第拾弐話 海外のFX証券会社にはレバレッジ1000倍なんてのがあるんですよ

「次にお金なのですが、ちょっとかなでさんの名前でこのFX口座を作って少しだけ最初の資金を貸してもらえませんか?」



「ええっ?FXなんかやるの?」



「これがお金を増やせそうなのです。

 私は先見の力を使うことで1分ほど未来の動きがわかるようにできます。

 あとは、このシステムトレードツールに条件を合わせて売買するプログラムをセットすれば自動でお金を増やし続けられる様になります」



「そ、それは確かに増え続けそうね」



「はい、ただの機械が相手ですから魔力をほとんど使わずに未来視ができますので、たまに魔力を込めるだけでずっとお金を増やし続けることができます。

 元の世界ではどうしても人間や動物など動くものを相手に使っていたのですごく魔力を消耗していたのでここぞという時にしか使えなかったのですが、このパソコンくらいだと画面の一部分だけを先読みするだけで済むので負担がほどんどなく軽々できます」



「システムを作って効率的に運用させるとか・・・

 リシュナちゃん、ものすごい勢いでこの国に馴染んでいないかしら?

 まぁ、良いわ。お金はいくらあっても困らないし、非合法な手段でもないし良いわね。

 でも、身分を作って落ち着いたらリシュナちゃんとマオちゃんが自分名義の口座を作ってちょうだいね」



「「それはどうしてですか!?」」



ふたりから異口同音で勢いよく質問された。



「この国ではね、ある程度まとまったお金は他の人にあげるだけでも税金がかかるの。

 今はいいけど、落ち着いたらリシュナちゃんもマオちゃんも一人で暮らしたいでしょ?」



「「そんなことありません!」」



今度はふたりから異口同音で勢いよく否定された。好意的なのは嬉しいけど、姉妹にはなりたくないって・・・



「一緒に居てくれるつもりでいるのは嬉しいけど、一緒に暮らしていてもお金は別々の方が都合が良いことが多いから、身分ができたらそれぞれが作りましょ」



「わかりました。それとカナデさん、ワタシが迷い込んでしまったおうちの件なのですが、死傷の被害者はいなかったものの犯人は逃亡中ということで厳戒態勢が敷かれているという事です」



「そうよね・・・そうなるわよね・・・目を背けたかったけど・・・

 とりあえず、お腹空いてない?」



「「空いてます!」」



またもふたりから異口同音で勢いよく返事をもらったので、デリバリーで注文した。


リシュナちゃんもマオちゃんもとんかつを美味しそうに食べてくれてあたしも満腹だった。可愛い女の子達が美味しそうにご飯を食べているだけで幸せな気分になれるわよね。




・・・そうそう、忘れない内に来週1週間分の休暇申請しておこう。うちの会社のバグなんだけど、1週以上の長期休暇になる場合は課長じゃなくてその上の次長決裁になるから、逆に申請しやすいのよね。次長は課長と違ってコンプラ意識高いし、勤怠申請に不備がなかったらそのまま承認してくれるし、あたしの勝ちね牧島まきしま課長@ハゲ、はぁと。


あとはチームのみんなに謝罪のメールを入れておけばなんとかなるわね。この時のためにいつもフォローしてるんだから、文句は言わせないわよ。

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