学院生活
異能学院
「とりあえず学院にきて。みんなはここで解散」
「分かった」「おっけー」
と言って取り巻き達は帰っていった。ドアを開けてさっきの通路に戻る。
「歩きながら話す」
「分かりました。」
通路を2人肩を並べ歩く。
「とりあえず説明する。」
「その前に――」
「なに?」
こっわ。むっちゃ睨んでくる。俺この人に対してなにもしていないはずなんですけどー。
「名前を聞いていないなと思いまして」
「それは本当に必要?」
「必要っちゃ必要です」
「坂上日向」
「へ?」
「名前」
どうやら名前を教えてくれたらしい。そういってこちらを覗き込んでくる。口数は少ないが正面から見たら本当に可愛い。目は眠たげにしてて、学校の制服を着こなしており、何て言うか子犬?みたいな可愛さがある。要は愛くるしいお嬢様である。
「返事は?」
ぷくーと頬を膨らましながら、返事を催促してくる。可愛い。
「分かりました」
「その敬語も禁止。同級生だから」
「・・・・・わかりし――分かった。これでいい?」
「うん」
そういって満足したのか、俺から視線を外し前を向き喋り始めた。
「ここは異能学院第一地区の地下。これから異能学院の一年生の生徒として転入する。」
何て言うかまだ実感が湧かない。無能力者として生活し始めていたのが、急に異能に目覚めて、異能学院に入学するなんて。
「分かったけど第一地区ってことは何個か別の地区があるの?」
「うん第一地区から第八地区まである。それぞれ学校があって、全ての学校を集結させたのが異能学院って呼ばれる」
初耳だ。まぁ全校生徒五万人程いるって聞いたことがあるし、それも納得か。
「へー。学校ごとに分けられるってことは学校に違いがあるの?」
「学校ごとに優越を競い合ってる。第一地区以外は適当に分けられてる」
「第一地区は?」
「第一地区は全ての学校の優秀な成績を収めた人だけが入れる」
へーてことは、俺エリートじゃん。ヴィラン認定されたのは不本意だが、そういう評価を受けることに悪い気はしない。とか思っていたら急に坂上さんがジト目を向けてきた。
「調子に乗らないほうがいい。あなたの場合暴走したときに管理しやすいから」
はい。ごめんなさい。調子に乗りすぎました。
「分かった。それで第一地区の学校ってなんて呼ばれているの?」
「聖徳」
「聖徳か。他の学校は?」
「あるけど、今は覚える必要がない。その時になったら教える」
その後も俺達は話を続けた。しばらくすると階段が見えてきたのだが、階段の上の部分に扉がある。
「ちょっと待ってて」
「この扉は認められた人しか開けれない」
そういって階段の扉を開ける。そこには――学校が俺の目にはいる。でかい。
多分、前に通ってた高校の五倍くらいの広さだ。一種のお城?みたいな校舎になっている。
「ここが聖徳。君が三年弱暮らす所だよ」
そう、坂上さんは微笑んだ。俺は勘違いしていたのか。坂上さんは微笑んだりする人ではなく、無表情の人かと思っていた。勘違いとは恥ずかしい限りだ。
「……ここが聖徳か。」
これからここで三年ほどを暮らす。感慨深いものがある。
「うん。じゃあ次は君の部屋を案内する」
「部屋までくれるのか」
「聖徳に入った人は絶対に寮に入ることになってる」
「そういうことか」
坂上さんは校舎とは逆の向きに歩き出す。慌てて俺もついていく。歩くのが早いんだよなぁー。
「寮まで5分くらいあるから。異能について説明する」
「異能についてはほとんど分からないから一から教えてくれ」
「分かった。」
「まず、異能には五つの種類分けができる」
「うんうん」
「身体能力に関することが第一型。体の一部を変化させるのもこれ。で第二型は放出系。水を出したり炎を出したりできる」
ってことは俺の炎を出すっていう能力は第二型に当てはまるのか。
「第三型はテレパシー系。心を読めたりする。」
さっきいってた【狼の嗅覚】ってのはここに当てはまるのか。
「第四型は創造系。何かを作ったりして、攻撃する。剣とかを作れたりする」
剣とかむっちゃかっこいいなぁー。俺も造ってみたい。厨二心が疼くぜぇ。
「第五型はそれ以外。ほとんどいないし気にする必要はない。だから四つあるとだけ覚えておいたほうがいい」
「分かった。因みに坂上さんは何型なの?」
「人に異能について詮索するのはマナー違反。」
「そうなのか。分かった。やめとくよ」
「それでいい」
そういって坂上さんは微笑む。
「ついた」
「寮?」
「うん。ちょっとだけ説明する」
「分かった」
俺達がいる道の左右にある大きいマンションを見やりながら言う。
「こっちの左の方のエリアが男子の寮。でこっちは――」
「女子ね」
「午後9時以降は男子は女子の部屋を尋ねることは禁止されてる。見つかったら、ペナルティがあることを忘れないで」
まぁ妥当か。俺が女子の部屋に入ること前提で話しているのはちょっと気になるが。
「で、君の部屋は最上階。両隣に2人住んでいて、他は空いてる」
「最上階なんかくれるのか」
「そう。その両隣の生徒は強いから」
「はぁ。まだ警戒されているのか…」
「それが嫌なら信頼を勝ち取ること」
俺に部屋の鍵を手渡してくる。
「ここで終わり。じゃあ、また明日」
「おう。じゃあな。ありがとう」
坂上さんは背を翻して女子の寮へ向かうのを見送っていたのだが、急にスタスタと戻ってきて
「そういえば、君が元ヴィランだということは君の身柄を確保した班しか伝えていない。明日から授業がある。それがばれると良くて退学。悪くて処刑。冗談では済まされない」
「分かった。気をつけておく」
「気をつけて」
そう伝えるとまた女子寮のほうに歩みを進めるのだった。
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小説を書きはじめて始めてハートをもらいました。
感激で泣きそうです(笑)
P.S.題名が今、仮何ですけど、こういう名前はどう?などがありましたら、ご一報ください!!
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