第12話 少女瞳の冒険➃能力が増えていきます

 

 魔法書がドロップすることがあるダンジョンに挑戦したいと

 思います。

 私は身体強化と収納の魔法は使えますが火魔法とか水魔法は

 使えません。おじいちゃんも使えなかったし村の人たちも使えなかったです。

 どこかのダンジョンで【魔法の書】をドロップ出来たら

 使えるようになるだろうと、おじいちゃんは言ってましたが、

 どうでしょう?



 色々噂を聞いて予測するにこの洞窟型のダンジョンが1番怪しいです。

 たった5層だけのダンジョンですが層が変わると格段に魔物の強さが上昇するということです。


 1層目は本当に初心者向けみたいです。

 スライム、ホーンラビット、ゴブリン、ウルフ、で、

 階層主はフオレストボアでした。

 村ではいつも猪狩りしていたので簡単に攻略出来ました。


 2層目はオークでしたが徐々に数が増えてモンスターハウスでは20匹のオークを相手にして勝ち抜けました。

 階層主はオークキングでした。

【動体視力】の効果は絶大です。レベルが10に上がった為か

 相手の動きが止まって見えます。お陰でサクッと倒せました。


 そこで【命中率上昇】と【投擲強化】が発動しました。

 収納から弓矢と手裏剣を取り出して3層に向かいます。

 最初の魔物はファーストジャガーでした。

100メートル先にいるのを発見しました。【遠視】のお陰?


 向こうも気付いたようです。こちらに向かって来ます

真正面から見るとそんなに速くは見えませんがもう半分の距離に来ています【秒速30m】と鑑定されました。時速にしたら約100㎞です。【動体視力】の無い人にとっては凄く速いでしょう。



 矢を放ってみます。一発で眉間に当たりますしかも矢の三分の一位入り込んでいて、ファーストジャガーは倒れました。

 新能力の賜物に違いないです。


  それで早目に敵を発見し100発100中で倒して階層主は

 ベヒモスでした。


 頭に2本の角が有って背中にも6本の角みたいな突起が有ります。背中には

 毛が生えていますがその他は堅そうな皮で覆われていました

 体高は6~7メートルだと思います。皮膚の色は黒っぽい灰色です。


 でもベヒモスの攻撃はどんなものなのでしょうか?

 鑑定しても【攻撃方法不明】としか出ません。

 とにかく離れたところから攻撃してみます。

 矢は弾かれました。

 でも私は諦めません。手裏剣で目と鼻の穴を狙って打ってみます。

 眼の方は弾かれましたが鼻の穴には奥まで刺さったようです。


 ギュルアアアアアアアアーーー


 悲鳴を上げ、頭を下げて私に突進してきます。

あの角で刺すつもりです。横に避けようとしましたが

足が動きません。幸い、手は動きます。

 刀を奴の鼻穴に向けて構えます。


 ギュルアアアアアアアアアーーー


 ベヒモスがまた鳴きました。

「あ、ヤダ今度は手が動かない」


 あの鳴き声が身体を動かせなくするみたいです。

 なんてのんびり考えている場合ではありません。

(身体強化!!)

 突かれても跳ね飛ばされても大丈夫なように身体強化を

掛けておきます。


 巨体が目の前に迫っています。角が丁度私の顔の位置に

有ります。


(あ、でもこれならひょっとしたら)


 構えていた刀が肉を切り裂いた感触を感じた時私の身体は弾き飛ばされていました。


 少し気を失っていたようです。


 気が付くと手足は普通に動きます。

「ベヒモスは?」

 鼻の穴に私の刀が柄まで突き刺さった状態で、息絶えていました。ここのダンジョンでは魔物の死体は消えないようですね。説明する時に現物を見せれば良いから楽だね


「あ、宝箱だ!」

 鑑定でミミックではないことを確認してから蓋を開けました。

「有った。魔法の書!


 書を開いて読んでみます。次々と魔法の使い方が頭に流れ込んで来ます。



 普通に火、水、木、金、土、氷、風、魔法は使えました。

 その他にも何か使えそうですが今はまだ使えません。

 これもレベルアップすれば使えるようになるのかも知れません。

「あれ。まだ何か書いてある」

 書の最後に第5層を攻略する為に世界中に散らばる後6か所のダンジョンを攻略しないといけないそうです。


「決めた!私、旅に出る!もっともっともっと強くなって帰って来る。そして、ここを完全攻略してやるんだ」


 今日獲得した能力は【精神攻撃耐性】【身体異常耐性】

【7属性プラスアルフアの魔法】

 能力【遠視】の派生能力【命中率上昇】【投擲強化】



「瞳ちゃん本当に行ってしまうの?」

「うん、必ずもっと強くなって帰って来ます」

 ギルドに3層まで攻略したこと、各階層主の情報を提供して

 ギルドをあとにしたのです。



         少女瞳の冒険一旦終了


この物語は【くノ一おとみは転生者です】に、繋がっています。

      ↑こちらもよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る