第5章191話:魔物を一掃


ふたたび、探知の指輪を使う。


鳥の魔物たちは、全部で12体ほど存在する。


塊となって留まっているのが5体。


空を舞っているのが7体。


……アサルトライフルでいけるかな?


私は、アイテムバッグからアサルトライフルを取り出した。


【射撃補正の指輪】を装備。


そして、銃口を、かたまっている鳥魔たちに向ける。


次の瞬間―――――


発砲する。


ズドドドドドドドッ!!


と、アサルトライフルが火を噴いた。


3体を一気に駆除。


残り2体は、慌てて退避せんと、空に向かって舞い始めた。


それを追いかけるようにアサルトライフルの方角を調整し、発砲する。


2体を射殺。


あとは、空に飛んでいる7体だけだ。


と。


クレアさんが驚いたように言ってくる。


「なに、その武器!? 弓矢なんかよりずっと速い……それも、あなたが作ったものなの?」


「ええ、まあ」


短く答えてから、残り7体の討伐にとりかかる。


一匹ずつ、的確に撃ち落としていくだけだ。


(やっぱり、射撃補正の指輪はチートだよね)


普通、空を舞っている鳥を打ち落とすなんてのは、射撃のプロでも難しい。


しかも距離があるので、なお困難な作業である。


だが射撃補正の指輪は、ほとんどノーミスでの射撃を実現してくれる。


鳥魔たちは、銃弾から逃れようと、素早く動き回る。


だけどそれでも、指輪の完全予測からは逃れられない。


風向きや距離だけでなく、鳥魔の動きさえも計算に入れて、銃弾を放つ。


あえなく、鳥魔たちは絶命していった。


全てが終わったあと、アリスティが言ってきた。


「お見事でした、お嬢様」


ニナも続いて言う。


「すごかったです! あんな一瞬で、十匹以上の魔物を蹴散らすなんて!」


「ありがとうございます、二人とも」


私はアサルトライフルをアイテムバッグへ片付けた。


射撃補正の指輪も、収納する。


クレアさんがぽつりとつぶやいた。


「あ、あなた……いったい何者なの?」


「私は、しがない錬金魔導師ですよ」


「錬金魔導師……」


クレアさんは困惑していた。

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