我はリヴァイアサン、たらこパスタが美味い!

我はリヴァイアサン、海の平和を守るため、とある海域で門番をしている。

ただ、我の体は巨大なゆえ、皆にあまり動くなと言われている。どうやら我が動くと、海流が乱れてしまうらしい……

たまには、我だって日光浴をしたいのに……

仕方がないので、我はスマホでソシャゲをしている。


「ああー今日も平和だなあ〜。早く課金して、ガチャ引きて〜。でもお金ないしな~」


給料日前なので、課金を我慢しながらソシャゲをやっている。するといつものように、この海域に住む住民が、我の前を通過していく。


マグロ「リヴァイアさん、おはようございます!今日は何のソシャゲやってるんですか?」

「うむ、モンスターの伝説とゆうゲームだ。コレクション要素が楽しくてな〜」

マグロ「そうなんですね。でも、課金ばっかりせずに、たまには美味しものでも食べてくださいよ?そんじゃ俺は、これから市場に行ってきますから〜」

「うむ、行ってらっしゃ〜い」


うーむ……最近は金魚のエサしか食べてないので、何か美味いものが食べたいのは確かだ…

よし、出前をとろう!!

我はスマホで、美味しいと噂のレストランに電話する。


〈プルルルルー♪プルルー…カチャ〉

「はい、モンスター・キッチンです!」

「もしもし、出前を頼みたいのだが。たらこパスタってできます?」

「はい、できますよ〜」

「住所なんですけど。深海四丁目、魚2番地のーー」

「はい、承りました。25分程でお届けできますので、お待ち下さ〜い」


待つあいだ、お金稼ぎでもするか。いや〜ゲームだと楽勝なんだけどな~。

そうこうしていると、潜水艦がやってくる。

モンスター・イーツが、たらこパスタを届けに来てくれたのだ。

カプセルを発射すると、地上へと戻っていく。

なるほど、水中だからカプセルの中に入っているのか。我は大きな泡を作ると、その中でカプセルを空けた。


「おお〜、これは贅沢だ!!さっそく頂くとしよう!」


パスタの具には、たらこ、大葉、細ネギが入っているようだ。

トッピングで、刻み海苔も乗っかっており、見映えの良さも抜群である。

まずは一口、チュルチュルと食べる。


「ゲムナァ!!マンナェ△◯♂ホイ!!!」


言葉にならないくらい美味い!!バターのコク、濃厚な生クリーム、それにこれは……ニンニクだな!!

美味すぎて踊ってしまいそうだ!!!

我は無意識に、体がクネクネしてしまう。


ーーーーー


ここは、新鮮市場。


〈ゴゴゴゴゴ………〉

マグロ「あれ?地震かな?でもそんな雰囲気じゃなかったよな~。ま、いっか」

タコ「安いよ安いよ~~、買わなきゃ損だよ~」

マグロ「おおー!!タコが100㌘8円!!すいませ〜んーー」


ーーーーー


我は、たらこパスタに夢中だった。


「どれどれ、今度は一気にチュルチュルしてやるぜ!!」


我は残りのパスタを一気に吸い込んだ。

ああヤバい……はんぱねぇ………

濃厚なのに、大葉やネギのおかげで、重さを感じさせない……

これ、笑えるくらい美味い!!

ああー…こんな気持ちで、日光浴できたら…

……もぉぉぉ無理!!!我慢の限界だ!!!


「ハァーハッハッハ!!!我はリヴァイアサン!!!さあ!光を浴びにゆこうではないかぁぁぁぁぁ!!!」


我は門番の役割をストライキすると、地上を目指して全力全開で泳いでいく。

海を感じ……波を感じ……そして……


「ープハァ!!んん〜、太陽の光が気持ちいいぃぃぃ!!!!」


我が海から地上に顔を出すと、周囲には巨大な津波と、間欠泉かんけつせんが発生していた。海域の住民達が、皆空へと打ち上げられている。

やっちまった………でも、時すでにお寿司♪


マグロ「リヴァイアサあぁぁぁぁん!!!」

タコ「このタコがぁぁぁぁぁぁーーー」

トビウオ「お、ビッグウェイブじゃん!」


これは後から知った話だが、地上では異常現象として観測されたらしい。

被害者がいなかったのが、幸いである。

………我を除いてだがな。


「ああ〜しばらく謹慎きんしんになっちまった……ま、やる事は変わんないけどな。ーげッ!またノーマルレアかよ!!!」


我はリヴァイアサン、とある海域の平和を守る、門番である。

我の懐が平和になる時は、はたして来るのだろうか……


ーーーーー


「マスター、ニュース見ました?あの津波と間欠泉、とんでもない異常現象らしいですよ~?」

「そうみたいね、なんでもすごい確率で発生したらしいわ~」


きっと、たらこパスタを食べたお客さんは、喜んでくれているわ。

今度、宝くじでも買ってみようかしら〜



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