なぜ書くのか?


 投稿サイトを見ていると、書籍化されなくても毎日更新してる人や新作をどんどんUPしている人を目にします。


 書籍化されなくても、そうやっていっぱい書いている人を見ると、羨ましいと思います。

 自分には、公募や書籍や云々うんぬん以前に、今はそんなに書けないので土俵にすら上がれてないなと。



 筆が早く量が書けることはそれだけで才能とも言えます。


 才能だけではないのかも知れません。

 私も若い頃は、結構、どんどん新しい物が書けましたし、空想や妄想が楽しくてしょうがない時がありました。

 歳をとってからは、そこまで新しいアイディアがどんどん出て来たり、量も書けなくなりました。

 体力があって、アクティブに色々やっていた時の方が書けたなぁと思います。


 外部刺激が多いからでしょうか?

 読書での入力量も多いからかもしれません。


 まあ、歳をとったらとったらで、量はそれほどかけなくても、また違った着眼点からものが書けるのが執筆の面白いところではありますが。


   *


 ただ、正直、一番筆が乗っていて書けた時期に公募をしても連敗で、ホームページで公開してもあまり読まれなかったので、だんだんと書いても意味がないような気がして、やる気がしぼんで今に至るという感じがあります。

(まあ、それでも細々とは書いていましたが……)


 だから、今、こういう小説投稿サイトでPVが少ない→やる気が出ない、筆を折る。

 という人の気持ちもわかる気がします。

 

 認められたい、褒められたい。そういうために書くのなんて邪道だ。

 楽しい書く。自分の頭の中の世界を書き残したいという内的欲求から書くことが尊いんだ。

 と言われると、確か正論でそうなんですが……。

 同時に、認められたい、褒められたいという気持ちがあっちゃいけないの? とも思います。


 それは、純粋とは真逆のことなのでしょうか?


 私は、認められたい、褒められたいと言う気持ちは小説を書く上で根源的な欲求に近い物だと考えています。


 小説に限らず、漫画やイラストでもそうです。


 頭の中にある者をアウトプットするというのは、自分の為なのか?

 そうとも言えるし、違うとも言えるでしょう?


 私は昔から、頭の中でキャラ遊びして、それで満足して書かないことが多いです。

 通勤路や寝る前に、頭の中で物語を空想うして同じキャラで何パターンも繰り返し遊びます。

 その際、メモ程度に絵にしたり文章を書くこともありますが、人に見せるレベルのものではなくあくまでもメモです。


 自分だけで楽しむなら、それで十分なんです。


 頭の中のものをわざわさ小説にしたり、漫画にして外部出力アウトプットする必要ないんです。


 では、なぜ書いて公開してるのか?


 自分が面白いと思ったものを誰かに同じように面白いと思って欲しい。

 この物語を自分以外の人に届けたいと言う気持ちからではないでしょうか?

(もちろん、自分が後から読んで楽しむためや、言語化すること自体が面白いと言う方もいるでしょう。

 あくまで、書く理由のひとつと思っていただければ)


 これが認められたい、褒められたいという言葉に通じるのだと思います。

 これらは読者に届いたことを端的に証明するものですから。



 そういう、読者に自分の世界を届けて楽しんで欲しいということを原動力にして出力(書い)している私のような者からすると、読まれなことは心が折れるし、筆も折ることにつながるのはとても理解できます。


『物語を考える』ことと、『小説を書く』ことは別なのです。



 幼いころから小説を書いている人は、物語を考える=小説を書くという行為に直結している方が多いので、この辺を見落としがちなのですが、小説を書くというのはあくまでも人に伝えるために、見える化する手段のひとつなのです。

 

 私は、中高校生の頃は小説よりも漫画に力を入れていたので、物語を出力する手段を選んでいました。

 その中で、どちらの方法でも難しいとか、外部出力に適してない物語があれば、出力しないで頭の中で終わらせるということもあると気が付きました。


 楽しい、趣味だから書いてるんでしょ?  と言われると、確かにそれもあるのですが、別に文字に起こさなくても物語を作って楽しむことはできるんです。


 わざわざ文字にするということは、労力も時間もかかります。

 楽しいばかりではできない時もある。


 読者と言う需要があることで、想像を形にしてみよう。

 もうちょっと、頭の中から取り出して文字にして伝えてみよう。


 と、やる気が出て来たりします。


 応援している作者さんがいたら、積極的に評価をして、一言でもいいから感想を伝えてあげることは大切なことです。


 需要があるない。褒められたい、認められたいというのばかりだけに固執するのはよくないですが、想像をアウトプットするための原動力のひとつであることは認めていいんじゃないかと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

落選先輩からのアドバイス 天城らん @amagi_ran

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ