みんなでお風呂! 後編

 ハルちゃんの髪を洗い終わった私は、次に自分の髪を洗う。ばちゃばちゃ。シャワーから流れる水の音で三人の会話を聞くことは出来ないけど、何を話してるんだろ。



リン「ヒメの体ってきれいだよね」


ユズ「モデルさんみたいだよね~。スタイルもいいし~」


ハル「羨ましいなー。ハルも大きくなったらあんな風になれるかなあー?」


リン「同い年だけど、どこか大人っぽいところが良い」


ユズ「分かる~! ハルちゃんいいな~、私もよしよしされたいなあ~」


リン「同感」


ハル「? 二人も洗ってもらったら?」


リン「いや、そんな事したらヒメが冷えてしまう」


ハル「そっか……。確かにそうだよね」


ユズ「じゃあ……。あ、あの……」



 頭を洗い終わった私は湯船の方を向くと、三人はリンちゃん、ハルちゃん、ユズちゃんの順番で三角座りをしてこっちを見ていた。見られてる?

 三人に何を話していたのか聞こうと思ったけど、ユズちゃんがこんな事を言った。


「じゃあ……。あ、あの~リンちゃん! 私達で髪の洗いっこしたいな~なんて」


 おおっと、もしかしてそういう雰囲気だったの? 危なかった、会話に割り込まなくって良かったー。セーフ。

 あとワンテンポ髪を洗い終わるのが早かったら、ユズちゃんが勇気を振り絞って言おうとしたセリフを遮ってしまうところだった。そんなことをしようものなら、私はラブコメで言う「雰囲気ぶち壊しモブ」になってしまう。

 さて、この質問に対し、リンちゃんは驚いた表情でユズちゃんをみた。一瞬の逡巡の末、少し恥ずかしそうにリンちゃんは「うん。いいよ」と言った。


「やった♪」


 ユズちゃんは嬉しそうに笑った。守りたい、この笑顔。



 ところで、二人の間でぽけーとしているハルちゃんは今どんなことを考えてるんだろ?



「ユズちゃんの髪の毛ってきれいだよね」


「ありがと~♪ リンちゃんもとっても綺麗だよ~」


「ありがと」


 そんな事を言いながら洗いっこしている二人を、私はぼーっと眺めていた。


 リンちゃんの肉体からだは引き締まっていてカッコよさすら感じるわ。なんというか、ぎゅっと抱きしめてもらいたい。ああやって頭を洗ってもらっているユズちゃんが羨ましいって思ってしまうくらい。

 前に何か運動しているのか聞いたら、寝る前にストレッチしてるって言っていたわ。すごいなー、私も運動したほうがいいかな?

 ちなみにどこがとは言わないけど、そこそこ大きいよ。タナー段階で言うとⅢくらいかな。


 ユズちゃんの肉体からだは中学生ながらもすでに女性としての魅力があって、こうして見ているだけでも胸がドキドキする。

 ハルちゃんを洗っている時に感じた気持ちを「子供を相手にした時の庇護欲」とするなら、今ユズちゃんに感じているこの気持ちは「大人を相手にした時の憧憬や情欲」なんだと思う。

 ちなみにどこがとは言わないけど、大きいよ。タナー段階で言うとⅤはある。


 ぽよん


  ぽよん


 ぽよん


  ぽよよん


「……」


「あ、あの~? ヒメちゃん、そんなに見られるとちょっと恥ずかしいかも~///」


「! ゴメン、ユズちゃん!」


 つい揺れ動くそれに目を奪われていたことが本人にばれてしまった。恥ずかしそうにしているユズちゃんにリンちゃんは言った。


「でもヒメの気持ちも分かる。これは思わず目が行ってしまう」


「り、リンちゃんまで~///」


 うんうんと私は頷く。すると隣にいたハルちゃんが私を見ながら言った。


「でも、ヒメの胸も大きいじゃんー! いいなー、ハルなんてまだぺったんこなのにー」


 うおーい! ちょっとハルちゃん?! せっかくここまで明言してなかったのに!


 ハルちゃんは私の隣にすすっとやってきて、私の胸をちょんと触った。


「ふにゃん! ちょっとハルちゃん?!」


「あはは、ヒメちゃん、くすぐったいの?」


「そ、そういう訳では……。ちょ、ハルちゃん。ひゃん!」


 ハルちゃんが私の胸をぷにぷにと触り始めた。はわわわ……。

 女の子同士だからセーフなのかな? いやもうこれはアウトに片足突っ込んでるでしょ! ふにゃああ……。


「は、ハルちゃん。ほら、向こう。ユズちゃんの方がもっと大きいから」


「ヒメちゃん?!」


 ハルちゃんのくすぐり(?)のテクニックに私はもう耐えれそうになくなり、逃れるべくユズちゃんを売ることにした。突然白羽の矢が立ったユズちゃんはびくっと体を震わせる。

 ハルちゃんは私の言葉を素直に受け止め、湯船を飛び出し、その魔の手をユズちゃんに向けた。


「ゆーずちゃん! すご! やわらかい!」


「ヒメちゃん?! 私を売ったのね~?! ひゃん! ちょっとハルちゃん?! はわわわ~」


 ユズちゃんとハルちゃんが仲良く戯れているのを見ながら、私とリンちゃんは湯船でゆっくりと寛いでいた。


「ハル、無邪気な顔して恐ろしい子だった?」


「そうだね……。今もドキドキふわふわしてる……」


 私はリンちゃんの肩にもたれかかった。リンちゃんは私を軽く抱き寄せ、よしよしと頭をなでてくれた。


「ありがとリンちゃん……」


「うん。……ところでさ。お願いしたいことがあるんだけど」


「なに?」


「私も触ってみていい?」


「いいよー。……はい?」


 リンちゃんが真面目なお顔でお願いしてくるものだから、つい反射的にいいよって言ってしまったけど、次の瞬間私は大いに困惑することになった。


「え、え、ええ? ど、どういう事?」


「いや、他人の胸なんて触ることないし。どんな感じなんだろって」


「で、でも……。は、恥ずかしいよ……」


「じゃあ、ヒメも私の触る?」


「ふえ? ……いいの? それならいいよ」


 長々と感想を言うのもなんだかなあって感じだし、一言で言おう。

 リンちゃんのお腹は引き締まっていたけど、胸は柔らかかった。




◆ あとがき ◆


 という訳でお風呂回でした!


 ちょっとしたご報告を。明日は3部構成のストーリーとなっていますので、18:05、19:05、20:05に更新します!

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