第2章:湖のスローライフ

第2章35話:新しい武器



第二章



◆◆◆




―――リズニス王国。


海に面した中堅国家。


国土面積もかなり広い。


農業や林業も盛んであるし、海を利用した貿易でも栄えている。


人口は600万人程度。


とても平和な国として知られている。





入国して、キャンピングカーを走らせる。


まず入領したのは伯爵領である。


途中の村や街は無視して、街道を走り続ける。


そのあいだに、アリスティに一つの仕事を与えた。


それはアイテムバッグの中身を整理すること。


さらに、どのアイテムバッグに何が入っているのか、紙に書いてもらうこと。


つまりリストを作ってもらうことだ。


リスト化してくれないと、素材を探すときに時間がかかっちゃうからね。


一方、私はというと、新たな武器の開発を行っていた。


キャンピングカーの座席に座って、熟考する。


(手持ちの武器はショットガン、音響兵器、爆弾。これでは心もとないよね)


まずショットガンは射程が短い。


一方、音響兵器と爆弾は使い勝手があまり良くない。


なので、もうちょっとバランスの良い武器が欲しかった。


(【射撃補正の指輪】を手に入れたんだから、ショットガン以外の銃器にもチャレンジしてみようかな)


【射撃補正の指輪】は、銃にも適用されるのか?


その場合、どの程度、射撃を補佐してくれるのか?


ノーコンな私でも銃が使えるようになるか検証してみたい。


まあ、それはそれとして……


何を作ろう?


拳銃、サブマシンガン、グレネードなど、いろいろな銃火器の名前が頭に浮かぶ。


しかし、今回は射程を重視したい。


となると、ライフルがいいかもね。


(せっかく錬金魔法という離れ技術があるんだから、アンチマテリアルライフルでも作っちゃおうか)


というわけで……


長距離射程に秀でたアンチマテリアルライフルを製作することにした。


アンチマテリアルライフルとは、日本語では、対物ライフル。


『対物』なので、対人だけではなく、建物や遮蔽物さえ吹き飛ばす超威力のライフルだ。


射程距離はなんと1500メートル以上もある。


これを作ることができれば、超遠距離から魔物を狩ることも可能になるはずだ。


まあ素材はあるし、錬金魔法を使えば一瞬だろう。


錬成をはじめる。


―――30分後。


アンチマテリアルライフルが一挺、完成した。


射程距離1600メートル。


弾速はマッハ2の設計なので、1秒間に680メートルの距離を進む。


さっそく射撃テストを行ってみよう。


ひとけのない荒野に停車して、魔物の存在を確認する。


アンチマテリアルライフルを地面に設置。


【射撃補正の指輪】を忘れず薬指にはめておく。


伏せた姿勢で銃を構えた。


スコープのレンズをのぞき、十字の照準を魔物にあわせる。


荒野にはいろんな魔物がいるけど、まずはウルフから狙ってみよう。

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