第1章7話:キャンピングカー完成


一度、キャンピングカーを分解してパーツの状態に戻す。


それから、車体内部の製作に取り掛かった。


まずはテーブルの製作。


チェアの製作。


キッチンの製作。


トイレの製作。


シャワーの製作。


「……」


夢中になって、パーツを作り続ける。


我を忘れて没頭した。


楽しすぎて、時間を忘れてしまうほどだった。


作る。


作る。


作る。


ああ、幸せだ……。


脳が良質な酸素を得て、喜びに満ちている。


やっぱり、何かを創造するって楽しい。


ずっとこの時間に浸っていたいと思うぐらい。


さて、私は勢いのままに、シャワールームを完成させた。


最後に寝台スペース。


ベッドルームに関しては、私とアリスティが寝られるぶんが必要だ。


なので、2部屋つくることにした。


最後に天窓を作成して……よーし、こんなものだろう。


それぞれのパーツを組み合わせて、完成。


キャンピングカーの出来上がりだ。


「ふう~。終わりましたぁ」


製作時間は1時間。


たった1時間でオリジナルのキャンピングカーが仕上がるとは、さすが魔法だ。


キャンピングカーの側面に立って、車体を見上げる。


最終的な外装はこうなった。


(1)全長7メートル。胴が長い。ちょっとした小型バス。


(2)高さは2.5メートル。


(3)車体の色は白色。


さてさて、次に内装の確認―――――


と。


その前に……


とりあえず試運転をしてみたいね。


なにしろ、まだ実際に動くか分からないし。


というわけで走行テスト。


事故になったら嫌なので、私自身は運転しない。


代理で運転させるためのゴーレムを製作することにする。


このゴーレムは、簡単な命令なら聞いてくれる使役ゴーレムである。


こういったゴーレムを、私は3体までなら操作することが可能だ。


今回は、運転用なので【運転ゴーレム】と名付けておこう。


運転ゴーレムを1体製作し、運転席に座らせる。


準備は完了だ。


「アリスティ? 完成しましたよ」


見張りを行っていたアリスティに声をかける。


アリスティはキャンピングカーに近寄って、車体を見つめた。


「これが自動車……」


「そう。旅に最適な自動車で、キャンピングカーといいます」


「キャンピングカー……ですか」


「ちょっと試運転をしてみますね。じゃあ運転ゴーレムさん、よろしくお願いします」


私は運転ゴーレムに合図を出す。


ゴーレムは小さくうなずくと、車のエンジンをかけた。


危ないので私とアリスティはキャンピングカーから一定の距離を空ける。


運転ゴーレムがアクセルを踏んだようだ。


キャンピングカーが動き出した。

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