(二)-11

 そう思うと矢も盾もたまらず、後ろを振り返った。まさかとは思うが、背後から襲われる、なんてことがあるのではないか。そういう気がしてならなかった。

 信雄はすぐさま厨房を出ようとした。出る直前に、「ここはヤバイかもしれない」と瑞穂の腕を取った。

 信雄は瑞穂と一緒に食堂を抜けて管理棟を出た。

 管理人がいるはずだったが、その姿も気配もない。そいつが犯人なのか、それとも既に殺されたのか。

 ともかく、一度ペンションに戻って、まだ生きている蘭子も連れて、ここから逃げ出さなければならなかった。




 そうして丸太小屋に歩いて行こうとしたところで、ペンションの方から悲鳴が聞こえた。


(続く)

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