第11話 少女瞳の冒険➂ 派生能力【見憶】
つぎの日から薬草採取の依頼を受けて【鑑定眼】の
レベルアップに勤しみました。そのついでに襲ってくる
魔物を倒していたら、その他の能力もレベルアップして
いきました。
んで~気が付いたら【見憶】という能力が追加されていました。
でも、やっぱりどういう意味なのか分かりません。
ギルドに今日の結果を報告に寄りました。
「あ、瞳ちゃんちょうどよかった。受けてほしい依頼があります。
受けてくれませんか?」
「いいけど、どんな依頼?」
「傷薬の原料となる【アネキリ草】の採取なんですが……」
「え、初めて聞く名前。どんなのか分かる?」
ここに図鑑がありますこれを読んで下さい」
「えっとメモメモ……あっ記憶できちゃった」
読むというより一目見ただけで文字だけじゃなく挿絵迄
記憶できちゃいました。生息地の地図もパッと頭に浮かんで
来ます。これが【見憶】の効果なのですね。便利!
地図に沿ってアタカ山の裾野の古代森に走りました。
(この辺よね)鑑定を発動してアネキリ草を探します。
今はまだ自分中心に半径3メートルでしか使えません。
(もっと広い範囲を鑑定できればいいのになあ)
やっと見つかりました。大きな木の根元の日陰でした。
草の根から3センチ上部で切り取ります。
(あ、又有った。でも黄色い斑点が葉の裏に有ります)
「【鑑定眼】!」
『【オトナキ草】。アネキリ草に酷似するが、薬効が有りません。』
「危ない危ない引っ掛かるところだった」
指定数を確保して帰ろうとすると
GUUUUUU--
唸り声がしました。
【ワイルドラビット】です。額の1本角と凶悪な前歯で
人を襲います。私の周りに10匹位います。
(魔物検知能力が欲しいな)
私は大きな木を背にして身構えます。
「身体強化」全身を金属のような硬さに強化します。
ラビットどもが一斉にとびかかって来ました。
刀を一振りすると半分のラビットが血にまみれました。
何匹か私の身体にぶつかっては、角が折れ、前歯が欠けて
逃げ去っていきました。残ったのは3匹。今回は毛皮が目的
じゃないので、傷だらけになろうが皮が血まみれになろうが
遠慮なく殺傷します。
『【近視】がレベル10になりました。新しい能力【遠視】
が贈与されました』
あの声が聞こえます。
『能力【遠視】の派生能力【魔物検知】
【広域探知】が発動しました』
あ、さっき欲しいと願った能力です。
「神様見守って下さってありがとう御座います」
あ、因みに私はぴちぴちの13歳よ。
おばあちゃんじゃあるまいし【遠視】ってねえ……
失礼じゃない?
ギルドに帰って来ました。
「瞳ちゃんありがとうございました。全部アネキリ草で
間違い有りませんでした」
聞けば依頼しても必ずオトナキ草が混じっている。
のだそうです。まあ鑑定出来ないと黄色い斑点が見つけ
られないものね。
「ところでワイルドラビットに襲われたんだけどいつも
出てくるの?」
「ええー!どの位の数でした?」
「10匹いたけれど3匹逃げられたの」
「そんなにですか?直ぐにDランク依頼に変更します」
「いつもはそんなに出ないの?」
「ええ、いつもはFランク依頼なんですよ」
「毛皮は使えないかも知れないけれど買って貰えますか」
「はい。解体場にお願いします」
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます