第2話 裸足と絵(超改稿)

正解は分からない。

だけど。

その中でも何というか今は取り敢えずは桃?のその動画に関して話し合いをするしか方法が無い。

今は天罰を下すとかそういう次元の話では今は無い気がする。


その中で俺と兎は噴水のある公園に集まった。

緑(りょく)公園という場所。

大きな噴水があるのだが。

これを省略して噴水とか呼ばれている公園である。


噴水は戦後直ぐに出来たとか聞いたが詳しくは知らない。

その噴水に褐色肌の二の腕を出している兎がスマホを弄って座っている。

俺は兎に声を掛けた。

顔を上げて俺を見てくる。


兎はボーイッシュなそれなりの美少女だ。

顔立ちは小さく男の様な髪型の少しだけ長いバージョンをしている。

その頭に兎の髪留めを着けている顔は.....厳つい。


俺はそんな兎を見ながら、大丈夫か、と聞く。

すると兎は、大丈夫に見える?これが?、と怒った様に言ってくる。

それから眉を顰める。

そしてイライラを打つける様に俺に向いてくる。


「何考えているの?桃。.....やっぱり信じられなかったね」


「.....落ち着け。多分、最初から俺達は手駒にされていたんだと思うから」


「こんな事になるなんて。穢らわしいとかそんなの通り越してる」


「まあ確かにな」


「私は.....許せない」


言いながら兎はスマホを握りしめる。

俺はその姿を見ながら噴水の水を見た。

怒っても仕方が無い。

今はとにかく証拠を掴むぞ、と兎に告げる。


「そうだね。.....とにかく今はそれしかないね。事実かどうか見定めよう」


言いながら俺を真っ直ぐに見てくる。

そして噴水を見る為に身体を捻る。

軽いボーイッシュなスタイルをしているのと短パンでヘソが.....見える。


俺は軽く咳払いしながら赤くなりつつ聞く。

どうしてそんなに怒っているんだ、と。

すると兎は赤面してから俺に向いてくる。

そして歯を食いしばった。


「言えない」


「.....え?」


「何でもないったら。.....でもその。.....桃が独占する姿がなんとなく嫌だったの。だから丁度良かったかもしれない」


「.....???」


俺は赤いまま何とか反応する。

7月だから結構暑い中で更に俺達は暑くなる。

何か知らないがこの噴水が.....結構役に立っているな。

出る勢いで水飛沫が上がって水滴が打つかっているしな。

その景色を見ながら兎を見ると兎も噴水の水を見ているのに気が付いた。


「.....涼しいね」


「そうだな。取り敢えずは涼しいけど.....」


「そうだね。まあそんな事を言っている場合ではないね」


兎は言いながらまた状況に戻った様に俯いて深刻な顔をする。

そして、私は証拠などを集めたいけど。俊樹はどうしたい?、と聞いてくる。

俺はその言葉に顎に手を添える。


それから、俺も証拠を集めて突きつけてから考えたい、と言う。

兎はその言葉に、!、と浮かべる。

そうしてから、そっか、と頷く。


「俊樹がそう言うなら私はそれに従うまで。.....私はそれ以上でもそれ以下でもないから」


「.....有難うな。兎」


「私はあくまで俊樹の味方でありたい」


「.....」


俺は兎を見る。

すると兎は靴下と靴を脱ぎ始めた。

でも、と真剣な顔をしながら、であるが。

な、何だ!?、と思っていると兎は噴水の水を掬って足にかけた。


「どっちにせよ物凄く気持ち悪い事は事実だから。その男もそうだけどね。.....だから早めにしないとね」


「.....そうだな」


「私は絶対に許さないけど。.....早めに桃に真実を聞きたい。だから証拠をすぐに集めないとね。少しでも集まったら突きつけれると思うから」


そして足元に土足で足を置く。

それから勢い良く立ち上がった。

汚れるって、とツッコミを入れるが兎は、そんなの気にしない、と言い放つ。

今はこうしないと気が済まないから、と言いながら。

そうしてから地団駄を踏む。


「でも何でこんなモヤモヤした気持ちを抱えないといけないんだろ?嫌だ」


「まあそれは確かにな。かなりモヤモヤするよな」


「そうだね.....イライラもする」


俺は言葉にそっぽを向く。

すると兎はまた噴水に座ってから、そうだ。今度大会があるんだ、と言ってくる。

俺は、それは陸上の?、と話をする。

その言葉に兎は、うん、と笑顔で言葉を発する。

じゃあ応援しに行かないとな。


「あ。そうだ.....」


「何だ?」


「当然、桃も呼ぶ事になるかもね」


「あ.....確かにな」


俺は言われてハッとする。

すると兎は、そうなると、と言ってくる。

証拠を集める良い機会かもね、とも。

その言葉に俺は、確かにな、と返事をする。


「じゃあ頑張ろう」


「.....ああ」


俺は目の前で運動の様に足を行ったり来たりさせている兎を見る。

しかしコイツ裸足が好きだな、って思う。

丁度それは俺が絵を辞めた時からだが。

俺は顔を上げる。

それから聞いてみた。


「裸足は絵の影響か」


その言葉に足の動きをピタッと止めた兎。

それから、うん。そもそも裸足になって遊ぶの好きなの俊樹のせい、と笑みを浮かべて柔和な顔で向いてくる。

やはりか、と思う。

そして俺は複雑な顔をすると。


「ねえ。改めて聞くけど何で絵とか.....その。全部辞めたの」


と聞いてきた。

俺は更に複雑な顔をする。

そして、まあ色々あるから、と答える。

そうして兎をまた見る。


「仕方がないって事にしてくれ」


「俊樹が一生懸命にキャンバスに絵を描いていたから裸足が好きになった。裸足で絵の具を触ったりとか素手で画材を触ったりとかしていたからね。裸足の素晴らしさを教えてくれたんだよ俊樹は。なのに.....何で絵を全部辞めたの?描くのも何もかも.....」


「.....」


何も言えなくなり俺は俯く。

まあ何というか。

飽きたんだわきっと。


そういう事にしておこう。

そうしているとゴロゴロと大きな音がして突然、大雨になってしまった。

俺達は突然の事にビックリしながらそのまま建物っていうか。

凌そうな屋根の下に行く。


そして兎に、大丈夫か、と聞いてみると.....透けていた。

俺は赤面する。

雨に濡れたりして服の下の下着が見える。


それに気付いた兎は俺の視線に視線を見下ろしてハッとした。

そして急速に耳まで真っ赤になっていく。

ちょっと!、と。


「こ、こっち見ないでよ!」


「す、すまん!?」


胸元の赤い下着を隠して、ガルル、と威嚇して赤くなる兎。

恥ずかしいらしい.....が。

ヘソとか出していた癖に下着を見られると恥ずかしいのか?


まあそれはそれで良いんだけど。

しかし淫乱で裸を見られても平気そうなどっかの誰かも居るのに。

何故.....こうなったんだろうな。

思いながら俺は複雑な思いで雷の鳴る空を見上げた。

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