(二)-10

 開けるとものすごい熱気が一気に吹き出した。信雄はとっさにのけぞってしまった。

 やけどしそうになる程の強い熱気にも驚いたが、釜の中を見て信雄はさらに驚いた。その中には人間の左右の足の裏があったからだ。

 それだけでは誰だかはわからなかった。しかしその足の持ち主は、食事の手配の確認をしに行った大隅剣のものだろうと直感した。

 日向、咲来、そして大隅。その三人がすでに変わり果てた姿になっていた。六人いた仲間のうち三人が立て続けにそうなったということは、次は自分の番なのではないか。


(続く)

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