第3章130話:証明
「と、討伐じゃと!? それは殺したという意味か!?」
「はい。二人とも、戦死いたしました」
「ば、馬鹿な……ルシェスとイグーニドラシェルが!? たとえ我が娘といえど、冗談ならば許さぬぞ!?」
「冗談ではありませんわ。その後、ヴァンブルと交戦することになり……これも返り討ちにしました」
シャーロット殿下がハッキリと答える。
女王陛下は驚きに頭を抱えている。
まあ、そりゃそうか。
ルシェス、イグーニドラシェル、ヴァンブル。
国の重鎮たる三人が一気に死去したとなると、リズニス王国を揺るがす大問題である。
驚き、混乱するのも無理はない。
そのとき、ヒューネ様が尋ねた。
「……姫様、三人の死を証明できる物品はおありでしょうか? さすがに言葉だけで信じろ、とおっしゃられても、その……信じ切れません」
ヒューネ様も動揺しているようだった。
「三人の首を所持しておりますわ。この場で出すのは、さすがにはばかられますが」
「構わん」
女王陛下がそう述べた。
「首があるというならば、今ここで見せよ。それが何よりの証明となる」
そう命令してくる。
シャーロット殿下が、こちらに目配せしてきた。
私は一つうなずく。
アリスティに指示を出して、首を出させることにする。
アリスティは了解し、アイテムバッグからテーブルを取り出した。
そのテーブルのうえに、ルシェス、ヴァンブル、イグーニドラシェルの生首を置いた。
「そんな……」
その場にいた誰もが絶句した。
女王陛下は額を手で覆い、深いため息をついていた。
ヒューネ様も、口元を手で覆って、硬直している。
大臣も、騎士たちも、みな唖然としていた。
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