第2章39話:一週間



3日目。


私は車の充電をする方法を考えていた。


一般的にキャンピングカーは、走ってれば勝手に電気が貯まっていく(走行充電)。


その電気を使って、車内にある家電を動かすという流れだ。


しかし、今は駐車したままで走っていない。


走らなければ電気は充電されない。


失われていくばかりである。


だから、走行充電とは違う方法で充電しなければいけない。


候補としては、やはり発電機がベストだろう。


なので発電機をつくり、床下に2個設置しておく。


これで電気の心配はなくなるだろう。





そしてスローライフ6日目。


この日は、私の誕生日だった。


20歳になる。


まあ、だからといって誕生日を祝ったりしなかったけどね。


この異世界では、数百歳、数千歳と生きる人も多いので、いちいち誕生日を祝ったりしていられないのだ。


なので祝うとしたら、デビュタントのような祝い事のときだけだ。


ただ……


(20歳になったからお酒が飲めるね!)


そう思った。


明日からお酒づくりをやろうかと、私は真剣に考え始めた。





スローライフ7日目。


お酒づくりをしようと思ったけど……


それよりなんとかしたい問題があった。


お風呂である。


「湯舟に浸かりたい……!」


キャンピングカーのリビングに座って私はつぶやいた。


このキャンピングカーの浴室はシャワールームである。


ゆえに、車中生活が始まってずっと、シャワーしか浴びてない。


浴槽に浸かっていないのだ。一度も!


だから私は、お風呂に入りたい欲求がムクムクと高まっていた。


なのでキャンピングカーを改造して、浴槽を製作することにした。


「というわけで……ちょっとお風呂を作ってきますね」


「……え?」


私の言葉に、アリスティがきょとんとしていた。


私はさっそく浴室に向かって準備を始めた。

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