第9話 秘密倉庫
〜天空城・秘密倉庫・数日後深夜〜
書状は昨日戦闘機に載せて飛ばしたのであとはリアムに任せて、私は一人で秘密倉庫で資料を読みに来ていた。この秘密倉庫は図書館のような内装で中央には巨大なシャンデリアがあった。
「この倉庫ほんとよく見つけたわねぇ」
この倉庫が最近まで発見されなかった理由は、アクエリアスの地図に載っておらず、外部と完全に遮断されたシステムで稼働していたからだ。だから外からの干渉はすべて遮断できるし中の資料も綺麗で無傷な訳ね。
「やっぱりいつみても綺麗に整頓されてるわね」
中にある資料はすべて綺麗に整頓されていてホコリ一つ無い。多分この子たちがやっているのだろう。
私はこの倉庫に入ってから斜め後ろについてきている小さくて丸いロボットに視線を向けた。
ーーー?
「ふふっ」
この子達は一切喋らない。多分発声機関が無いんだろうけど、表情はディスプレイに表示されており今は疑問に思っているっぽいわね。
私はまた前を向いて資料を探す。
「あ、ナノボットとかの資料ってどこにあるか分かる?」
ーーーコクコク
見たい資料を言えばそこまで案内してくれる。1から探さなくていいから大分助かるね。
ーーーココ
「ありがとう」
ーーーニコッ
資料の場所についたらアームでココと示してくれる、お礼を言ったら笑ってくれるところもかわいい。
それはそうとして私は資料を手に取り近くの机で読み始めた。ちなみにだがここにある資料は純科学のものが大半だが魔導科学という名称の魔法と科学を組み合わせた資料も存在していた。そこまで発達はしてなかったようだけどね。
しばらく集中して読んでいたが切れてきたので資料を読みながら私はこの秘密倉庫について考えていた。
なぜこの秘密倉庫はあるのだろうか。この大量の本や設計図等を守るため?、それもありそうだがそれ以外の何かを隠すためじゃないか?そのほうが腑に落ちる気がする。
私は読んでいた資料をそのままに立ち上がってシャンデリアの真下に移動した。
周りを見回してもいつもの秘密倉庫の図書館にしか見えない。なら視点を狭くしよう。次は光のみに、絞ってあたりを見回してみる。...当たりね、六芒星の先端に大きな光が配置されてる。
その先が見つからずしばらく彷徨ったり考えたりして、ようやくそれを見つけた。
「まさかシャンデリア本体にスイッチがあるなんてね、普通見つからないわよ、はぁ」
私は溜息をつきながら、シャンデリアについている一つのパーツを回した。
少し遅れて静かにシャンデリアの真下、六芒星の中心が開き、階段とその先に扉がみえた。
くぐってみると変な感じがしたが多分結界...いや時空魔術?まぁどっちかわからないけど空間が変わったのは確かね。
「なに、これ」
5分ほど廊下を進みその先にあったとてつもなく暗く大きい空間あったのは圧倒的な圧力を感じさせるとんでもなく大きい一門の砲だった。
絶句していたのもつかの間、
『人を確認、スキャン開始...お名前をどうぞ』
「えっ、ちょ!?」
謎の声がした。聞いた感じは人ではなく機械のような感じだったのでAIだと思うけど、ビックリしすぎて動けないでいると一瞬でスキャンされて名前を聞かれた。なんで???
「えっと、ルミナ。ルミナ・エコー・ショールよ」
『ルミナ・エコー・ショール様、これより私、グロールメイン管理AIアルミラは前御主人の最後の命令に則り最上位管理者権限をルミナ様へ付与し御主人として仕えます』
「............えぇ!?」
一瞬意味がわからなかった、でもなんでか私はこのグロール?メイン管理AIであるアルミラに最上位管理者権限を付与され御主人にされたらしい。ほんとになんで?
あ、なんか電気ついてる。
〜天空城・秘密倉庫・数時間後早朝〜
「やっぱりここにいたか、朝食の時間だぞ」
「え、もうそんな時間?」
あれから数時間か経って私は秘密倉庫の図書館に戻り読書をしていたら直ぐリアムがやってきて朝食を告げた。
あのあとアルミラに色々と確認をしたりあの兵器の管理部屋においてあった前御主人と呼ばれてる人の手記を読んだりした。
わかったことを簡潔にまとめると、
このグロールという名の兵器は銀河の半分消し飛ばせる威力があるから気をつけて使え、
だが必要エネルギー量もとんでもないから頑張れ、
俺の兵器を継ぐんだから色々と頼んだぞ。らしい。
他にも使い方とか色々と書いてあったりと一通り読んだが今は放置ね、グロールを使うのはエネルギーは問題ないにしても設置場所が無くて今の所無理。
私は今読んでいたページに栞を挟んで閉じ、片付けはロボットに任せて秘密倉庫を出た。朝食には遅れないようにしないと。
〜天空城・食堂・早朝〜
「「「いただきます」」」
7人で一つの長机を囲むように座り、メイドたちが配膳してくれた朝食の和食をみんなで食べる。
「今日も美味しいわね」
「今日も美味いな」
「美味しいです」
「美味いぞ!」
「ん、美味しい」
5人が美味しいと料理を褒めた。みんな美味しそうにパクパク食べすすめている。
「ありがとうございます」
「ありがとうね」
とても嬉しそうにリアとルリが答えた。朝食はこの二人とメイドたちが作ったものだ。まぁメイドたちだけでも作れるのだが二人が私達も作りたいとしばらく前から手伝っている。
それから少し雑談しつつ食べ終える。
「「「ごちそうさまでした」」」
「「お粗末さまでした」」
結構続いているからかこのやり取りも日常になってきた。平穏でいいわねぇ...まぁ嵐の前の静けさなのかもしれないけれど。
◇◇◇◇◇
SF...第一章あとどんくらいで終わらせよう?(SFメインは第二章から)
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