第6章227話:オアシス

アリスティが、倒した魔物たちをアイテムバッグに回収した。


悠然とキャンピングカーの屋上へ戻ってくる。


「お見事でした、アリスティ」


「ありがとうございます。お嬢様」


アリスティが答える。


私は告げた。


「さあ……では、帰りましょうか」


そして運転ゴーレムに、発進の命令を下した。






砂漠地帯を走る。


私は、屋上にニナを残し、クルルさん、ヴァルリーさん、アリスティを車内へと戻した。


ニナと二人で、ふたたびサンドウルフ狩りだ。


サンドウルフキングを討伐したといっても、まだサンドウルフはたくさん残っている。


だから、遭遇次第、射殺して駆除しなければならない。


「……!」


と、そのとき視界にオアシスが見えた。


周囲に3匹ほどサンドウルフがいるが……。


(あそこで給水していきましょうか)


と、私は思った。


運転ゴーレムに命令して、オアシスへと方向転換させる。


オアシスの周辺にいたサンドウルフたちが気づいて、接近してきた。


即効で射殺して終わらせる。


ついでに【探知の指輪】を使用して、索敵をする。


近くにいたサンドウルフには、アサルトライフルの銃弾を叩き込んで絶命させる。


給水の途中、サンドウルフの邪魔が入ったら面倒だしね。


前もって駆除しておくべきだ。





オアシスに到着した。


私は天窓のハッチをあけて、車内へと顔をのぞかせて告知しておいた。


「ちょっとオアシスで給水します」


ハッチを閉める。


給水の準備を始めた。


まずダファルダムで、オアシスの水質を調査する。


うん、どうやら飲んでも安全のようだ。


新たにゴーレムを召喚し、給水ホースで、いつも通り給水させることにした。


「……」


ふいにオアシスを眺める。


周囲にさえぎるものが少なく、空のブルーがオアシスを水色に染めており……


太陽から降りそそぐ陽射しが、オアシスの水面に灼熱の光を落とし、きらきらとしたハイライトを生じさせていた。


美しいオアシスであった。


「……終わったようですね」


ゴーレムが給水を終えた。


私は後片付けをして、キャンピングカーへと戻った。

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