第3話 旅の移動は思いふける 前半

男女平等とか何とかで、最近制服を大幅にリニューアルする高校が増えている。

私の通っている田舎高校にもその波は近づいているみたいで、ptaの間でどのようなデザインにするか議論を行っているみたいだ。ちかじかセーラー服は廃止されるらしい。

この学校を制服(セーラー)と家からの距離で選んだ私は少しショックだったがそれは置いておいて、世間に私から1つ提案がある。ぜひ聞き流してほしい。

それは

「男女関係なくセーラー服にすればよい」

ということである。

別にわざわざ男にセーラー服を着せたいわけではない。勝手に着てTwitterにでもあげればよい。

そういうことではなく私はその歴史的な由来に目をつけている。

もともと海兵さんの制服だったのがセーラー服のすべての始まりだ。もともとはユニセックスなものだ。

なのにもかかわらず大人の古臭い固定概念のせいでセーラー服が淘汰されようとしている。

まあスカートぐらいはセーラー服を淘汰させないためには犠牲にしていいと思う。なぜなら私はあの内へと引き締まってゆくあのラインがすきだから。

ながながと回想しましたがなにが言いたいのかというと私はセーラー服がただ着たいのである。大人の人たちすみません。



そんな心からの叫びを回想していると赤い彗星がホームに入線してきた。

ホームの端に立つと少し風を感じるが、地下一階にあるホームのおかげで刺し込むような寒さを感じなくて済む。

さっきまで必需品だったマフラーを緩め外しながら、少しパンパンになった大き目のトートバックを担ぎながら座る。座れたことの安ど感か、それとも模試から逃げれた爽快感か。

暖房のきいた車内にいた私の額からじわっと汗が滲んだ。なんかいやなので青い塾で浮いていたセーラー服の袖で額をこする。こんどは窓からの冷気が気になり始めた。

冷気が気になる窓辺の奥まで覗くと、さっき名鉄名古屋から出発したとは思えない田園風景が目に入ってくる。

政令指定都市も少し郊外に出るとこんなものだ。田舎者ほど慣れているはずの田んぼ畑を都市周辺で見るとがっかりする現象の名前はなんだろう?

伊良湖教授こと私は、この現象の名前をウシガエル化現象と名付けた。最近流行りの蛙化現象と田舎の夜のお供ウシガエル。ちなみに都会からガチ田舎に引っ越してまず最初の山は夜のウシガエルだろう。げこげこげこげこげこげおこげこえこげこげ。寝れん。

3話後半へ続く

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