決闘
はぁ、ようやく午前中の授業が終わった。今は昼休みだ。授業はそこまで俺が行っていた学校と変わりはしなかった。授業が終わるとすぐに皆何処かへと行ってしまった。
姫奈と名前を呼ばれていた女子生徒からの情報によると、昼ご飯を貰いに行くらしい。この学校は昼飯をお金を払わずに弁当という形にして、配布している早く貰いに行かないと昼飯の時間がなくなるらしいので、だるくなった体を起こし貰いに行こうとする。
けれど俺の目の前には、特別クラスの気が強そうな男子生徒が立っていた。
「お前には氷姫はつりあわねぇよ。決闘しようぜ」
といちゃもんをつけて来る。特別クラスにもこういった輩がいることに驚く。まぁ能力は凄いのだろう。特別クラスの生徒でもあるし。そのせいでこんなにも態度が尊大化してしまっている。
正直やめてほしい。こう言うのは無視するのが一番だと思うのだが……。
そもそも坂上さんがこいつのもんになっているのもおかしいけどな。決闘ってなんだ?この学校のシステムが分からない。なので、俺は目の前の男子生徒に聞く。敬語は必要ないだろう。
「決闘ってなんだ?」
「決闘すらしらねぇのか?」
「ああ」
「そんなこともわからねぇのか。決闘って言うのはな、訓練場で異能力を使って勝負するんだよ!盛り上がるぞ!」
俺のことを馬鹿にしながらも律儀に教えてくれた。特別クラスの一生徒の実力を見るのも悪くないと思い、負ける前提で俺は許可を出す。
「いいぞ。やってやる」
「そういうと思ってたぜ!じゃあ訓練場に移動するかぁ!」
その動向を見ていた野次馬達とともに移動する。野次馬の中には姫奈さんや雫、坂上さんがいた。野次馬達は口々に俺達のことをどっちが勝つかを当てようとしていた。俺は聞き耳を立てる。
「どっちが勝つと思う?」
「やっぱり転入生でしょっ!」
「強いから転入するのを認められたってことでしょ?」
ぐはっぁぁー!俺に無意識の言葉の刃が刺さる。正直にいって俺は強くない。使える異能も弱い。負ける前提で勝負を受けたのに……。終わった。
俺の対戦相手もそれを聞いていたみたいで少し顔をヒクつかせる。まぁ結果としては俺はすぐに負けるのだろうが。
そんなこんなで歩いていく内に体育館?のようなものを見つけた。これが所謂訓練場なのだろう。中に入ると1階と2階に別れていて、野次馬達は全員2階で観戦するみたいだ。野次馬達はぞろぞろと2階に上がっていく。
俺たちは対面して向き合う。
「俺は獅童大河だ。お前を倒してお前を氷姫に失望させてやる!」
喧嘩を売ってきたこの生徒は獅童大河と言うらしい。今から俺はこの生徒にぼこられる。そう考えると憂鬱になってくる。ただ一応出来るところまではやるつもりだ。
「俺は――」
「月影壊だろっ!」
獅童はわざわざ俺の言葉を遮る。
「昼休みが終わるまで時間がない!早速やろうぜ!」
そう興奮しながら伝えてくる。
「いつでもいいぞ」
俺がそういうと、獅童が纏う空気が変わった。獅童は変な構えをとる。言うなれば脱力している。
それを見て俺も臨戦体制に入り、体に炎を纏わせる。
俺と獅童は睨み合う。
そのまま時間がすぎる。
「ふん!近づいてこなかったのはいい判断だッ!!」
獅童がそういい、足を踏ん張った瞬間――目の前に獅童がいた。
「おらぁぁぁ!!」
ッはやい!臨戦体制に入っていたおかげか、獅童のパンチを転がりながら避けられた。
そのまま獅童に向かって炎を出す。これで決まればいいのだが……。
――獅童は拳で炎を相殺する。
獅童の異能のタイプはこれで確定した。俺に接近するまで殆ど見えなかったし、炎を拳で相殺した。なら異能は筋力を増加するなどの第一型だな。
接近戦に挑まれたら終わりだ。一発で伸びてしまう。作戦を組み立てようとするが詳細な能力が分からない。
ただ自分には遠距離攻撃という一方的に攻撃できる手段がある。何故なら獅童は近距離戦闘インファイトタイプ。遠距離でペチペチ攻撃する俺のような相手には異能を最大限発揮しづらい。ダメージレースならどう考えても俺に分がある。
そう考え、俺は後ろに向かってジャンプする。獅童から最大限距離をとるためだ。獅童は追って来ない。獅童との決闘を振りだしに戻した。
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ここまでご覧いただきありがとうございます!
獅童との決闘が始まりました!戦闘シーンは表現が難しいですが頑張ります!
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それではっ!
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