第4章145話:リズニスの素材屋
噴水広場をあとにする。
さらに路地を歩いていくと、素材屋が見つかった。
立ち寄ることにする。
カウンターの向こうで、女性店主が座っていた。
ポニーテールの若々しい店主である。
私は、素材を買いまくることにした。
50個、100個、200個……
欲しいものを次々とカウンターへ置いていく。
すぐにカウンターに素材が山積みになっていく。
「ちょ、ちょっとあなた、いくつ買うのよ!?」
店主がさすがに口出しをしてきた。
私は言った。
「えっと……ぶっちゃけ、あるだけ全部欲しいのですが……」
「ええ!?」
「ただ、買占めは良くないと思うので、程ほどにしておきます」
「すでに程ほどってレベルじゃないけど……」
「あ。ここからここまで、全部ください」
「程ほどって!!?」
ツッコミを入れてくれる優良な店主である。
彼女は、咳払いをしてから言った。
「まあ、買ってくれるなら別にいいわよ。ただ、お金はあるのよね?」
「あります。アリスティ、お願いできますか?」
「はい」
アリスティはアイテムバッグから、金貨の入った袋を、1つ差し出した。
入っている金貨は1万枚である。
「……!?」
店主は目を見開く。
アリスティは言った。
「1億ディリンです。十分、足りますよね?」
私は補足した。
「あ、おつりは要らないですよ」
計算するのが面倒だしね。
……と。
店主は、金貨10000枚の袋を見て、硬直していた。
ぽつりぽつりと、何事かをつぶやく。
「……なんて大金、なの……こんな大金を、ポンって……ポンって……」
店主は、乾いた笑いを浮かべていた。
大丈夫かな?
「えっと……素材、貰っていきますね?」
「ええ……」
呆然とはしていたが、店主の返事を聞けたので、私はアリスティとともにアイテムバッグへ素材を突っ込んでいった。
かなり豊富な素材が手に入ったので、私はホクホク顔であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます