第13話 導き出された解答(超改稿)
取り敢えず俺と兎は、何事も無かったよ?、的な感じで登校した。
それから俺は欠伸をして複雑な思いで過ごす。
すると何故か分からないが猪熊先生から呼び出された。
そしてその猪熊先生はいきなり俺を生徒指導室に連れて行く。
な、何.....!?ちょっと待て!?
「ちょっと待って下さい!猪熊先生!俺何もしてないっす!」
「あー。勘違いしなさんな。お前じゃない。お前の彼女さんについて聞きたい事があるんだ」
「.....俺の彼女って.....桃ですか?」
「そうだな。.....その山口に関してかなり疑いがあってな。.....それで証言を得るのもあって。それで呼び出した」
俺は、!、と思いながら猪熊先生を見る。
そして俺は生徒指導室に入ってから.....目の前の厳つい教師を見る。
確か長嶺岩男(ながみねいわお)先生だったな。
座ってくれたまえ、と、猪熊先生。有難う、と言ってくる長嶺先生。
猪熊先生は頭を下げた。
そして俺の肩をバンバンと叩く。
「んじゃ俺は仕事があるからな!」
「投げやりですね!マジに!」
「そーそー。投げやりだけど仕方が無いんだ。勘弁してくれ」
それから猪熊先生は職員室に戻って行く。
俺はその姿を見ながら長嶺先生を見る。
長嶺先生は厳つい顔ながらも、君は飴など食べるかね、と聞いてくる。
いえ、と一言、断りを入れて俺は長嶺先生を見る。
それから聞いた。
「長嶺先生。.....桃が.....どうかしたんですか」
「うむ。彼女の事だが他所の生徒と要らぬ事をしている疑いがあってな。それで君が重要人物になったのだ」
「え?それは.....俺は何も知りませんよ?」
「君は何か彼女とは友人であるそうじゃないか。何か少しだけでも知らないかね」
「.....」
俺は真っ直ぐに長嶺先生を見る。
するとそういえばと言って、お茶を飲むかね、と長嶺先生は立ち上がりながら2つ湯呑みを持って聞いてくる。
その事に、いえ。お構いなく、と断りを入れたのだが。
だが、まあそう言うな、と繊細な感じでお茶をパパッと淹れてしまった。
お構いなくと言ったのだが。
そういえば長嶺先生は柔道部の顧問と聞いたな。
ゴツい腕である。
でも.....性格はこんなに繊細だとは。
思いながら俺は目の前に出された湯呑みを見つつお茶を飲む。
すいません、と言いながら。
「じゃあ.....頂きます。本当に有難う御座います」
「大体はお茶を飲んでから話を聞くのが一番でね。私の性だ。人の心が読める」
「.....そうなんですね」
「.....ああ。.....悪い様にはしないから安心したまえ」
「.....」
俺はその言葉に安心しながらあっついお茶を飲む。
何だこれ玄米茶か。
めっちゃうめぇ.....沁みる。
何というかメチャクチャ繊細な味がする。
すると長嶺先生は俺に向いてきた。
「友人としてどう思うかね。山口くんはギルティーかな」
「ぎ、ギルティー?」
「そうだ」
「.....アイツは.....そこまで過激な事をしているとは思わなかったです」
「そうかね」
「警察官だったんですか?先生は」
いや。憧れていただけだよ。取調室の人にね、とそう答えながら長嶺先生はお茶の液面を見る。
それから顔を上げてくる。
俺はその顔に、.....もし桃が悪くてもあまりぶちのめさないって約束してくれますか、と言ってみる。
それは何故かね?、と聞いてくる長嶺先生。
「アイツはどうも半分は悪いと思っている様ですので」
「.....考慮しよう。.....君の意見の通りな」
「.....有難う御座います」
「ふむ。.....それでその山口くんだが.....SNS上であまり良い噂が流れてない。.....君も知っているかと思うがね」
「.....知っています。.....その.....あれでしょう」
俺が知っている様に話すと。
それが山口くんだとするなら退学か停学ものだが。
幸いにもあまり山口くんの事は上の方には今は知られてないのでね。
取り敢えず私が何とかしたいとは思っている。
私はこう見えて寛大だから、と話してくる長嶺先生。
「そうなんすね」
「だから君にもお願いがある。.....山口くんの事を見守って変な事があったら止めてあげて欲しいのだが。この先」
「.....分かりました」
「.....ふむ。.....時に。別件だが君はもう本当に絵は描かないのかね」
「俺っすか。.....キャンバス見る度に吐き気がするんです」
だから今は描けないでしょう。
言うと、そうなのか、と全く体躯にあってない小さすぎる湯呑みを傾けながらお茶を飲んだ長嶺先生。
俺はその姿を見ながら申し訳無い感じで、すいません。次の時間が、と言う。
それから、そうだった。うむ、と言った長嶺先生。
俺はそんな長嶺先生に笑みを浮かべる。
「.....長嶺先生の意外性に会えて良かったです」
「そうかね?心も怖い印象を持たれているが」
「俺はそうは思いません」
「ふむ」
「.....と言うか長嶺先生。すいません。先生とは何処かでお会いしましたかね?」
「.....それは無いと思うぞ」
長嶺先生は俺にそう答える。
そうですか?、と思いながら俺は湯呑みを片付ける長嶺先生を見る。
それから俺生徒指導室から頭を下げて後にしようと思い。
教室に戻ろうとした時だった。
目の前に桃が居る。
俺を探している様だった。
クラスメイトにヒソヒソ言われている感じの姿だ。
俺は、?、を浮かべながら見る。
「!.....俊樹先輩」
「.....桃。何をしている。.....どうしたんだ」
「.....いえ.....その。ちょっと良い機会だと思いまして」
「.....?」
俺は桃を見る。
そんな桃は俺を見ながら顔を上げてくる。
私ですね。.....実は一時休学しようと思ってまして、と言う。
俺は、!!!!?、と思いながら桃を見る。
何故そうなるんだ。
「学校で私の悪い噂が流れていますのもありますが.....勉強も気分が乗りません。そして全ては.....今から話します」
「.....???」
「.....動画の主ですが.....あれは私.....と言ってしまったらそれはそれで終わりですが.....先輩はどう思いますか」
「.....どう.....とは?」
「あれは私だと思いますか。それとも他の人だと思いますか」
「.....一体誰なんだあれは。.....というか休学が出来るって事は親.....」
「.....先輩。正解ですが.....あれですが双子の私の片割れです。先輩とは出会う前の事なので俊樹先輩たちは知らないでしょうけどね。私の親は離婚したんです。それでお父さんとお母さんがそれぞれを引き取ったんです」
は.....?
いや。ちょっと待て。
あまりの衝撃に俺は.....言葉が出なかった。
訳が分からなさ過ぎる。
そして数秒してから聞いてみる。
じゃあまさか動画上でセックスをしていたのはあれはマジなのか、と。
あの時キスをしていたのは一緒に帰っていたってのは?
すると、全て杏の仕業ですね、と答えた。
杏が.....元凶に近いです、とも。
その杏とはつまり、と聞くと、私のもう片方の双子です、と答えた。
俺は愕然とする。
じゃあちょっと待て。
「.....何故お前は.....そんなに受け入れているんだ.....?!」
「.....女の子には色々秘密があります。.....だから聞かないでほしいです」
「.....!?」
「まあでもどう受け止めてもらっても今更遅いですけどね」
言いながら頭を下げて、時間ですね、とそのまま桃は去って行った。
信じれらないんだが。
どうなって.....いるんだ.....?
いや割と本当にどうなっている!?
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