第5章180話:武器テスト


さて。


アサルトライフルの実践テストは後回しにして。


音響兵器と並ぶ、第二の新兵器――――


電撃爆弾を創ることにした。


(投げつけたら、数秒後にスパークを発生させる爆弾……電撃爆弾)


異世界人は、電気の原理を知らない。


だから電撃系の攻撃は、防御結界などで防ぐのが難しいものなのだ。


――――私は、さっそくこの爆弾の製作に取り掛かることにした。


作るのは二種類の爆弾だ。


低アンペアの爆弾と。


高アンペアの爆弾である。


――――よく、電気の威力を示す指標として電圧ボルトが用いられる。


1万ボルトとか100万ボルトとか、そういうやつだ。


しかし、実は、攻撃で大事なのは電圧ボルトではない。


電流アンペアである。


低アンペアなら気絶させる電撃、


高アンペアなら死に至らしめる電撃、


となる。


以上のことを踏まえて、私はアイテム錬成をする。


できあがったのが二種類の電撃爆弾。


低アンペアのほうを【低スパーク爆弾】


高アンペアのほうを【高スパーク爆弾】


……と、それぞれ名付けておこう。


(あとは、電撃を無効化するアクセサリーを作っておきたいですね)


スパーク爆弾は強力である。


しかし使い方を間違えれば、自分や味方を感電させてしまう。


なので無効化アクセサリーも用意しておかなくてはならないだろう。


さっそく製作する。


電気の無効化をどうやって実現するか?


簡単である。


電気を通さない物質、絶縁体の原理を意識してアクセサリーを創ればいい。


よし。


……できた。


【電気無効化ブレスレット】の完成である。


「よし。実践テストをします。キャンピングカーを停めますね」


そう宣言してから、私はゴーレムに命じてキャンピングカーを停車させた。


外に出る。


「わ、私も見たいです!」


と、ニナが言ってきた。


同行を許可する。


「わかりました。アリスティ、ニナを守っていてください」


「承知しました。ニナさん、私のそばを離れないでくださいね」


「は、はい!」




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