第9章329話:最強の戦士2

<アリスティ視点・続き>


ビビり散らす兵士たち。


そんな兵士の一人に、アリスティが間合いを詰める。


「ひっ!」


兵士の顔がひきつる。


アリスティが拳を、腹に叩きつける。


「ぐびぇえっッ!!!」


兵士がカエルのつぶれたような声をあげて、吹っ飛んだ。


50メートルは吹っ飛び、射線しゃせんじょうにいた他の兵士たちをなぎ倒していく。


さらにアリスティは近くの女兵士おんなへいしを蹴り殺し……


逃げようとした兵士の背中を突き飛ばして殺した。


「や、やべぇ……!!」


「強すぎる……!」


誰もがアリスティの戦闘力に、恐怖した。


そのときだった。


退けぇいッ、雑兵ぞうひょうども!!」


恐れおののく兵士たちの中から、一人の巨体きょたいがあらわれる。


豊かなヒゲをたくわえた丸坊主まるぼうずのオッサンである。


右手にはバトルアックスを持っている。


「ワシが相手だアリスティ! 貴様をぶっ殺して、今日からワシが最強になる!」


彼は大隊長だいたいちょうを任された猛者もさであった。


ギラついた目つきと、血の気の多いオーラを放っている。


――――大隊長が、る。


巨体きょたいとは思えぬ身軽みがるさで、アリスティへと間合いを詰めた。


「ゴラァァアアッ!!」


野太い声とともにバトルアックスが振りかざす。


豪快ごうかいにして、俊足しゅんそく


にもまらぬはやさで振るわれた、超重量ちょうじゅうりょうの斬撃が、アリスティに迫る。


アリスティは、ソレを――――


なんと、パンチで応戦した。


「!?」


大隊長オッサンは驚愕する。


アリスティのパンチが、バトルアックスの刃と接触した瞬間。


バトルアックスが砕かれながら弾き飛ばされたからだ。


「ぐ、うおぉぉぉぉぉ!!?」


弾かれるバトルアックスに、身体を持っていかれそうになる大隊長。


すきだらけになった胴体を、アリスティは見逃さない。


素早く繰り出したパンチを、大隊長のみぞおちに当てた。


「ぐぼふぉあっ!!!?」


大隊長の巨体が、くの字に曲がったまま宙を浮き、やがて地面に叩きつけられる。


アリスティのパンチの衝撃は、胸骨きょうこつから心臓、背骨せぼねまでを破壊しており、大隊長は絶命した。


「だ、大隊長!?」


「そんな……大隊長が、瞬殺しゅんさつされるなんて!」


「無理だ。あんなバケモノには勝てねえ!」


誰もがアリスティに勝てないと判断し、戦意喪失せんいそうしつする。


―――――かつて戦場で、3000人の兵士を撤退に追い込んだことがあるアリスティ。


そのときは、手前にいる200人ほどを蹴散らしたことで、敵兵てきへいがおそれをなして逃げていった。


今回も同じだ。


あまりに圧倒的すぎるアリスティの戦闘能力に、兵士たちは戦意を失っていく。





――――――――――――――――

おしらせ:

作者は他にも異世界ハイファンタジーを書いています。

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【女主人公ですが、恋愛しません】チョコレート・ガール

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