第7話 機械少女または天空城
〜天空城・城ルミナ自室・夜2日後〜
「...ん」
「ルーちゃん!?起きた?大丈夫?」
...んー?段々と意識がはっきりしてきた、ここは知らない天井...なんてことはなく、城の自室だ。あれ?記憶は工房で途切れてるんだけどどうやってここまで?
「覚醒を確認、おはようございます。マスター」
あーこいつか、私をここまで運んだの、それが一番ありそうね、気絶する直前になんか部屋まで運ぶ的ななにかを言ってた気がするし。で、リアはベットの横で椅子に座ってこっちを見ている。ちょっと涙目だし心配かけたっぽいなー申し訳ない。
「おはよう、私は大丈夫よ、どのくらい寝てた?」
「はいマスター、約2日間です」
「すごく心配したよ...とにかく無事でよかったぁ」
2日!?そんなに寝てたの私。なんで...?
「マスターは魔力枯渇によって倒れました。マスターの膨大な魔力量がそれなりに回復するのに時間がかかったものと思われます」
エスパー?なんで今考えてることわかったの?
「魔力枯渇は死んじゃう可能性もあるって聞いて怖かったよ...」
「マスターなら余程のことがなければ魔力枯渇でも死にませんがもしもが無いとは言えませんので。それから私はアクエリアスに住む者達のみ思考や感情などを読み取ることができます」
「「え!?」」
マジで?
「マジです、マスター」
えぇ、まぁ一旦それは置いといて
「貴方何者なのよ?」
「はい、マスター。私は肉体的にはルミナ様が作成された機械人形の魔物、中身はアクエリアスそのものと言っていいかと」
彼女?は無表情のまま淡々と答えを返した。
あー中身作ってなかったのに動いたのはそういうことね...やっぱり核に高天原の一部放り込んだからかな?
「確認するけど貴方は、天空城アクエリアスの高天原の意識そのものだと言うのね?」
「はい、マスター。そせのとおりです、私は天空城アクエリアスの高天原に存在する意識をこの体に移したことによりこの人格を得ました」
「もともとは人格が無かったの?」
「はい、マスター。もともと人格は存在しませんでしたがこの体に意識が移ったときに人格が生成されました」
わーお、この機械人形?機械少女でいいや、あ、容姿はうっすら緑銀髪ロングの10歳くらいのかわいらしい少女姿だ。はアクエリアスの意識があの体に移ったときに人格まで生成されたのか、なんでだ、てかそういやさ...
「そういや貴方自分の事を機械人形の魔物って表現したのはなぜ?」
「?マスターがそうしたのではないのですか?」
機械少女が?を頭に浮かべながら返した。私がそうした?一体どういう...あ、あぁそういうこと?
「魔力とエネルギー限界まで突っ込んだら魔物化したとかそういう?」
「はい、マスター。多分そうかと。私が稼働開始する前に膨大な量のエネルギーと魔力が投入されたことは確認済みです、それによって私のコアはオーバロードを引き起こしましたが爆発寸前のところで急に安定化し、爆発を回避したと思ったら高天原とのパスが接続、人格が生成され定着したと思われます」
「なるほどねぇ」
用は私がエネルギーと魔力を魔力枯渇が起こるレベルで機械少女のコアに投入しまくって暴走させかけたけど安定化し高天原とパスが繋がって人格が生成定着したのね。...なんでぇ?
「えっとつまり、ルーちゃんが新しい命を創造しちゃったってこと...?」
リアが今さっきの話を大雑把に一言に困惑しつつまとめた。
「んーそういうことになるのかな?」
「はい、そういうことになるかと」
二人はそれに多分そうといった感じに同意する、だいたいそんな感じだろうし。
「ええええ!?だ、大丈夫なのそれ!」
リアが驚いた様子で叫び、大丈夫なのか心配そうだ。何も問題はないはずなのに...あるか?
「大丈夫じゃない?」
「別に問題はないかと」
二人が問題はないと言うとリアが落ち着いた様子で困惑しながら言った。
「そうなの...?」
「はい、今現在アクエリアスはどこの組織にも所属していませんし何らかの条約を結んでいるわけでもありませんので問題はないかと」
そういうことだ、現在アクエリアスはどこの所属でもなければ何処とも条約なども結んでいない、なんなら遭遇すらしてない。よって新たな生命を創ったところで問題は無いのだ。てか今なら何にも制限なしに作って問題ないんだよな、かかる制限と言えば私達の倫理観とか価値観とかアイディアによるもの。ま、遭遇してから問題が起きるような気もするけど。
「今の私達に法律とかはないからね」
「確かに...そう考えると大丈夫なのかな?」
リアはまだ少し困惑しているようだけどとりあえず納得してくれたっぽい?
「何も問題ないね、なんなら便利になったまである」
「便利?」
リアがまだよくわかって無いみたいなので説明しよう。
「うん、機械少女がいることでアクエリアスの管理とか運用とかをこっちで操作しなきゃいけなかったのがお願いすればやってくれるようになるからね」
「はい、アクエリアスと私は一心同体ですので中央制御室を通さずに接続された全てのコントロールが可能です」
そういうことなんだよねぇほんとに、アクエリアスのコントロールは従来であれば中央制御室でしか出来ないけどこれでいつどこにいてもこの機械少女がいれば遠隔操作できるってわけだ。
「それは確かにすごく便利だね」
「でしょ?」
リアが少し驚いた様子で便利だと言う。わかってくれたようでなにより。
「...そういえば名前はあるの?」
「...付けてない、起動するとも思ってなかったから考えすらしてない」
「...流石にまずいよねそれ」
二人ともどうしようといった雰囲気である。本当にどうしよう。まぁ名前ないと困るし適当に付けるかな?
「まずいね、じゃあヒビキとかシステムとかイチカとかにする?、あ、どんなのがいいとか要望ある?」
そういえば機械少女に要望を聞いてなかったので聞いてみる。まぁどれでもいいとか言い出しそうだけど。
「はい、マスター。得にはありませんが先程の3択ならヒビキが良いかと」
予想に反して要望があったので一瞬硬直してしまったが要望があるならそれでいいか。
「じゃ、貴方は今からヒビキよ。改めてよろしくね」
「よろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いします」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます