第9章332話:ソロの戦い

<エリーヌ視点>


アリスティがキャンピングカーを下りたあと。


私は引き続き、機関銃による銃撃をおこなっていた。


ローラが全軍突撃ぜんぐんとつげきを開始したことで、ブランジェ軍とブロストン軍が激しくぶつかり合っている。


私の仕事は、要所要所ようしょようしょに銃撃を叩き込んで、敵軍を混乱させることだ。


――――ブロストン軍のほうが、依然として数が多い。


だから士気が多少たしょう崩れても、すぐに持ち直してくる。


なので、ブロストン軍に気持ちよく戦わせないように、私が機関銃を乱射して、ブランジェ軍をアシストする。


こうすることで常にブランジェ軍を優勢に。


ブロストン軍を、常に劣勢に追いやっていた。


「ふう……」


ひと息つく。


汗をぬぐう。


戦場は血と熱気に包まれている。


あちこちで兵士たちの喊声かんせい怒声どせい咆哮ほうこうが上がっている。


ちなみに、現在、キャンピングカーの屋上にいるのは私ひとりだ。


残っていた1体の錬金ゴーレムを片付けて、私だけで戦っていた。


と、そのとき。


「よし、昇れたぞ!」


走るキャンピングカーの屋上に、よじのぼってくる兵士たちがいた。


3人である。


兵士たちがギラついた顔で、言ってくる。


「さんざん俺たちを撃ち殺してくれたな、テメエ!」


「ぶっ殺してやるわよ!」


得物えものを手に、兵士たちが走って近づいてくる。


私はアサルトライフルをアイテムバッグから出す。


兵士たちに銃口を向けた。


そして。


ズダダダッ!!


発砲する。


「かはっ!!?」


2人死んだ。


しかし残り1人が私の至近距離まで近づいてくる。


「オラアッ!!」


剣を振るってきた。


それをバックステップで回避して、アサルトライフルを発砲した。


「がっ!!?」


肩を吹き飛ばされた兵士が、あっけなく倒れる。


と。


そのとき。


視界の横から、キャンピングカーをよじのぼってくる4人目がいた。


私はアサルトライフルをいったんアイテムバッグへと片付けたあと、サッカーのシュートキックのモーションで。


「とぉっ!!」


その4人目の顔面を蹴り飛ばした。


「ぐばあぶっ!!?」


蹴り飛ばされた兵士が、キャンピングカーの下へと落下していく。

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