第26話 悪魔のレシピ
「はーい、今日も【悪魔のレシピ】にようこそ。ええとね、今晩は、フアンの方からのお便りからレシピを紹介しますね」
『私はオーガ肉が苦手です硬くって臭くって、でも彼はそれが良い何て言うんです。
もし、彼にオーガ肉の料理を作って欲しいなんて言われたら……そこでお願いです、
柔らかくて臭くないオーガ肉を使ったレシピを教えてください』
「ふむふむ、簡単なのは産まれたばかりのオーガの子供を攫ってくることね。もしくは15歳以下のオーガの女の子ならまだ柔らかいですよ~」
「特に産まれたての子なんて、蕩けるような柔らかさと臭みの無い美味しさは絶品ですよ~」
「え?入手出来ない?そんな事無いですよ~。お金と力さえあれば手に入れられない物なんて無いですよ~」
「貴女も悪魔なら手下の何人かに命じれば良いだけの事でしょう」
「誘拐は犯罪だから駄目だろうって?、あなた何人間みたいなこと言ってるの!悪魔は度胸よ!
あたしの書いた【ゴブリンでもわかる完全犯罪】を買ってお読みなさい。努力もしないで美味しい思いをしようなんて100万年早いわよ」
でも、今日は特別に硬いオーガ肉を柔らかくする方法を教えてあげるわね感謝しなさい。
それはね、肉を熟成させるのよ。簡単に言うと、腐る寸前まで放置するのよ。ああ、放置プレイって燃えるわ~コホコホッ」
でも、腐らせちゃ駄目よ。熟成って結構温度管理とか何とか難しいのよねえ。だからね、素人は止めといたほうが良いわね。
熟成魔法を使える人を見つけるか、お肉屋さんに頼みなさい」
もし自分で熟成させた場合は念の為に解毒ポーションかエリクサーを用意しておいてね。
先ずはあの忌々しい聖女に浄化してもらってから調理しましょう。
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「でここまでは良いかしら?
さあ、仕上げよ。隠し味に熟成させた
フグの毒を大さじ一杯振りかけてね
間違って熟成していない毒を使ってしまったら
初めに用意した解毒ポーションかエリクサーを使ってね。フグ毒に耐性が有る人は、しびれるような美味しさだって言ってたわよ。
もしも耐性の無い人が毒に当たってしまって
そして、解毒ポーションもエリクサーも用意してなかったら早急に地面に穴を掘って首から下を埋めてしまって、解毒魔法を使える人を探すことね。
だから、スコップは数本用意しておくこと。
もしも、もしもよ。その人が死んでしまったら、物理的にこの世から消去してしまいなさい。
『あの家に行ったきり姿を見ていない』って噂が流れて悪魔警察に事情聴取されたら
『なんか、自分探しの旅に出るので探さないでくださいって言ってたような』
とか
『あら、私は真実の愛を見つけに行くって聞いたわ』
などと、あやふやな証言を用意しておきなさい。
あやふやな方がよりリアリテイーがあるでしょ。
まあこの後はあたしの書いた【ゴブリンでもわかる完全犯罪】を買って読んでね。
今日の教訓は『美味しいものを食べるのは命がけって』ことね。
それじゃあまたね。貴方の恋人【デビルマキ】でした。シーユー」
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