機械仕掛けの再生産機
ピコピコ! ウィーーン!
ガチャ! ガチャ!
「すっごーい! ロボットが働いてる~! ハル、これ知ってるよ! 産業の自動化ってやつだよね?!」
「これがダンジョンの産物じゃなければ、すごい技術だって感動できたのに」
「小学校の頃に行った、自動車工場みたいだね~」
ここは隠しエリア「機械仕掛けの
暗証番号の覚え方は「一緒に踊ろうぜ!」だ「
中に入ると多くの機械がせわしなく働いている場所を見下ろすことができる。ベルトコンベアに乗って運ばれてくる部品に各々が加工を施す、いわゆるライン作業ってやつかな?
「ねえねえ! あれって何を作ってるのかな?」
「コンピュータっぽい部品が見えるから、パソコン工場じゃないかな~?」
「惜しい! 確かにここではコンピュータっぽいものを作っているけど……。リンちゃん、分かる?」
私がリンちゃんに目線を向けると、リンちゃんはこくりと頷いて予想を言った。
「ヒメがここのことをリポッパーって呼んでたし、見当はついてる。魔物のリポップをする装置、つまりここらの層を徘徊しているロボットを作ってると予想してみる」
「うん、リンちゃん正解!」
「えー! ここ、魔物を作ってる場所なの?!」
「魔物ってこんな風に作られてるの?!」
「この階層はね。正確には、81~90層は全体で一つの魔物なの。ロボット都市っていう巨大な魔物。今まで戦ってきた敵は雑魚敵もボスもひっくるめて、『魔物の一部』っていう設定ね」
「なるほど!」
「面白い。これに最初に気が付いた人はびっくりしただろうね」
「じゃあ今、私たちは魔物の体内にいるってこと?」
「体内かあ。なるほど、いい例えだね。私たちはロボットシティーという巨大な魔物の中に侵入して、その中で免疫細胞と戦ってる、みたいな?」
◆
工場を進んでいくと、雑魚敵が完成していく過程を見ることができる。ちなみに、この様子はロボマネージャーで撮影しているから、後でゆっくり見返すことができる。
さて、完成した雑魚敵が出荷(?)されるスペースに来た時、突然警報が鳴り始めた。
『ビー! ビー! ビー!
侵入者を発見。侵入者を発見!』
「侵入者?」
「もしかしなくても」
「私達?」
「そうだろうね。あ、向こう!」
私が指さした先にはロボット警備員がいた。彼は手に仕込まれたスタンガンをバチバチ鳴らしながら私たちに近づいてくる。
『排除! 排除! 排除!』
「〈マジカルバースト〉! 効いてない?!」
「ど、どうしよう~?!」
「ヒメ、どうするの?」
ハルちゃんが魔法で攻撃するも、警備員には謎のバリアが張られており、傷一つつけることができない。
『排除! 排除! 排除!』
「逃げるよ、三人とも! 急いで!」
「「「逃げろー!」」」
『警告! 警告! 今すぐ投降せよ!』
警備員が迫ってくる。私は曲がり角を曲がったところにあったトロッコに飛び乗るように三人に指示した。
「これに乗って逃げるよ! みんな乗った? シートベルトも締めたね? じゃあ、発進!」
ガタン。四人を乗せたトロッコは大きく揺れ、徐々に動き始める。
『逃がすな! 逃がすな! 逃がすな!』
「あばよ~!」
後ろで慌てている警備員に向かって私は手を振る。
「ばいばいー!」
「じゃ」
「またね~!」
◆
トロッコがガタガタと大きく揺れながら、線路の上をすべるように走っていく。その間に、私は三人にここでのルール説明をする。
「今からこのトロッコに向かって色んなロボットが襲ってくるから、マジカルバーストを使って倒そうね。ロボットを倒すことができたらポイントゲットよ!」
「おおー! まさにユニパみたい」
「ポイント……?」
「楽しそうだね♪」
「各ロボットには赤く光っている弱点部位があるから、そこに好きな属性の魔法を当てようね! それと、ユニパとは違ってここでは敵も私たちに攻撃してくるから注意だよ! 爆弾を投げつけてくるから、マジカルバーストを当てて相殺しようね!」
「分かった!」
「いや、訳が分からない。本当にダンジョンの中?」
「も~リンちゃん! 難しく考えるのはだめだよ! ちゃんと楽しまないと~!」
「う、うん。分かった」
「さあ、もうすぐ戦闘エリアが始まるよ! 頑張るぞ~」
「おー!」「お、おお~?」「おお~♪」
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