novel.2 品行方正な副会長
品行方正。履歴書に書くならきっとそんな言葉が似あうねと言われて、17年間過ごしてきた。小・中・高と生徒会に入り、いつの間にかどこに行っても真面目な優等生だと思われていた。でもまぁ、間違いではないし、私自身そう思われた方が嬉しかったから自然と自分もその優等生に寄せて学校生活を送っていた。周りの人からはつまらない学校生活かもしれないけれど、私は別に満足しているし、これでよかった。
友達はいない。恋人もいない。特に必要がないから。一人でも学校生活は成立するし、ああいう人との繋がりって面倒くさいと思ってしまうタイプだったから。そんな私の友達は生徒会活動と読書ぐらい。生徒会は楽しい。毎日の積み重ねで副会長にもなれたし、やりがいもある。メンバーもみんないい子ばかりで助かっている。ただ、唯一、少し気になっている子がいた。気にしているといううか、どうしても注目を惹く子。
まぁそんな話はどうでもよくて、とにかく私は生徒会活動が楽しかった。やりがいもあるし、些細だが先輩後輩とのやり取りも楽しい。学校の為に何か貢献できることがあるというのはやはり私の中では割と重要な項目で、学校の楽しみと言ったらそれしかないのだから、私もとんだ生徒会中毒者であることは間違いない。でも、それでもいい。どうせ私の楽しさなんて誰にも分らないのだし、私がやることが人の役に立っているなら、それだけでよかったのだ。品行方正、その名の通りに、人のお手本になるような、そんな私が、きっと私も好きなのだから。
でもそんな働きっぱなしの私に癒しをくれたのが、読書だったのだ。
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