(二)-8
調理機器が並ぶ厨房の中央には大きな台になっていた。恐らく盛り付けをしたり大きな魚や肉を捌いたりするための多目的な台なのだろう。そして信雄の目の前の台の上には、肉の塊が横たわっていた。それは牛でも豚でも、鶏やマグロなどでもなかった。
それは、両手両足が大の字に広げられて台からだらしなくはみ出している、人の形をした肉の塊であった。
しかも下腹部から胸まで腹が切り割かれ、肋骨が見えていた。さらに腹から腸が引きずり出されて、股間の方から足と並行に床へとだらしなく垂れ下がっていた。しかも形の良い張りのある乳房の二つの山の中心からやや左の胸には出刃包丁が垂直に突き立てられていた。
(続く)
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