。


「付近にAAA⁺級の敵性生命体の群れの存在を確認しました、それに撃てば良いのでは?」


へーAAA⁺級の群れかー、なら砲撃一発で消滅とかにはならないから見せるのにも結構いいかもね、そうしましょうか。


「大公閣下、付近にAAA⁺級の敵性生命体の群れを発見したそうなので試し撃ちに行きませんか?」

「...それはどの程度の強さの生命体なのだ?」

「この戦艦空母の主砲で3、4発で一体倒せる程度の敵ですね」


例えがない。ここのみんなに伝わる例えがない。だからとりあえずこう言ったけど伝わらないだろうなぁ...


「その敵性生命体に我が艦隊も攻撃してみていいだろうか?それで測れるだろう」

「ではそうしましょうか、先手は譲りますよ」

「ではありがたく貰おうか」


...殲滅後に大公さんたちは結構動揺していた。そりゃほうだろう。敵に大公の艦隊の攻撃はあんまり通じていなかったのにうちの艦隊の砲撃でぱぱっと倒されていったから大分衝撃的だったようね。


「せ、戦力についても確認ができたな。次の確認に移っても?」


なんでか最初の音が引き攣っていたが確認できたようなのでよし、次だからワープゲートかな?


「ええ、構いませんよ。ではワープゲートの方に移動しましょうか。既に起動させて待機させておりますので到着しだいすぐに潜れますよ」


なんかまた驚かれた。ほんとになんで?

...そーいえば、向こうのワープゲートは古代遺物の組み合わせでエネルギーとんでもなく食うからあんまり設置出来てないし動かす時間も短いんだっけ。ああ、そりゃ驚くわよね。なにせ現在位置からワープゲートまで数時間はかかるもの。


エネルギー調達どうしているのか聞かれると困るわね...あれのエネルギー源、高天原の劣化コピーコアだもの。まぁ、秘匿は絶対ね。


◇◇◇◇◇

更新!

...ここ書くことないw

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