第5章190話:クライミング用具


崖を下りる準備を始める。


まず、すべきことは……


衣服の製作だ。


現在の私は魔法服ローブ


崖を下りるにあたって、ローブ姿ではさすがに厳しい。


専用の衣服を作っておいたほうが無難だろう。


「まずは衣服を用意します。クレアさんは、動きやすい衣服などはお持ちですか?」


「……いえ、実は考えてなかったわ」


「なら、私がクライミングに最適な服を用意しましょうか?」


「え、いいの? なら、お願いしたいわ」


「わかりました」


私は、自分のウェアと。


アリスティ、ニナ、クレアさんのウェアを製作することにする


キャンピングカーの中で、全員の採寸などをおこなう。


そしてリビングのテーブルに座って、服作りを始める。


頭の中で、服飾の工程を思い浮かべながら……


錬金魔法で、素早く製作。


その錬金の様子を見ていたクレアさんが、驚愕した。


「ふ、服をこんな一瞬で……!?」


「はい。クレアさんのぶんはこちらです」


私は、クライミング用のスポーツウェアをクレアさんに手渡す。


「すごいわねコレ。こんな手触りの服は、見たことがないわ」


と、クレアさんは驚いていた。


続いて、ニナ、アリスティにも服を手渡す。


最後に、私は自分のぶんを持って、キャンピングカーの風呂場に移動。


ササッと着替えを行った。


腰にベルトを巻きつけ、アイテムバッグを取り付ける。


これでクライミング衣服の準備は完了だ。


「さて……お次はっと」


300メートル下まで降下できるロープの作成だ。


これも1分程度で完成させる。


さらにはクライミンググローヴ、クライミングハーネスなどなど、必要な用具を製作。


それらをアイテムバッグに詰めてから、私はキャンピングカーの外に出た。


「みんな着替え終わったようですね」


ニナ、アリスティ、クレアさん、3人とも既にクライミングウェアに着替え終わっていた。


「はい! すごく動きやすい服ですね、これ!」


とニナがはしゃいだ。


アリスティとクレアさんが同意する。


「さすがお嬢様です。身体にフィットするタイプの服は、戦士服でもありますけど、ここまで着心地が良いのは初めてです」


「ロープを使っておりるなら、確かにこの服のほうが適していそうね」


全員、気に入ってくれたようだ。


さて、もうキャンピングカーは不要なので、アイテムバッグに収納してしまうことにした。


次にやらなければいけないことは……


「ロープで降りる前に、魔物を排除しておきましょう」


近くには鳥型の魔物が何匹かいる。


ロープで降下中に、あの鳥モンスターたちが襲撃してきたら、ひとたまりもない。


さきに殲滅しておくのが無難であろう。

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