第14話 好きって何だろうね(超改稿)

有り得なさすぎるのだが。

思いながら俺は桃の言葉に衝撃を受けながらそれを兎に全て話した。

すると兎も衝撃を受けた様な顔をする。

嘘、と言いながら。


「そんな馬鹿な事って」


「.....有り得ない事態だ」


じゃあ何か?今までのこれ全部.....計画的だったの?、と桃は愕然とする。

それから俯く。

俺はその言葉に、そうだな、と言いながら手すりを触る。

そして顎に手を添える。


階段付近で話している俺達。

ただ.....俺達はショックを受けていた。

そして顔を上げる俺。


「アイツが明確に何をされたかは分からないが。.....そのもう一人とやらがどんなのであってもこんなのは許せない」


「.....そうだね.....」


「.....最初から何故、それを全部言わなかったのかも分からんが。.....今出来るのは謎をとにかく一つ一つ紐解いていく事ぐらいだろうな」


「.....」


兎は深刻な顔をする。

そしてチャイムの音を聞く俺達。

戻るか、と言ってみる。

兎は、そうだね.....、とゆっくり顔を上げた。

そして話す。


「じゃあ桃は浮気してないって事だね。多分」


「何がしたいか分からないがそうなんじゃ無いのかな。多分」


「.....成程ね」


「.....」


俺は兎の言葉に何も言えなくなり前を見る。

そして階段を登ってから教室に戻ってから居るとスマホに受信があった。

俺は?を浮かべて開けて見てみる。

それは桃からのメッセージだった。


(俊樹先輩。先程話した通りです。.....が。それに追記したくてメッセージを送りました。先ずですがお姉ちゃんに利用されていたなどの件ですが。初めから言えなかったのはお姉ちゃんから俊樹先輩に攻撃すると言葉の暴力とヒステリーで脅されていた点などです。.....二つ目にこれ程の事がありながら今更あれこれ言ったのは何故か、と言う点ですが。待っていたんですよチャンスを。今、例の動画がこの学校で流行り始めたので今、反旗を翻しました。私も拡散していましたが。3つ目にお姉ちゃんの相手はほぼ間違いないですが横道先輩です)


と書かれていた。

成程、と俺は黙る。

それから周りを見てから返事を打って送信した。


それは本当にか、と、であるが。

そうしてから、でもそれでも反旗を今翻したのは遅すぎるんじゃないか、とも。

すると、俊樹先輩。案外人って支配は簡単には逃れませんよ、と送ってきた。

それから、支配は人間を蝕みます、とも。


(綿密ですよ。あの人。今の性は小倉になりましたが小倉杏(おぐらあんず)は。私の制服でわざわざデートしたり。.....全て私に責任を押し付ける為だと思いますがね何というか私に全て押し付ける為だと思います)


(.....動画の件とかでか)


(そうですね。恐らくですが。.....今言えるのはチャンスに基づいて反旗を翻してから随分と楽になった事ですね。そして.....俊樹先輩。.....別れましょうか)


(!)


(俊樹先輩の気持ちに配慮します。このままでは全てがグラグラなので。別れるのは当然嫌ですが.....でもまあ仕方がないと思います。私がやった事もやった事なので。明らかに全てがズレたので)


その言葉に俺は眉を顰める。

それから俺は顎に手を添える。

ふむ、と悩んでいると、楽しいかい?、と聞こえた。

顔を上げると先生が俺を見ている。


「いやー。なかなかワイルドっすよ。先生。今の状況は」


「ふむ。そうか。.....立っていなさい」


俺は苦笑いのまま席を立つ。

それからスマホを没収されて表に出される。

やらかした気がしたが。

まあこれも仕方がないか、と思ってしまう。



「.....もー。俊樹。貴方.....桃とメッセージしていたんでしょ?」


「そうだな.....その。桃の周りって結構深刻だからな」


放課後になってクラスマッチ委員として俺達は最初の会議に出席する為に会議室に向かっていた。

その際に俺はスマホのメッセージを兎に見せる。


兎はそのメッセージを読みながら深刻な顔で、そうなんだね、と言ってくる。

それから、桃大丈夫かな、と兎は呟く。

俺はその言葉に兎を見る。


「アイツの意思は尊重してやりたい部分があるが.....でもこれで別れるのはそこまでやる必要性があるのか、と感じる。何か考えが変わった」


「.....まあ確かにね」


そんな会話をしながら俺達は会議室に着いた。

それからノックをしてから返事を待つが.....誰も来てない様だ。

開けてからビックリする俺達。

そして兎が呟く。


「誰も居ないね.....」


「そうだな。.....誰か居るかと思ったんだが」


「まあ猪熊先生が授業とか終わるのが早いからね」


「ああ。確かにな」


そんな話をしながら俺達はそれぞれパイプ椅子に腰掛ける。

すると目の前に何故か兎が腰掛ける。

何でそこに座るんだ、と聞くと、良いじゃない。何処でも、と答えた。

俺は赤くなる。


「.....い、言ったでしょ。私は.....貴方を狙っているって」


「まあ確かに言ったけどさ.....」


「えへへ」


「.....ったく」


そんな感じで会話をしながら居ると、ねえ、と聞いてくる。

それから俺は顔を上げると。

桃の事.....どう対応しよう?、と聞いてくる。

俺は、正直言って対応方法は思い付かない、と言いながら、成り行き次第かな、と言葉を発する。

すると兎は、まあそうだね、と答える。


「桃は貴方の事が好きなんだよね?今でも.....きっと」


「だからこそ苦渋の決断だろうな」


「.....私も苦しいけど桃も苦しいんだね。きっと」


「.....」


俺は顔を上げると。

そこにかなり近くなった兎の顔があった。

お互いに真っ赤になる。

このままではキスでも出来そうなぐらいに顔が近い。

兎が顔を近付けてきた。


「.....」


「.....」


暫く口を半開きにしたままの俺と兎は見つめ合う。

マズイな、と思いながら俺は慌てて離れる。

そして、あ、暑いな、と告げてから立ち上がり。

それから窓を開けた。

すると兎が、ねえ、と聞いてくる。


「.....な、何だ?」


「.....好きって何だろう」


あ。ゴメン。変な事を聞いて、と言う兎。

揺らぐ心にそうスパイスが再度ぶち込まれる。

そして俺は考え込んだ。

好きって何だろう、か.....。


そんな事を感じながら俺は窓のサッシを触りながら真正面を見る。

どうしたら良いんだろうな。

そう思いながら.....。

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