第9章349話:隊長
その後。
剣士のセラス。
魔法のセラス。
斧使いのセラス。
男性のセラス。
女性のセラス。
……などなど。
さまざまセラスの隊員と戦闘を繰り広げ、私は12人ほどのセラスを斬り殺した。
さすがに帝国最強の
二、三度、斬りつけられた瞬間もあった。
まあ、すぐにポーションで回復したが……。
「ふう……」
ひと息つく。
ショートソードが
新しいショートソードをアイテムバッグから取り出す。
(あと何人、セラスが残っているかな)
さすがに、もうそんなに多くはないだろう。
と思っていた、そのときだった。
「!?」
シュタッ、といきなりキャンピングカーに飛び乗ってきた者がいた。
セラスの隊長――――リシアである。
(ようやく来た!)
この瞬間のために、私は【音響指輪】を指に
さっそく
「……!」
私がアクションを起こす前に、リシアが突撃してきた。
リシアの両手に
そのダガーで、私に斬りかかってくるリシア。
私はショートソードを構えて、リシアの斬撃を受け止める。
さすがにリシアの斬撃は重い。
けど……受け止められた。
しかし次の瞬間。
リシアの双剣が赤い光を帯びたかと思うと、いきなり炎が弾けた。
(リシアの魔法……? いや……)
双剣そのものに炎の効果が付与されているのだと、私は推定した。
いわゆる
【火炎の双剣】と呼ぶべき武器。
しかも、見た目は普通の双剣にしか見えないところが、実にいやらしい。
初見ではただの双剣と見せかけておいて、ここぞというときに炎剣としての効果を発動するのが、この武器の狙いだろう。
(それにこの攻撃は……)
ここで火炎を発動したリシアの狙いを、私は瞬時に見極める。
私が魔法を無効化できることは、これまでの戦闘でバレているはずだ。
炎を浴びせられても、私には効かない。
……なのにリシアは、わかったうえで炎を出してきた。
その狙いは?
(目くらましだ!)
と私は理解するなり、すぐさま身をそらした。
避けたところに双剣による
やはり炎は目くらまし……本命はこの『突き』だ。
まあ見抜いてしまえばこっちのもの。
私はカウンターの斬撃を、リシアの首へと振り下ろす。
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