第2話 旅の季節は突然に
今日はまだまだつづく。
長い一日のまだまだ始まりみたい。まあだっていつもの休みならまだ寝てるしね、10時半。まだ太陽が斜めに見える。
なんなら私はいつもならまだ起きていない自信すらある。
もしかしたら、入眠して2時間ぐらいの時間かもしれない。
さすがにどんな受験生であろうとも睡眠時間2時間ではまわらないか。
状況から察するに今日は学校での受験だったらしい。
もし今から学校に行けば多分別室ではあるが模試なので受験はさせてくれるだろう。
ただ今から学校に行ってはせっかくの長い一日を終わらせてしまう。
受験勉強とはポケモンでいうところのレポート(セーブ)だ。始めてしまったら一日が終わる。今日ぐらいはまだ終わらせなくてよいと思う。
...となんか話を正当化しようと脳が頑張っているけれども、そうですさぼりです。
どんだけ脳が防衛機能を行使しようと、もう一つの私は正直である。
なんか言葉をこねくり回してパンができそうであるけれども、今日はさぼろう!そうしよう!なら旅しよう(?)。
そうです。旅はこうやって突然はじまるのです。いつもそんな感じ。
趣味一人旅とか自己紹介でいうけど年3回行けばいい方。しかし確かに趣味である。サウナと温泉と同じぐらい好きなのだ。
行きにあんなに長かった時間が、文字量の少なさでもわかる程嘘のようにすぎ元の10分に戻ってゆく。
ちょうど名鉄名古屋駅の構内へと降りていったところだ。
名鉄名古屋駅は愛知県の中心あるにも関わらずなぜか地下にある。なんでだろう。
この駅を見ているとなんかアリの巣を思いだす。人がどんどんと巣に飲まれていく。そしてまるで本能に備わった役目を遂行するように巣から飛び出てくる。どこに行くんだろう?会社なのか!?土曜日だよ!
ちょっと話外れるがアリの巣に蓋をすると、家を失ったアリは帰巣本能でその蓋の周りを集団でぐるぐると回るらしい。まるで何かの儀式みたいに。
なら果たして人間は名鉄名古屋駅に蓋をしたらどうなるのだろう......あ、隣のJRの名古屋駅に行くか。
スーツがアリのコスプレに見えてきたところで私は切符を1枚買った。
もう行先は決まっているがなんとなく名鉄で行けるとこまで行ってみる。それも旅だ。
意味のない特急にのり、わざわざ寒いところにいき、どういうわけか行列にならぶ。
そしてなんかいいなとおもってまたいつか。
旅とはマッチポンプ的である。無駄なことをすればするほど楽しいし、辛いことをすればするほど思い出に残る。
ならば今日はどうだろうか。
今から行く予定の岐阜県の下呂温泉はここから特急で2時間ほどの場所にある...。お金があれば。
さっき財布を見たところギリ下呂温泉に行って帰ってをするだけのお金はあった。言い換えればそれ以外はできない。
帰りは特急で帰ってくる予定だが(下呂駅は田舎すぎて普通の電車が2時間に1回で特急の方が多くとまるよ)自販機でジュースを買うだけで予定が狂う。
とんでもない貧乏旅になりそうだ。
私はとんだマッチポンプの天才なのかもしれない。自己管理がなってないとも言えるが。なんなら今日は模試だし。
さて、ちょっと長くなったので総復習しよう。
今日は模試で会場を間違え、もう模試を受けたくなくなったのでここから2時間以上かかる他県の下呂温泉へと行く予定である。
まだ今日は半分も終わってない。
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