『整う』作業の具体例
前回の話で『モチベが上がらない時にする「整う」作業』という題名だったのにも関わらず、具体的にこんなことをすればいいとか、こんなことをしているというような例を上げられなかったので、今回はTwitter(現X)でどんな作業が人気かアンケートをとったのでその結果などを紹介したいと思います。
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その前に、どうして『整う』作業が必要なのかと言う話を少ししたいと思います。
みなさんは、人間が『健康』であると言う状態はどういう状態のことを思い浮かべるでしょうか?
体調がすこぶるよく、何でもできて、やる気に満ち溢れている。病気もなく、弱気にもならない。心も体も絶好調ないい状態を『健康』だと思い浮かべる人が大半だと思います。
でも実は、健康というのはそういうことではないんですね。
私が突然、持病を抱え落ち込んでいるときに、ネットでこういう言葉に出会いました。
『健康とは多少の持病や不調を抱えていても、問題なく日常を送れる状態のこと』
そう、私達がイメージしている健康は、健康の中でも『調子がいい』『絶好調』の状態なんです。
けれど、決してそれだけが健康ではない。
大きな異常、不調がない状態もまた『健康』と言えるのです。
では、執筆作業において『健康』とはどういう状態か?
私たちが思い浮かべる執筆作業は、1時間に2,3千字書けて、一日に1万字くらい書けて、1カ月で10万字くらいの小説が書きあがる。
創作のイメージが次から次に湧いて、キャラが自分で動いてくれるような状態のことを思い浮かべるのではないでしょうか?
それは、実は『絶好調』な状態であって、『健康』とは違うんですね。
多くの場合は、そんなにバリバリは書けないし、もっとぼーっとして筆が進まない状態も多い。
それでも、なんとなく前進しているというのが執筆における『健康』な状態だったりします。
日中は仕事や学校に行き、夜に書く方も多いでしょう。
そうなると、毎日気力体力が満ち溢れて書ける場合ばかりではありません。
大きな不調がなくとも、疲れて調子の出ない時、なかなか創作のスイッチが入らない時もある。
というか、そういう日の方が多いかと思います。
そういうときに、スイッチの入るような軽微な創作作業があったらいいなと思って考えたのが、『整う』作業です。
要するに、やる気スイッチを入れるための準備体操というか、ちょっとおつかれモードでもがんばらないでできる作業をイメージしています。
どんな時でも、創作から離れたくない。
少しでも、進みたいという物書きの本能を少し刺激するような内容となっています。
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具体的にはこんな感じの作業です。
アンケートの人気順に並べてみました。
1、イメージ写真などの資料集めをする 37.8%
2、エッセイや日記的な軽微な文章を書く 35.1%
3、自分の過去作を読み返す 18.9%
4、目標文字数を少なくする 8.1%
いかがでしょうか?
これくらいならできそう? というものがあったでしょうか?
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1、イメージ写真などの資料集めをする
なかなか筆が進まない時は、作品のイメージに合う写真や資料集めをする方が多いようです。
私も、小説のイメージに合う風景や服装の写真などをながめたり集めたりします。
また、picrewさんで登場人物のキャラメイクをしたり、AIイラストで自分のキャラのイメージを膨らまして遊ぶこともあります。
2、エッセイや日記的な軽微な文章を書く
小説を書くほどの想像力や集中力はないけれど、事実やあったことをそのまま書く、エッセイや日記なら書けるときがあります。
小説は進められなくても、別の文章を書くことで調子が上がってきて、小説を書く準備体操になります。
3、自分の過去作を読み返す
モチベーションが上がらない時は、過去作や現在書いているものを振り返ることで、新しい発見があったり、イメージが固まりより鮮明に書けるようになったりもします。
筆が進まないときは、立ち止まり振り返るのも急がば回れでよさそうです。
4、目標文字数を少なくする
人によっては、毎日○○〇字書くというノルマというか、目標を立てている人も多いようです。
ただ。いつでもその量を書けるかと言えばそうではないと思います。
また、無理やり書いても中身が伴わなかったら結局書き直しになってしまいます。
体調によって目標の文字数を下げることで、質を確保するという考え方です。
また、アンケートには入れられなかったのですが、この目標文字数を下げるというのに類似した方法として、解像度を下げるという方法を教えていただきました。
調子が上がらず、いつもの文章の質をキープできないなら、いっそ雑にラフスケッチのように書いてみるという方法です。
全体の大きな流れをとらえるざっくりとした文章や、書きたいものの解像度を下げて書く。
それなら、少し自分のパフォーマンスが落ちているなと感じるときでもできそうな気がします。
調子の上がらない時、下がっているときはザックリとした雑な感じで書いておいて、調子のいい時にそこをぎっちり詰めていく。
なんだか、すぐにできるいい方法なのでおすすめです。
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毎日、絶好調でいることは難しいですから、そうではない『普通』の時もできることを、こうやっていくつか頭の片隅にでも入れておくと、今日は何もできなかった……と落ち込むことがなくていいかと思います。
ぜひ、『整う』創作作業をやってみて下さい☆
(スランプの時や、一文字も書けないと言うときは、こういう方法よりいっそもっとリセットする方が良かったりもするので、またそれは別の機会にお話ししたいと思います)
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