第4章165話:ニナ


翌日。


昼。


晴れ。


公爵邸・執務室。


私は、ニナさんと顔合わせをすることになった。


執務室には、私とアリスティ。


それから机に座るダルネア公爵、その両脇に控える執事・メイド。


そしてニナさんが立っていた。


「は、はじめまして。ニナ・フローネンと申します! よろしくお願いします」


ニナさんが緊張した面持ちで、私に向かって挨拶をしてくる。


ニナ・フローネン。


年齢は18歳らしい。


緑色の瞳。


髪は青色のおさげ。


耳は尖ったように長く、彼女がエルフであることを示している。


服は、イメージとしては、日本の巫女服から袴だけをスカート状にしたような感じ。


まず、ゆったりした法衣のような緑色のトップス。


それから白いスカート。


ブーツ。


腰にはベルトを巻き、アイテムバッグをポーチのように提げている。


胸元には首飾りをつけており、ルビー色の宝石が赤々とゆらめいていた。


「私はエリーヌ・ブランジェ。こちらは私のメイド、アリスティ・フレアローズです」


「よろしくお願いします」


アリスティは軽く会釈をしながら、そう挨拶をした。


私は尋ねた。


「ニナさん、ダルネア公爵から話は聞きましたか?」


ニナさんは答える。


「は、はい。エリーヌ様が、私の錬金魔法の師になっていただけると……あ、これ」


そのときニナさんが羊皮紙を差し出してくる。


私が受け取ると、そこには【大エルフの聖杖】の必要素材が書かれていた。


「ありがとうございます。確かに受け取りました」


私は、ニナさんから受け取った紙をアイテムバッグに入れる。


さらに続けて言った。


「ダルネア公爵に聞いているとは思いますが、私たちは、これからリズニスを離れ、旅に出ます。ニナさんには、この旅に同行していただくことになりますが、よろしいですか?」


「はい。承知しています!」


なら、細かい話はキャンピングカーに乗ってから、行えばいいだろう。


私は言った。


「では、ダルネア公爵。私は、早速ニナさんを連れて出発したいと思います」


「わかったわ。なら外に出ましょう。見送りをさせてもらうわ」


「はい」


私たちは、ダルネア公爵邸を出る。




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